久しぶりにかく気になりました。
『開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を探す四人組の日々の哀歓を暖かく描く連作。「帰ってきた定年ゴジラ」収録の完成版』(講談社文庫より引用)
本の感想としてよく使われるのが「次が気になって仕方ない」、「ページをめくる手が止まらない」といった表現がまま見られますね。このブログの読者の皆さんはよくご存じでしょう。自分も使います。
この本の感想としては、
「次を読みたくない」
があったんです。
次に進みたくない。
何でかって言うと…
「今読んでるこの文章が心地よすぎて、終わらせたくない」
から。
「この文章にずっと浸っていたい。」
から。
それだけの文章力、構成力、観察力。さすがといったところ。
定年になったサラリーマンが、老後にすることがなくて退屈で、活力がなくなった定年ゴジラたちが、どう生き甲斐を見つけていくかと言うストーリーです。けしてアドベンチャーみたいなスリリングでエキサイティングな展開がある訳じゃなく、ミステリーみたいにあっと驚くトリックがある訳じゃなく(ただ、最近のミステリーはただただトリックだけで話を進めるんじゃなくて、物語性だったり、人間らしさが求められていたりするんだけど)、ラブストーリーみたいに最高の愛がある訳じゃなく、ただただ定年のおっさんたちの物語。だけども、そこにこれだけの魅力を書き込み、読ませる技術はさすがです。
おすすめですね。
☆☆☆☆★
『開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を探す四人組の日々の哀歓を暖かく描く連作。「帰ってきた定年ゴジラ」収録の完成版』(講談社文庫より引用)
本の感想としてよく使われるのが「次が気になって仕方ない」、「ページをめくる手が止まらない」といった表現がまま見られますね。このブログの読者の皆さんはよくご存じでしょう。自分も使います。
この本の感想としては、
「次を読みたくない」
があったんです。
次に進みたくない。
何でかって言うと…
「今読んでるこの文章が心地よすぎて、終わらせたくない」
から。
「この文章にずっと浸っていたい。」
から。
それだけの文章力、構成力、観察力。さすがといったところ。
定年になったサラリーマンが、老後にすることがなくて退屈で、活力がなくなった定年ゴジラたちが、どう生き甲斐を見つけていくかと言うストーリーです。けしてアドベンチャーみたいなスリリングでエキサイティングな展開がある訳じゃなく、ミステリーみたいにあっと驚くトリックがある訳じゃなく(ただ、最近のミステリーはただただトリックだけで話を進めるんじゃなくて、物語性だったり、人間らしさが求められていたりするんだけど)、ラブストーリーみたいに最高の愛がある訳じゃなく、ただただ定年のおっさんたちの物語。だけども、そこにこれだけの魅力を書き込み、読ませる技術はさすがです。
おすすめですね。
☆☆☆☆★