公転運動量異なる2電子、重ね合わせで干渉-名大など発見
掲載日 2013年02月01日
【名古屋】名古屋大学エコトピア科学研究所ナノマテリアル科学研究部門の斉藤晃准教授と埼玉工業大学先端科学研究所の内田正哉准教授らは、公転の運動量が異なる二つの電子を重ね合わせると互いに干渉することを発見した。電子顕微鏡での実験で干渉しまを観察した。電子の基本的性質の新しい発見になる。量子力学などでの応用が見込まれる。
光学素子の回折格子を挿入した電子顕微鏡に電子線を照射し、公転運動する電子波を生成した。公転運動量の異なる二つの電子波を電子顕微鏡のスクリーン手前の板に設けたスリットにそれぞれ入射し、スクリーン上で重ね合わせたところ、干渉しまができると確認した。干渉しまの模様は時間とともに変化する。
量子力学では干渉が生じるには位置と運動量などを同時に正確には測定できない不確定性関係が必要とされている。今回の実験で電子の公転の運動量と位置が不確定性関係にあることを示した。
出典: http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720130201eaab.html