「息長氏は秋永氏である。」の顛末記

秋永氏探求から紐解く日本古代史

消費税増率を考える。

2012-05-25 | 日記

 

消費税増率を考える。

秋永祥治

昨今の日本の政治の話題は、消費税を将来10%以上にするか、と謂うことでマスコミを賑わしています。心情的には反対であるが、日本の現在の財務状況の下では致し方無いと専門家の方を含めて大方の人々が考えて居られる様です。

政府は、対外的に日本の国債を投資ファンドから守るために、財政健全化の為、消費税率を上げ、国際的な信用を得ようと(それが国民の生活を守る為の一番先に行う政策である。として、理解を得る為に社会保障と税の一対改革と称して成立を目指しています。)していますが、此処は、日本の将来を左右する重要な分岐嶺と考え、皆様にわたくしの考えを伝える事にします。

 

現在の資本主義の構造問題は、資本の肥大化により、実体経済と架空経済が生じ、余剰資本が行き場を探して、投機利益を求めてあらゆる市場へ流れ込み、大きな影響を与えていることです。架空経済には、倫理・道徳といった人間的なものは無く、損か益かだけの世界で人類を脅かしています。自由を掲げていますアメリカ合衆国は、ありとあらゆる物を投機対象にする投機集団に対して規制を行わず、投機が経済をひっぱって株価が上がり活性化すると、基本的に考えている様です。

実体経済の産業は、賃金が安くて質の高い、多くの労働者の居る、政治が安定した後進国を目指し、先進国には、成長分野が少なく、経済成長の鈍化と失業者の増大問題を起こしています。

とりわけ、ヨーロッパ諸国は資源・産業が少なく第3次産業(サービス・観光)に頼り、10~20%と失業率が高く、ユーロと謂った貿易・通貨・国境障壁を失くす事で人や通貨の流れを円滑にして、経済の活性化をはかり、何とか経済成長を図ろうとしていますが、足かせと為っていますのが、消費税である事は明白であります。

消費税の考え方は、公平平等に、広く・薄くの理念から始まったものと考えられます。そして、その大義は福祉であったようです。国民は、その言葉を信じて賛成をして、失業者は増え、気が付いたら20%近い税率になっていた。そして、亦近いうちに税を上げないといけない。と謂った、如何にもならない状況に来ています。

 

何処が間違っていたのでしょうか?経済対策としてのユーロ圏の考え方は間違っているとは思えません。

 

根源的問題は消費税です。この消費税こそ、経済成長の最大の障害と認識し、反対出来なかった経済学者と政治家の責任は重大です。

 

経済は理屈・理念ではありません。消費者一人一人の心理です。

 

消費税は景気が過熱した時の一時的に用いる政策で、景気の悪い時期に行う政策ではありませんし、恒久的に用いると、この様な取り返し様の無い結果を生む事に為ります。

 

ヨーロッパの諸国は早く此の事に気付いて消費税を撤廃し消費拡大を図り、公共行政サービスの縮小をして、小さな政府を目指すべきでした。

 

わたくしは、ヨーロッパを十数回程訪問しましたが、振り返って、日本国のあるべき方向を考えた時、その誤ったヨーロッパ諸国の政策を目指そうと謂う考え方に、異議を申し上げます。

 

日本とヨーロッパは文化が違います。ヨーロッパは石の文化で地震がありません。

12世紀から20世紀に建築された石造建物に棲む人々にとっては、当然物事の捉え方(尺度)に違いが生じます。車を購入する場合でも、最低20年~30年使用する事を前提に考えます。家具でも、数百年も使用しています。家の建て替えが基本的には必要在りません。モンスーンの無い気候に恵まれ、人々はテラスや木陰で食事や歓談に勤しみ、街に人が溢れます。稼いだお金は貯蓄には向かわず皆消費に向かいます。彼らの資本主義の捉え方は東洋の薄利多売ではありません。適正な料金・充分な利益で生活をエンジョイすることが主眼です。生活をする上で必要と求められますのは、衣・食と老後の福祉であります。この老後の事や失業に対する備えを、生活をエンジョイしながら積み立てようと考えたのが消費税のアイデアであったと考えられます。しかし、この消費税は行政サービスの拡大と伴に税率の拡大をもたらして現在の如何にも為らない状況を齎しています。

 

元々、日本は草木の文化で、モンスーン・地震多発国です。

日本家屋は基本的に木造で、精々100年で建て替えをしなければなりません。定期的に出費が嵩みます。人々の生活も質素を常とし、街に出て食事や歓談に耽ることは少なく、小規模店の経営を難しくしています。政府の政策を見限り、自分で将来の生活や病気に備えての蓄えを美徳とし、老後に備え、社会にお金を還元しません。

現在5%の消費税でありますが、これが10%に為ったら、の事を考えますと引き返す事の出来ない船出と感じられます。消費者そのものの購買意欲に水を注す事になり、中小企業の経営は困難を来たし、国の思惑とは逆に税収の低下を招き、直ぐに消費税率15%20%に為るのは時間の問題でしょう。それから先はどうなるのでしょうか?

此処は、しっかり専門家や政治家は思考を廻らすべきです。

 

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