2012年

2012年12月31日 16時13分21秒 | 読書
ということで年末恒例?の今年の紹介作品一覧です。

毒舌評価したものや、激甘評価してしまった作品もあるかと思いますがご了承くださいね。

1 『解錠師』 スティーヴ・ハミルトン
2 『身の上話』 佐藤正午
3 『世界でいちばん長い写真』 誉田哲也
4 『SOSの猿』 伊坂幸太郎
5 『ハング』 誉田哲也
6 『箱の中』 木原音瀬
7 『影法師』 百田尚樹
8 『主よ、永遠の休息を』 誉田哲也
9 『まほろ駅前番外地』 三浦しをん
10 『喫茶店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』 岡崎琢磨
11 『深く深く、砂に埋めて」 真梨幸子
12 『殺しあう家族』 新堂冬樹
13 『もぐら』 矢月秀作
14 『同期』 今野敏
15 『架空通貨』 池井戸潤
16 『アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子II 』 深町秋生
17 『彼女は存在しない』 浦賀和宏
18 『鬼手 世田谷駐在刑事・小林健』 濱嘉之
19 『凍りのくじら』 辻村深月
20 『BT'63』 池井戸潤
21 『トッカン 特別国税徴収官』 高殿円
22 『プラチナデータ』 東野圭吾
23 『インビジブルレイン』 誉田哲也
24 『ラブコメ今昔』 有川浩
25 『氷菓』 米澤穂信
26 『硝子のハンマー』 貴志祐介
27 『5年3組リョウタ組』 石田衣良
28 『とんび』 重松清
29 『無理』 奥田英朗
30 『贖罪』 湊かなえ
31 『果断 隠蔽捜査2』 今野敏
32 『傍聞き』 長岡弘樹
33 『不正侵入』 笹本稜平
34 『三匹のおっさん』 有川浩
35 『政界汚職 警視庁公安部・青山望』 濱嘉之
36 『春を嫌いになった理由』 誉田哲也
37 『モンスター』 百田尚樹
38 『ヒトリシズカ』 誉田哲也
39 『完全黙秘ー警視庁公安部・青山望』 濱嘉之
40 『署長刑事 時効廃止』 姉小路祐
41 『スパート!』 川西蘭
42 『隠蔽捜査』 今野敏
43 『彼女がその名前を知らない鳥たち』 沼田まほかる
44 『ラン』 森絵都
45 『ファントム・ピークス』 小林一光
46 『For You』 五十嵐貴久
47 『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎
48 『武士道エイティーン』 誉田哲也
49 『真夜中のパン屋さん午前1時の恋泥棒』 大沼紀子
50 『少女』 湊かなえ
51 『デッドクルージング』 深町秋生
52 『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』 大沼紀子
53 『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと謎めく日常』 三上延
54 『アナザ―フェイス』 堂場瞬一
55 『プリズン・トリック』 遠藤武文
56 『果つる底なき』 池井戸潤
57 『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎
58 『合コンに行ったらとんでもないことが起こりました』 鷲宮だいじん
59 『オリンピックの身代金』 奥田英朗
60 『名もなき毒』 宮部みゆき
61 『SROⅣ 黒い羊』 富樫倫太郎

去年はランキング形式で紹介しましたけど、今年はいいよね?うん、そうだよね。
気になる作品は記事を読んでくださいw

『解錠師』 スティーヴ・ハミルトン

2012年12月31日 15時48分52秒 | 読書
来年もよろしくお願いします。



「八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまったマイク。だが彼には才能があった。絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。孤独な彼は錠前を友に成長する。やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に…非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描き、MWA賞最優秀長篇賞、CWA賞スティール・ダガー賞など世界のミステリ賞を獲得した話題作。このミステリーがすごい!2013年版海外編。2012年週刊文春ミステリーベスト10海外部門第1位。」(BOOKデータベースより)

私が外国人作家の本をあまり読まない理由。

登場人物の名前を覚えられないから笑

なかなかね、片仮名の名前は覚えられないんです。
でも今回この本を手に取ったのはなにかすごい惹かれるものがあったから。
そしてそれは間違ってなかったなって思います。

主人公のマイクルは8歳のころの事件により言葉を失ってしまう。この事件については後半で明らかになりますが、気になる人は読んでくださいね。
そんなマイクルはふと捨てられた錠を解体することで、錠をあける、つまりピッキングの技術を身につける。
このころの技術では簡単な錠しかあけられなかったマイクルであるが、ある事情により空き巣の手伝いをすることになる。
簡単に錠を開け、建物に侵入したマイクル達であったが、警察につかまってしまい、保護観察の処分を受けることになった。
保護観察中、マイクルはひと夏の間、毎日4時間、週6日、保護観察先で被害者のマーシュに庭に穴を掘るように命ぜられる。
もくもくと穴を掘り続けるマイクルに、マーシュの娘であるアメリアが近づいて来た。
マイクルはアメリアと話してはいけないとマーシュに言われていたが、マイクルはアメリアに恋をしてしまう。
だが言葉にして伝えられないマイクルは、その夜、得意の絵をアメリアに届けるため、再びマーシュの家に侵入を試みた。
そしてその後、マイクルとアメリアはお互いを愛し合う。
また、黙々と働く姿がマーシュに認められたマイクルは、ゴーストと呼ばれる金庫破りのプロを紹介される。
そこでマイクルは金庫破りの技を身につけることになったのだが、実はマーシュは借金取りに追われており、アメリアの身も危ないことを知る。
マイクルはアメリアを守るため、借金取りに雇われ幾度となく金庫破りをすることになるのだった。

もっと書きたいが書けない。
いい作品は紹介も長くなってしまう。いかんいかん。
翻訳者の越前氏もあとがきで書いているように、この作品はサスペンスと青春小説の程よい融合である。
金庫破りの場面では手に汗握るような緊迫した様子が伝わってくるし、マイクルとアメリアの場面では思わず涙腺が緩むようなことも。
2012年の年の瀬にこんないい作品に出合えて僕は幸せです。

★★★★☆

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いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。吉川英治文学賞受賞作。 (BOOKデータベースより)