『模倣犯(五)』 宮部みゆき

2010年05月03日 15時08分55秒 | 宮部みゆき
長かったこの話も完結です。



 真犯人Xは生きている――。網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、一躍マスコミの寵児となった。由美子はそんな網川に精神的に依存し、兄の無実を信じ共闘していたが、その希望が潰えた時、身を投げた――。真犯人はいったい誰なのか? あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇、深い余韻を残してついに閉幕!(新潮文庫より)

全五巻中の五巻目です。

今回は今まで四巻にわたって事件の詳細が語られてきたので、誰がどのようにやったかということはもう眼中にありません。

誰が、どうやって真相を暴き、真犯人を追いつめるのか。

前畑滋子か。
有馬義男か。
塚田真一か。
警察か。
あるいは真犯人が暴走し、、、。

そこにいかに樋口めぐみが、水野久美が、“建築屋”が、前畑昭二が・・・。


と、書きましたが、話はそんなことではありません。笑

確かにこの中の誰かが真相に近づいていきます。
一人か二人か三人か。。。それは自分読み進めてください。

宮部みゆきが書きたかったのはそんな事件の究明とか、トリックの解読とか、そんなことじゃないんです。

ここで自分が感じたこと書いても意味がないことです。
ちょっと逃げですけどね。
それぞれが感じることが重要ですから。

自分はまだ宮部みゆきが言いたかったことのほんの一部しか読みとれてないと思います。
もっと勉強です!



『模倣犯(四)』 宮部みゆき

2010年05月03日 14時57分16秒 | 宮部みゆき
話も完結に向かっていきます。



 特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に掲載し始めた。今や最大の焦点は、二人が女性たちを拉致監禁し殺害したアジトの発見にあった。そんな折、高井の妹・由美子は滋子にあって、「兄さんは無実です」と訴えた。さらに、二人の同級生・網川浩一がマスコミに登場、由美子の後見人として注目を集めた――。終結したはずの事件が再び動き出す。(新潮文庫より)

模倣犯5巻中の4巻目です。


あまり話の内容に入ると、初期の物語のネタばれになってしまうから、気をつけながら書かないといけないのがつらいです。

この回ではあまり話に進展がありません。
5巻でうまく話をまとめるための序章といった感じでしょうか
だから、読んでいてもなかなか疲れるというか。
ちょっと中休み的な部分です。
まあ、最初から最後まで突っ走れるような、そんなに短い作品でもないから難しいところですが。

ただ、最初のころからのキーパーソンである「ピース」の神話が崩れてくる。
高井由美子と樋口めぐみの対比。

その辺は見どころでしょうか。