徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗 読書

2014-02-14 23:52:44 | 日記

風よ龍に届いているか ベニー松山
JICC出版局 読了
読了メーターと重複

歌舞伎とPCゲームとプロレス。若い頃、血道を上げて熱中して追っかけたジャンルである。この年になっても澱の様に心の奥底に潜んで、時たま爺いの脳幹を揺さぶる。此れに因って人生を棒に振った気がしないではないが、それは済んだこと。PCゲームってもう死語なのかも知れないが、本書は1980年代に生まれた最初のコンピュータRPG「ウィザードリィ」シリーズのノベライゼーションということになろう。もう一回読みたいなぁ、と思いつつ、さりとて本箱をひっくり返すのは億劫でそのままになっていたのだが、この度感動の再会を果たし夢中で読了。昔のPCゲームって動画なし、喋り無しだったので、却ってツボにはまったゲームは想像力を掻き立てて呉れる物が多かった気がする。本書はそういった特殊なジャンルに於ける貴重な成功例だと思う。他にも沢山の類似本を試したが、読書として印象に残っているのは、この人の物位か。末弥純のイラストと供にひたすらPCの画面に食らいついて、ウィザードリィに惑溺して膨れ上がった異世界への思いを可成り満足させてくれた。ラノベ、ファタジーとしても平均以上の出来だと思う。作中の取ってつけた様な制約はゲームへのオマージュで知らない人にはご愁傷様というしかない。「この本を俺ほど様々な方面から楽しんでいる人物はそんなには居ない筈だ。」と妙な想いが!これを説明するには更なる文字数を要するが、多分読みたい人はいないだろう。こういう本との付き合い方もあるのだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿