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稲苗の考察

2009-05-30 05:26:54 | 稲作
苗の事をあれこれ考えている。昨日、中原さんや、岩越さん、石井さん、空豆さん、ミキさん、そして柿野さんと苗床で色々の方にお会いした。意見も聞いた。いよいよ田植えシーズンで、皆さん苗の出来の確認がしたくなっている。柿野さんにはこちらから、一度見てくれるようにお願いした。柿野さんの意見は、「比較実験をして見る事。」これが出来そうでできないことで来たことである。さすが学問のある方だ。アプローチが学者らしい見解である。毎年の農作業を比較実験する農家になれ。良いと思ったことはやる農家は多いいだろうが、幾つかの条件をつけて、比較して結論を出す。こう言うアプローチは農家の場合できない。たいていは偶然が基点となる。「私ならたまたま、戴いた竹炭のパウダーを深い考えも無く、餌に混ぜてみたら、発酵が思わぬ方向に変わった。」そこを基点に炭という物の違いを実証した。すると、あんず炭は飼料に使うといい結果がでる事がわかる。こんな流れである。

稲の苗の事であった。比較実験は今年も色々している。苗箱とセルトレーの違い。だいぶ分かってきた。苗土の比較。そして一番は初期に水が多い意場合どうなるか。私は徒長稲になるのではないか。と考えてきた。そこで初期は水を辛く。水遣り程度。ところが、柿野さんは初期水張りをしてきたそうだ。まるで逆である。私が初期水を辛くして居る原因は、稲という植物を想像した時、自然の環境では川辺の植物だろうと推測する。長江のやや下流域では確認がされている。川辺の季節による水位の変化が、発芽のきっかけになる。水位が徐々、間断しながら増してくることにあわせて、稲は発芽し、生育する。又水位が下がり始めて、実りを迎える。日本で栽培すると言う事は、本来より、かなり寒い気候の中で生育可能なものが、選抜されてきた、結果なのだろう。柿野さんの水を張ると言う考えは、寒さに耐える環境を作る。と言う事であろう。

苗作りでは、「ギリギリの環境で耐える力のある育て方が良い。」というのと、「充分整った環境を作り、いわば温室育ちにする。」という考えがある。松本さんの野菜苗の作り方を見せていただくと、環境を十二分に整えることの重要さが、にじみ出ている。私は育ちが育ちのためか、ギリギリ環境派である。甘やかしはいかん。とどうしても成ってしまう。先入観を捨てて、比較実験をしてみろ。これが柿野さんの指摘であった。来年の重要な課題である。柿野さんが舟原田んぼに入れて欲しいと言う事である。谷戸田での稲作りを体験したいと言う事である。久野の為にもありがたいことだし、特別に入って頂く事でお願いした。その分、皆さんの分配量は一割減ることになるが、来年は田んぼを増やさざるえない。増やした田んぼで、柿野さんには独自で耕作してもらう方向で、考えたいと思っている。

比較実験という意味では、育苗を7週、8週、9週、との比較は実験している。田植えは5葉期で行いたい。これが春先の暖かく変化する気候の中で、タイミングが実に難しい。2週の差が、田植え時点ではかなり接近する。この2週遅れ苗が、他への水遣りを増やす時期に入っていたので、初期湛水育苗になってもいた。これも良く観察の価値がある。確かに初期すんなり伸びた。問題は3葉期以降の事である。肥料が必要になった4葉期セルトレーの底を根が突破する。苗代の土で肥料を吸い始める。そうしたことはあまり無いのではないか。そういう推理もあり得るが。体験的には苗代の肥料は大きな要素になる。ともかく水の入れ方は来年はもう少し工夫をしよう。他所のよい農家の苗を見せていただけ。これも言われていた。確かに、他所の苗を一度も見た事がない。たいていの農家という物はそんなものであろう。
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