『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川浩

2011年11月15日 21時24分15秒 | 有川浩
秋を通り越して冬に行っちゃいそうですね。



「晴れて彼氏彼女の関係となった堂上と郁。しかし、その不器用さと経験値の低さが邪魔をして、キスから先になかなか進めない。あぁ、純粋培養純情乙女・茨城県産26歳、図書隊員笠原郁の迷える恋はどこへ行く―!?恋する男女のもどかしい距離感、そして、次々と勃発する、複雑な事情を秘めた事件の数々。「図書館革命」後の図書隊の日常を、爽やかに、あまーく描く、恋愛成分全開のシリーズ番外編第1弾。本日も、ベタ甘警報発令中。」(BOOKデータベースより)


ちょ、ちょっとスピードワゴンの井戸田潤連れてきて!!







アマーーーーーーーイ❤



はい、これやりたかっただけです。

だがしかし、本編からスピンオフしたこの作品ですが、とっても甘い青春ラブストーリー的な物語になっています。
甘いだけじゃなくて、ちゃんと書くべきものは書いてるんだけど。
この甘い部分がうまくぼかしてくれる。うまいですよね。有川先生にはほれぼれします。

そんだけ!!

★★★★☆

『図書館革命』 有川浩

2011年10月13日 21時11分43秒 | 有川浩
中日ドラゴンズ強いです!



「原発テロが発生した。それを受け、著作の内容がテロに酷似しているとされた人気作家・当麻蔵人に、身柄確保をもくろむ良化隊の影が迫る。当麻を護るため、様々な策が講じられるが状況は悪化。郁たち図書隊は一発逆転の秘策を打つことに。しかし、その最中に堂上は重傷を負ってしまう。動謡する郁。そんな彼女に、堂上は任務の遂行を託すのだった―「お前はやれる」。表現の自由、そして恋の結末は!?感動の本編最終巻。」(BOOKデータベースより)


郁がこんなに成長するなんて。。。
それだけでうれしいです笑


原発テロが発生したとか、それだけで小説一つ作れるよね。
でもあえてそこは無視というか、犯人全員死亡ということにしてさらっと流すあたりとか、物語の本流をしっかり作っててさすがですよね。
だって舞台は図書館ですもんね。

今回のお話は図書館での話っていうより、キーパーソンの当麻蔵人を守る!っていう話。舞台は図書館より図書館がいのほうが多いし、そっちのほうがメインです。
そしてそして、シリーズ最終作ですので、図書館VS良化特務機関にも一応の結末が。完全なるネタばれだから書きませんが。
もちろん郁と堂上の恋物語にも進展がありますよー!そっちのほうが楽しかったり笑


有川浩っていう作家は、小説を書くのにしっかりストーリーを練って書くタイプじゃなくて、ある程度の設定を決めたらあとは勝手にキャラクターが動き出すっていう作家なんですって。
最初は手塚光の兄である慧は出てくる予定じゃなかったらしいですよ。でも最終的には絶対になくてはならないキャラクターになっちゃってる。最初は悪い人設定だったのにいい人になっちゃってる。
もうなんていうか才能!?頭の構造が違うと思います。
これからも期待してます。有川さん!


別冊にも期待です。

★★★★☆

next...「空飛ぶタイヤ」池井戸潤

『図書館危機』 有川浩

2011年09月07日 20時57分42秒 | 有川浩
涼しくなってきました。



「思いもよらぬ形で憧れの“王子様”の正体を知ってしまった郁は完全にぎこちない態度。そんな中、ある人気俳優のインタビューが、図書隊そして世間を巻き込む大問題に発展。加えて、地方の美術展で最優秀作品となった“自由”をテーマにした絵画が検閲・没収の危機に。郁の所属する特殊部隊も警護作戦に参加することになったが!?表現の自由をめぐる攻防がますますヒートアップ、ついでも恋も…!?危機また危機のシリーズ第3弾。」(BOOKデータベースより)


第1作目の図書館戦争、第2作目の図書館内乱に続く第3作目になります。


話は前作の最後、王子様がだれか知ってしまったあとからはじまります。

メインストーリーは、表現の規制についてでしょうか。

なんか、とても紹介しにくいのでサブストーリーの郁と堂上の恋物語を。笑
二人の関係はどんどん進展していきます。

郁は郁で、堂上のことを確かに好きになっていくし、
堂上は堂上で、それを受け止めつつ、郁のことが気になって仕方ない。

これは、第4作目の図書館革命を読むっきゃないっすねー!

面白みとしては前作よりも好きです。

★★★☆☆


next...「リミット」野沢尚

『図書館内乱』 有川浩

2011年08月24日 19時55分36秒 | 有川浩
最近仕事すると頭痛くなります。



「図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む郁は、中澤毬江という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さいころから面倒を見てもらっていた図書隊の教官・小牧に、密かな想いを寄せていた。そんな時、検閲機関である良化隊が、郁が勤務する図書館を襲撃、いわれのない罪で小牧を連行していく―かくして郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?書き下ろしも収録の本と恋のエンタテインメント第2弾。」(BOOKデータベースより)


図書館戦争シリーズの第2弾です。
話も前作の続き。

↑の紹介文以外にもいくつかの物語があって、短編のようなそうではないような・・・よくわからない小説です。w

さて、今回も郁と堂上を中心に色恋ごとに絡めた紛争や争いや駆け引きやら。

題名の通り、図書館内での争いが今回の話の主軸。
でも、面白いのはそこに絡んでくる人間ストーリー。
誰が誰のことを気になっていて、実は相思相愛なんだけど。。。



ネタばれなしにはこの本は紹介できません笑


てことで、これまで!

★★★☆☆

『図書館戦争』 有川浩

2011年07月26日 19時45分33秒 | 有川浩
やっぱり有川ワールド。甘酸っぱい恋がしたくなる。



「2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。」(「BOOK」データベースより)


主人公は笠原郁。

そして、その直属の上司である堂上篤。

ふたりの周りには個性豊かな仲間たち。


物語は冒頭から訓練のシーン。有川ワールドはなんといっても、ありえない世界でのあり得る話。今回のありえない世界はこの図書館を守る『図書隊』。

ありえない世界が中途半端な作り込みであったなら、すぐ読者は冷めちゃうよね。その辺、有川の設定の妙。

この設定になれるまでにはちょっと手間取ったけど、難しい話はおいといて大筋を理解できたならもう有川ワールドにのめり込んでるんだと思う。


有川ワールドのすごさは、このありえない世界なのに、登場人物はみんな今をいきる等身大の人間そのもので、徹底的な嘘、つまり図書隊以外すべてがかなりのリアリティーで書かれている点。



正直のところ、郁の王子様が誰かなんて、だれでもすぐわかる。作者もそんなことわかってて隠してる。

でも、強がってる郁や王子様(あえて名前は伏せる)が見せる、人間的な、脆い感情、そして恋心。




また、まんまと有川浩にやられてしまいました。


ちょっと設定が難しかった点から、


★★★☆☆

『空の中』 有川浩

2011年03月08日 22時50分49秒 | 有川浩
家からの電話。「今日ピザにしたから早く帰ってきてね」(4歳の甥)



「200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは―すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。」)(「BOOK」データベースより)

空に未確認飛行物体現る。

世に言うUFOじゃないですよ?
直径五、六十キロメートルの巨大な白い円盤のような物体です。
いや、それUFOじゃん。
いや違うんですよ。宇宙人じゃないし。
太古から地球に住んでたんですよ。

そんな生物と人間とのお話です。
いや違う。

そんな生物から意図せず剥離した生物『フェイク』と高校生の男女の話。



どでかい生物『白鯨』と航空自衛隊三尉の武田光稀とMHI(三菱重工業)の春名高巳の話。


恋と、人情があふれる。
いい話。

なんか、うまく書けない!
けど、いい話。ライトノベルなのかな?本人はそう言ってますが。
そもそもライトノベルって何よ?的な。

なんだかんだ、なかなか言えないことをズバリ言ってくれるので心地よいです。
ただ、真ん中辺が中だるみかな?

★★★☆☆

『海の底』 有川浩

2011年02月26日 23時28分53秒 | 有川浩
また、有川浩です。



「4月。桜祭りで解放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦「きりしお」の隊員が見たとき、喧騒は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている」! 自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は壮絶な戦いを強いられていく――ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンターテインメント!!」(角川文庫より)

いやー、有川浩は面白い。
この作品は有川浩の「自衛隊三部作」と呼ばれる本の3作目。
ただ、3部作とはいえ話はすべて独立していて、登場人物も別なのでどれから読んでも大丈夫!
なにやら、コンセプトは「一つ大きな嘘をつきながら」、「それ以外の話はとことん真実を追求し」、「陸・海・空の自衛隊が関わる」話とのこと。

この作品は、「巨大なザリガニが横須賀基地から上陸し」、「警察の機動隊と自衛隊が奮起している」、「海軍」の話です。
そもそも体長が1~3メートルも成長したザリガニ(正しくはザリガニではないけど、便宜上ザリガニといいます)が大量発生して人を襲うなんてことは到底考えられないことです。
ただ、そんな嘘八百を隠すこともなく堂々と描き切るところは清々しく、それ以外がリアルに描かれているから案外嘘じゃないように思えてくる。
たとえば(決して悪く言っているわけではないが)I坂K太郎なんかの作品はあり得ないことが重なって書かれているから、「ありえない」がぬけないんですが、この作品はそうではない。
いや、この三部作すべて(まだ2作目を読んでないのは秘密)、清々しく読めてしまう。

ま、実際のところザリガニを排除する策はあまりに偶然が重なりすぎてる面があって、ちょっとあっけなさも感じましたが、それはそれでまだ駆け出しの時だった有川浩ならではということで。
それを差し引いても面白かったですね。

あと、忘れてはいけないのが、陰に陽に書かれている警察、官邸、公務員への批判。
圧倒的戦力をもっていながら政治的に出動できない自衛隊と、ザリガニに打ち勝てる能力がほとんどなく多くの重傷者を出した警察、米軍との関係や市街地ということもあって自衛隊の出動を決めれない官邸、すべて大きく言えば公務員。
みんな分かっているのになんにもできない大人の事情っていうのが、この話に奥深さを与えているのかな。

それと人間関係ね。好きなことを言えない、正しいことが分かっていてもできない、そんな現代への批判も垣間見れます。
あと、ちいさな色恋ごとも。欠かせませんね。

★★★★☆

『塩の街』 有川浩

2011年02月08日 23時04分55秒 | 有川浩
この人の作品を紹介していなかったことをお詫びします


「塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作にして、有川浩のデビュー作!番外編も完全収録。」(「BOOK」データベースより)


宇宙から降ってきた塩の塊からの伝染病??塩害という、人が塩になってしまうという正体不明の現象により人口が3分の1ぐらいまで減少してしまった日本で起こる、恋愛物語。
簡単に言えばこういうことでしょうか。

ただ、こんな陳腐な表現ではだれも興味はそそられないでしょう。
そもそも、人が塩になるわけないし、人が塩になるなら動物たちも塩になっていってもおかしくなくて、生物多様性がどうなっているのか想像もできません。

でも、そんなことはどーだっていいことです。
作者いわく「拙い」文章。たしかに、他の有名な作家の作品に比べたら拙い文章かもしれません。
ただ、作者がいう、「うまく書くんじゃなくて書きたいように書いた」からこそ伝わってくる感情。
本当の人が持つ、大切な人に抱く感情。
そういうのがストレートに入ってくる。とってもここちのいい文章。

技法にばかり気の取られた最近の雑多な小説とは異なる、清々しい小説です。

★★★★☆