葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

命ってあっけないね 佐藤さん・・・

2004年07月11日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
いのちってなんだかあっけないね

どうにも まだ信じられないよ

恰幅のいい 体を涙で震わせて

そうやって喪主さんはつぶやいていました

私は ただの葬儀屋で

答えも出せずに そばで静かにうなづいている

だけでした



長いこと 葬儀屋をやって

いつかそのことに答えが出せるのかもしれないし

出せないままかもしれません



ありふれた広告のように

温かいお別れをご提供いたします

なんて

震えた肩を目の前にして

言えるものではありません



まだまだ よく説明はつきませんが

震えた肩をとめることは 無理にしなくてもいいことで

悲しみはそのまま

つらさもそのまま

それが失う悲しさの受け止め方なのではと思います


別れることは悲しいことで

失うことはつらいことで

いなくなってしまうのはさびしいことで

涙もあふれたりもします

でもそれが自然なんだと
人として当たり前なんだと

私は思います

そんななかで、近くでうんうんとうなづいているだけの
私も何かの役に立っていればいいなあと
そう思います。