S嬢のPC日記

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「不平等」のススメ

2005年09月23日 | 「障害」に関わること
「ママとおねえの交換日記」
いや、勝手に言ってるだけです。
「ママ」のわたしはぼんぼこぼんぼこ「障害児のきょうだい児ネタ」をあげ、障害者の“きょうだい”のつぶやきの「おねえ」はぽんぽんぽんぽん反応してくれます。

さて、「おねえ」が今回上げて、初トラックバック発信となったのは「甘い汁」。

「障害児のきょうだい児」をお育ての皆様。
ってこの立場で読んでる人って、いったいどのくらいいるのかね。
まあいいや、
「障害児のきょうだい児」をお育ての皆様。
「障害児の親」の育児を自分の親に見続けながら育つ、「障害をもつ子のきょうだい児」が持つ淋しさというものがあります。
親がきょうだい児に対して後回しになってしまうときに、「障害のケア」を理由にするのはやめましょう。
はっきり言って、そんなことはわかってます、近くで見てるんだから。
「待たせてゴメン」「待っててくれてありがとう」で充分です。
まずいのは、理由を提示して「ゴメン」と「ありがとう」を省略することです。
「あなたの理由はわかる、でもわたしの気持ちは納得しない」なんてことを子どもが言うのは「技術的に」無理です。
自ずと、口はふさがれます。

その上で、今回はきょうだい児に対しての「甘い汁」の与え方です。
きょうだいってのは、愛情は平等がよかろ、と思いますよね?
片方は障害をもつことで手がとられるから、なんとか「平等」にしてやろうと思いますわね?
ところがどっこい、です。
きょうだいっていうのは心理として、欲しいのは「平等」ではなく、「平等より自分がちょっとだけアッチよりもかわいがられてる」というヒソカな喜びです。
罪悪感を持つほどでもない、ほんのちょびっと「優越」みたいなもの。
これ、障害があろうとなかろうと「○○にはナイショだよ」な~んてこと言いながら自分だけオヤツもらっちゃった~~みたいな「甘さ」ってのを喜ぶ心理ってのが、人間にはあるわけです。
障害児のきょうだい児こそ、これが必要な子どもたちなのだとわたしは思います。

ところが、障害児の親というのは、大胆に定義してしまえば、コレ、下手な人が多いですね。
障害をもたない子どもの方にちょっと優遇ってのは、障害をもつ子の方に、というより「障害」というものを冷遇するような罪悪感があるんでしょうね。
そんなことは、子どもを生んで「障害」と出会った「親」の事情です。
子どもを生むまで「障害」と無縁であった「親」の事情です。
「障害」と生後数年で、もしくは生まれたときから「障害者の家族」であるきょうだい児は、そんなことよりまず「親の愛情のゲット」が最重要課題です。
「障害」=「被害の要因」になるところから救ってやらなければなりません。
障害児のきょうだい児というのは、「自分」と、「障害をもつきょうだいと母」、という景色でものを見ていること、見なければならない状況が多いです。
ちょっとくらいのズルは、ものすごく欲しがっているわけです。
「自分と母」と、「障害をもつきょうだい」の位置関係だって欲しいです。
大人になれば、自然そういう位置関係は増えますが、関係のベースを築くのは「生育歴」の時代です。
すでに「大人になった」親は、そういう経過が想像できますが、きょうだい児は経過以前に「現在進行形の今」が大事です。

ただし、きょうだい児が欲しいのは、障害をもつきょうだい児に対しての「冷遇」ではありません。
きょうだい児にとって、障害をもつきょうだいは、障害があろうがなかろうが「きょうだい」です。
障害をもつきょうだい児に対しての「冷遇」を、きょうだい児に感じさせてしまっては「やりすぎ」です。
欲しいのは、「ちょっとだけズル」です。
以前聞いた話ですが。
「障害をもつ子のきょうだい児の親」のある「先輩」、ちょっとこじれてきた「きょうだい児である『妹』」と、解決のために交換日記を始めました。
そこでわかったこと。
最後に「○○(妹の名前)が好き」と、書いて欲しがるのだそうだ。
「○○と××(障害児の名前)が好き」ではダメ、「○○も××も好き」でもダメ。
「○○(妹の名前)が好き」、なのだそうです。

「障害をもつ」ということで、家庭内にいろんな要素が生まれる中、障害をもつ子が不在の時は「チャンス」です。
きょうだい児が病欠で、きょうだい児だけが在宅という時も「チャンス」です。
「あなただけ特別よ、うふ」ってテンションが効果的にきょうだい児に届きます。
「ちょっとだけズル」の要素が伴うためには「うふ」ってテンションが必要です。
「わたしはあなたにちょっとだけズルをしてあげたかったのよ、したかったのよ、うふ」です。
つまり、それは「母親の義務感」ではなく、「母親の希望によるもの」であるべきです。
きょうだい児は、そうした「自分のところに走ってきてくれる」ことを待っています。
障害をもつ子が不在で、きょうだい児だけを連れて外出する場合は、障害者の“きょうだい”のつぶやきのエントリーの「甘い汁」にも出てきますが、帰るタイミングで絶対に「障害をもつ子の方の我が子」のことを帰る理由として出してはいけません。
「障害をもつ子の方の我が子」のことを帰る理由として出した時点で「馬車」が「かぼちゃ」になってしまいます。
つまり、障害をもつ子が不在の時間は、きょうだい児を「シンデレラ」にするチャンスです。
ちょっと大きくなったきょうだい児は、「馬車」が「かぼちゃ」であることは知っています。
「12時になれば魔法が解ける」ことも知っています。
だからこそ、「かぼちゃ」を「馬車」にする魔法が必要なのだと思います。
わたしは、わたし自身がこの「魔法」を楽しむことが必要だと思っています。
きょうだい児には「ナイショ」ですが、
わたしは実は、障害をもつ子である娘の方にも、「ナイショだようふふ」の「ちょっとだけズル」をするあばずれです。

「楽しいちょっとだけズル」とは、ちょっと違うのですが。
息子が年中のとき、土曜日に熱を出したときのこと。
土曜に受診をして、熱が下がらない日曜の夜、わたしは娘を支援してくださる方に電話をかけました。
「明日の朝、娘を学校まで送ってくれないか」と。
娘は学校までの送迎が必要でした。
息子はその留守番を、何度も何度も経験していました。
でも、熱を出したときくらい、留守番をさせずにそばにいてやりたかったのです、わたしは。
ほんの短い時間でもね。
月曜の朝、娘の送迎をかってでてくれた方が玄関のチャイムを鳴らしました。
すると息子がわたしに、玄関まで連れていってくれと言う。
熱い体を抱き上げて連れていくと、まだ5歳の息子は、その方に「ありがとうございました」と頭を下げました。
ほんの短い時間でも、この子には「自分が直接お礼を言いたい」というくらい、大切なことだったのだなあと、「きょうだい児の心理」を教えられたような気がしたのでした。

以上、「甘い汁」(障害者の“きょうだい”のつぶやき)にトラックバック。
かるとーしゅかさん、
これから育つ「後輩」たちのために、障害者のきょうだいの「先輩」の立場から、本文詳細に関しての「添削指導」よろしく。
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24 コメント

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資料にしていいですか? (五つの霞)
2005-09-24 19:14:41
こんばんは。五つの霞です。

一つお願いがあるのですが…

この『「不平等」のススメ』を、うちのポプラ学級の保護者向けの資料に引用していいですか?

あ、保護者に対して「あ~せい、こ~せい」と言うつもりはないんです。かるとーしゅか様の『甘い汁』と合わせて何も解説をつけずに読んでもらい、うちの保護者がどんなリアクションを起こすか、見てみたいんです。

“著作権者”のS様、いかがでしょうか?
うはは・・・恥ずかしい (かるとーしゅか)
2005-09-25 12:05:38
>本文詳細に関しての「添削指導」よろしく。

 

 いえいえ、私にゃ添削なんて出来ませんよー。恥ずかしいです。

 

 しかし不平等のススメ! なるへそ、です。

たしかに平等よりも不平等の方がもっと嬉しいカモ。。。なーんてね。

 冗談はさておき、馬車とカボチャの話はなんだか読んでいて泣けました。

そして息子さんのエピソードも。そばにママがいてくれて、きっと安心したんだろうな。

 

 Sさん、お子さんを育てながらこんなにたくさんのまとまった文章をお書きになるのは大変なことと思います。どうぞ身体には気をつけて下さいね! 
Unknown (S嬢)
2005-09-25 12:46:01
>霞先生

かるとーしゅかさんのレス待ちしてからお返事と思っていたのですが、レス来ましたので「了解」のお返事。

リンクフリーと同じ理由で問題ナシです。



ただし、ですが。

「引用」なので、引用部がどこになるのか関心として知りたいです。



>かるとーしゅかさん

わたしは「きょうだい当事者」ではないので、肯定・否定はフィードバックとして知りたかったです。

かるとーしゅかさん個人の反応ということをふまえた上で、否定部が無いということで解釈でいいのかな。



>馬車とカボチャの話はなんだか読んでいて泣けました。



子どものときは、「親」がカボチャを馬車にしてやる必要があるとわたしは思います。

でも大人になったら、今度は自分が「カボチャを馬車に」ではなく、「カボチャを自分が、自分にとって有能に乗りこなす自動車にする知恵」を持つことだと思います。

それは相手に関係の無いところで、自分の中で「被害」ではなく「昇華」させていくこと。

そのひとつの作業として、ブログは有効な「手段」としての媒体になっていくと思います。
「引用」改め「転載」 (五つの霞)
2005-09-25 13:28:43
>引用部がどこになるのか

今朝から資料の“編集作業”にあたっているのですが…

だめだ!一節でも欠けると、Sさまの「華麗に舞いつつ急所を撃ち抜く」文章の魅力が色褪せちゃう!それに、「甘い汁」とのやりとりっていうのも大切なファクターだから、冒頭の段落も割愛できない!

…ということで、「引用」ではなく「転載」してもいいですか?
霞先生 (S嬢)
2005-09-25 13:48:39
>だめだ!一節でも欠けると、Sさまの「華麗に舞いつつ急所を撃ち抜く」文章の魅力が色褪せちゃう!



強烈なオホメ言葉、感謝痛み入ります(笑)。

希望は「全文掲載」です。

また、保護者にとっては、この文章うんぬんではなく、こういう形で「先生が親の書いた文章というものを閲覧している」ということは、担任に対しての信頼度も上がるものだと思います。

そういう意味では、この記事が反論を招くことであっても、別の意味での「意義」も高いと思います。



以上、よろしく。
おっと (S嬢)
2005-09-25 13:50:35
ただし、ですよ。

検索でURL自体が知られてしまうと、霞先生のブログもバレますよ。

それで自由さが欠けてしまう可能性もあるので、文中のHN等、テキトーに変えていいですよ。
五つの霞さまへ・転載OKです (かるとーしゅか)
2005-09-25 14:00:30
 かるとーしゅかです。実家に帰っていたためレスが遅くなりました。平謝りです。時系列でコメントをつけていて、自分のブログの方で難しい内容のコメントをもらってしまったため、こんな遅くなりました。ごめんなさい。。。ってあれー!?Sさんからのフォローをもらってる! Sさん、ありがとうございました。

 

 五つの霞さま

 五つの霞さまへのレスになりますが、私もSさんと同様、「引用」だとどこになるんだろう?と思ってました。でも転載ならばOKです。

 

 Sさま

>わたしは「きょうだい当事者」ではないの

>で、肯定・否定はフィードバックとして知り

>たかったです。

>かるとーしゅかさん個人の反応ということを

>ふまえた上で、否定部が無いということで解

>釈でいいのかな。

 

 グレーゾーンなレスをつけてしまってごめんなさい! マジでSさんの記事に感服しちゃってたんです。なので否定意見はまったく無いです。「きょうだい児が欲しいのは、障害をもつきょうだい児に対しての「冷遇」ではありません」っていうところも好きです。本当にそうですから。よくまとまっていると思います。。。ってエラそうですみません。

 他の親御さんの良い参考になるといいですね。

 

 というわけで、五つの霞さまへ、Sさんとの“抱き合わせ”(?)OKです。
かるとーしゅかさま (S嬢)
2005-09-25 15:31:43
>レスが遅くなりました。



ネット上の時間感覚から自由になったってよいのですよ。

日常ってモンがまず第一なんだから。

んで、わたしは早書き・早打ちなのです。

お気遣い、ありがとうね。

「甘い汁」は日中考えていて、夜ダダダ~っと打ち込みという経緯。



>Sさんからのフォローをもらってる!



はい、難しいレス、おつかれさん。

あれは、事件がどうのっていうより、日常からの「コミュニケート不足」もあると思う。

本人にとって相手が「親から見えない相手」になっていることに着目、というか。

「親から見えない相手がいるところまでわざわざ出かけて」ってほどにはならないことも多いので、「地域で育つ」ということが大きいという要素がまた見えてくるひとつの具体的事例でもあるかな、とも思う。



>「きょうだい児が欲しいのは、障害をもつきょうだい児に対しての「冷遇」ではありません」っていうところも好きです。



そうそう、ここ、大事なんだよね。

これを勘違いされると悲しむのはきょうだい児。

だからこそ、口をふさがれていることに着目、と思う。



さあて。

言うのは易し、行うのは難し。

ま、日々、がんばりまっす~~~~。

なんたって、人間育成現在進行中だからね。

こんばんわ (N)
2005-09-25 19:02:06
はじめまして

私は 妹が障害者として生まれ

私は健常者でした。



(いいなー 私にもこんな両親がいてくれたらなー)



と 思っていたことが書かれていたので

つい 書き込んでしまいました。



うちの場合・・・

父もあまりからだが丈夫ではなく

妹も 軽いのですが 障害者でしたので

なにかあるたび父は私に

「お前は健常者なんだから出来て当たり前だ」

が 口癖でした。

これは 学校に入っても同じで

喧嘩しても いつの間にか

私が我慢を強いられました。



その反動で

影ではずいぶんと妹を虐めました。



昔の話ですが・・・
霞先生 (S嬢)
2005-09-25 20:38:17
かるとーしゅかさんのブログのコメント欄、行っといてください。

霞先生のHPからメール入れるかもしれません、よろしく。

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