S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
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「障害」を受け入れる

2005年11月23日 | 「障害」に関わること
 現在入院中の姑が、どうやら「障害者」という立場になる模様。退院時には車椅子生活を余儀なくされるだろうという話が月曜に出る。
 同居する義妹は動揺しつつ、動揺していない。姑本人も動揺しつつ動揺していない。「障害」という事実に対して、「こういうことに関してはSちゃんに任せておけば問題無い」と、姑も義妹も当たり前のように微笑む。
 すごいなあ、と思う。娘の出生と告知から14年。姑も義妹も、年数の流れの中でゆっくりと「障害児の家族」として「障害」を日常としてきたのだなあ、と思う。そのことは、新たにやってくる事実に対しても、不必要な怖れを抱かせない。
 確かにこの姑にやってくる「障害」を聞いたときに、わたしの頭を駆け巡ったのは、利用できる制度と自分が相談できる既知の人間関係にある専門家の顔だった。建築関係を職種とする夫はこの話を聞いた時点で、すでに家のリフォームの青写真を描き始めている。頭は事実に対しての動揺を飛び越えて、「次にどうする」のステップを確実に踏み始めている。
 何を言わなくてもそのことが、姑と義妹に対して安心感を与えているのだなあと、穏やかな顔で横たわる姑と笑顔で話す義妹を見ながら実感として思う。
 「障害」に伴い発生する可能性のある「不便」を解決する思考と、特別視せずに受け入れようとする日常があれば、「障害」はけして怖くはない。

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4 コメント

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障害 (くみこ)
2005-11-23 10:15:41
おひさしぶりです。



>「障害」に伴い発生する可能性のある「不便」を解決する思考と、特別視せずに受け入れようとする日常があれば、「障害」はけして怖くはない。



そうですね。その先をどうしたらいいか考えるためのアンテナがあるかどうかで違いますね。身体の障害も、じゃあどうしようかと向かえる知恵や知識がないことが本当の不便な障害になっていくのではないかと思います。



お姑さん、笑顔でいられてるんですね。

安心は意欲のもとですね。ご本人にも周囲の人間にも。



元ナースという立場上、舅の病気には頼られる事がありました。実家とは離れているので帰省のときだけなのですが、もっと必要とされるかもしれない近い将来に安心を与えられる存在でいられるか…もっとアンテナを広げられる人間にならなければ!知識より身体を使っての援助になるでしょうが…。
Unknown (S嬢)
2005-11-23 17:24:54
2年ほど前に、ご近所の80代の方が小さな崖から転落されまして。

頬の骨と手の骨と、それから大腿骨を骨折されたんですわ。

年齢のこともあって、寝たきりになるだろうと誰からも予測されていて。

この方、わたしが子ども会の役員をやっていたときに、とても力になっていただいた方だったので、「お見舞いに行きたい」と言いまして。

そうしたら、周囲の方々に、容貌に衝撃を受けるだろうからやめなさいと言われまして。

ん…、でも結局行ったんですけどね、行ったことにとっても喜んでいただいて、嬉々として自分の考えるリハ計画を話してくださった。

それは現実的に、どう考えても「想定の範囲外」だったんだけれど、結局この方、それを実現されてしまった。

リハと自主トレの勢いがすごかったらしく、2年ほど経った今では、杖ひとつつかず、達者に普通に歩き回っていらっしゃる。

この年齢にして、驚異的な意志力と実現の精神力は、地域の語り草になってますわ。

このモチベーションの源は、奥様だったんですよね。

骨粗相症が進んでらして、ご主人が全ての家事をこなしていらした。

自分が早く回復して、妻を守らねば、とね。

すごいなあ、と思いましたね。



今回は、姑の笑顔が、やっぱり周囲の支えになってると思う。

少なくとも、わたしは支えられてる。

「高齢」という時代に入っている4人の両親が大病せずにとにかくなんとか元気でいること、この均衡が、1人の大病で根底からいつか崩れるんではないかと、びくびくしている自分が実はいます。

周囲の支えを信頼して笑顔でいてくれることが、また、周囲を支える力になっているのではないかと、そんなことを実感で思っています。
素晴らしい80歳 (くみこ)
2005-11-23 19:22:41
大腿部骨折…しばらく拘束されて動けなくなる入院。その最中に痴ほうが進んでいくご老人を見てきました。家族の見舞いも少なく、看護婦だけが相手の毎日。治ろうとする意欲も減ってくるのがわかりました。



家族に支えられてる、家族を支える。

家族って何人にも変えられない、家族に勝る看護婦はないって感じた事も少なくありません。



信頼できる家族がいて、笑顔でいられる。

心強いですね。



わたしの親も遠方。元気でいてくれる事に感謝してます。

Unknown (S嬢)
2005-11-24 00:30:50
この方が退院していらしたときは、まだ杖をついていらして。

ほんの近所なのだけれど、うちまで車でいらして、そして車を降りて、杖をついて歩けるところを見せてくださった。

歓声、でしたね、驚きで。

そこに偶然出くわして、その姿を見かけた方々も、この時思わず叫んでいました。

お見舞いのお礼というのか、このときにいただいた商品券を、ずっと大事に取ってあるんですよ。

自分が本当に弱気になったときに何か買うのに使おうかな、と。

強さのおすそ分けをいただいたような気がしてね。



今日、義姉から電話。

「事実」を聞いて駆けつけて、「笑顔」を見て安心したと。

遠方の、もう1人の義妹に、この「笑顔」を言葉で語るのは難しいですよねえ、なんて、義姉と話していました。



まあ、とりあえず、疾病の治癒に向かって、日々を重ねていくんだろうな。