徐仙日乗

日記、随筆

徐仙日乗読書 昭和芸人七人の最期 笹山啓輔

2017-01-26 10:09:48 | 日記
徐仙日乗 昭和芸人七人の最期 笹山啓輔
文春文庫
読了 読書メーターと重複

筆者は70年代生まれの大学の先生で日本演劇史が専門との事。これに対し取り上げられている七人はトニー谷を除くと戦前に活躍した人達ばかり。これくらいの昔で「歴史」として扱えるのかも知れない。小林信彦辺りは子供の頃に見ていて、資料とともに本人や上の世代に話を聞くことが出来たのだが、小生は(主に)小林信彦の著作からイメージを膨らませてきた。名声、盛名に比べて晩年の寂しさ、無念さの記述が多くなるが「芸人だからありうる事」としか言い様がない。しかし親戚、係累の事を考えると筆者くらい離れないと書けなかったのは事実だろう。小生は特に知りたいとは思わない。勉強になったのは「イイカゲンな芸界の言葉の使い方」で演歌、ミュージカル、喜劇、オペラ、ジャズなど時代によって実相が異なるってことは覚えておいた方がいい。確かにこれは時代が近すぎると分かりにくい筈で「我々は時代によって翻訳された言葉を使って、物事を理解している」って格言じみた言葉で締めよう。最後に伊東四朗を持ってきたことによって、本の厚みがぐっと増している。良書です。

1月25日(水)のつぶやき

2017-01-26 03:24:12 | 日記