中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

地球研のオープンチームサイエンスのプロジェクト研究員として着任しました。

2018-09-04 16:58:47 | 研究報告

2018年9月4日

9月1日付で、京都の総合地球環境学研究所に研究員として着任しました。2年半の任期ですので、思い残すことなく思う存分研究に励みたいと思います。私が所属するプロジェクトは、「オープンチームサイエンス」をどう進めていくかを研究することが目的です。

オープンチームサイエンスとは、異なる学問分野や市民社会との協働を軸として、研究(あるいは問題解決)するスタイルです。地球環境問題は、一つの学問分野だけで解決できるわけではありません。たとえば、湖水の汚染を研究する場合、水の汚染度を科学的に測定する専門家はもちろんのこと、その原因を明らかにするために歴史学の研究者の協力が必要になるかもしれません。そして、その地域のライフスタイルから考察するために、民俗的知識が必要になるかもしれませんし、人びとの意見がまちまちなら、まちづくりの専門家、あるいは紛争解決学などの力を借りなければなりません。研究者だけではなく、問題にかかわってきたNPOや市町村などの行政との協力も必要です。実際に私が代表となっている、民族学博物館の「放射線影響をめぐる当事者性」の研究の場合、文化人類学、社会学、政治学、博物館学芸員、医師、NPO、芸術家で研究をすすめています。

 どうしてオープンチームサイエンスの方法論を研究する必要があるのかというと、研究者はどうしても自分の研究成果を効率的にあげたくて、なるべく問題の発生しない方法で、簡単に言うと仲間内だけで共同研究を行うことが多いように思います。でもそれは、よい研究成果を上げることはできても、社会にある問題をきちんと解決できたかという問題が残ることがあります。そこをクリアして、研究のレベルとしてもよいものを生み出し、同時に社会の問題もきちんと解決できる方法を考えるのが、オープンチームサイエンスなのだと思います。

 私が所属するプロジェクトでは、琵琶湖の水草問題や、北海道の上下水道、オマーンの文化遺産など複数の具体的な研究プロジェクトと協力しながら、方法論や評価方法を考えていきます。私は主に、複数の協力プロジェクトの研究を記述することになります。自然科学系の実験や研究を文化人類学的なインタビューと参与観察で考察する「ラボラトリースタディーズ」というのがありますが、私の仕事はこれとよく似ていて、地球環境問題にかかわるプロジェクトの民族誌を書くことになります。

私は、「一を聞いて十を知る」とか、「切れ味鋭い」とか、「議論強い」などとは無縁ですので、こんなメタな研究ができるのか不安な側面もありますが、知らないところに行って、いろいろな人と話をするのは大好きですので、まずは仕事を楽しく進めようと思います。私のささやかなこの能力を(おそらく)認めてくださった、プロジェクトリーダーに感謝しながら、精進してまいります。

それに、自宅マンションの大家さんから、地球研の一般の開放日に行きたかったのに行けなかったので、地球研の人が入られてうれしいと言われたり、、、ガスの開設の方が「地球研には家族が遊びに行きました」とか、、、そんな風に言ってもらえるとやっぱりちょっと嬉しいし、やる気が出ます。

ところで、このポストはいわゆるポスドクのポストで、通常なら20歳代後半~30歳代前半の若い研究者のためのポストですので、53歳という超高齢着任の私は、最高齢記録を更新したのではと思っていたら、まだまだ上には上がいるようで、ブービー賞にもならないそうで、、ネタにならずがっかりです(笑)

今日はあいにくの台風で、着任二日目にして自宅待機しています。それにしても、こんな恐ろしい台風は生まれて初めてです。テーブルで内側から抑えたので、窓は割れなかったのですが、窓枠付近がびしょびしょになってしまいました。。。京都でこれですから大阪は大変なのではないでしょうか。

岩倉に転居しましたので、京都にお越しの際はお声がけください。自然豊かで自宅の前は田んぼが広がっています。子供たちも田んぼのあぜ道を通って学校に通っており、子供のころを思い出します。大文字焼きの中の一つ(まだどの文字かわからないのですが・・・)も自宅から見ることができます。

 

 

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