たまたま、卒業生のアヤカに連絡する用件があった。アヤカは2年前に教育実習しに来たが、本気で教員を目指している風でもなかったので、どうしているかと心配していた。
「今、バイトです。ちょうど繁忙期で休めません」
「…………」
わざわざ奨学金を受けて大学に行ったのに、アルバイトとは。
クラスの成績は、不動の1番だったので、かなりもったいない。
初対面の人に、自分が教員であることを教えると、「俺もなりたかったな」と羨ましがる人がいる一方で、「大変ね」と同情する人もいる。教員とは、毎日のようにモンスターペアレントに悩まされ、反抗する子供たちに手を焼く仕事というイメージらしい。
しかし、それは間違いだ。
いわゆる、モンペと呼ばれる親たちはほんのひとにぎりで、ほとんどの家庭は学校に協力的だし、むしろ「厳しくしてほしい」と頼んでくる。家では、厳しくできないことの裏返しかもしれない。学校にもよるけれど、子供たちも、「勉強ができるようになりたい」「部活を頑張りたい」から、「人の役に立ちたい」「成長したい」などの目標を持っているので、普通にコミュニケーションをとっていれば、ちゃんと言うことを聞いてくれるものだ。
もっとも、「子供と遊んでお金がもらえるなんていいね」と言われると、カチンとくるが……。
私が、教員になってよかったと感じる最大の理由は、「子供の元気をもらえる」というところである。
先日、球技大会があった。男子はバスケットボールにドッジボール、女子はバスケットボール、バレーボール、ドッジボールをやった。10代のパワーはすさまじく、大声をあげて5分や10分走り回っても、疲れるどころか楽しそうだ。敵とはぶつかり合い、味方とは力を合わせてボールをキープし、若さならではの躍動感が伝わってくる。これが40代、50代だったら、2分で息切れを起こし、捻挫や肉離れなどのケガ人続出となるに違いない。
ボールが床に叩きつけられる音、飛び散る汗、応援のざわめき、ホイッスル、一斉に起きる拍手……。
普通の会社勤めでは、まず見られない光景だ。教員には、見た目の若い人が多い。生徒が発散するエネルギーを吸収し、日々、若さをチャージできるのかもしれない。
ちなみに、私のクラスでは、男子チームがドッジボールで上級生を破り、優勝した。
「イエーイ!!」
パチリ。
カップと賞状の前に並び、全員で記念撮影をした。
こんなことができるのも、教員ならではの特権である。
そんなことを思い出しながら、アヤカとの話を続けた。
「バイトってことは、就職活動が上手くいかなかったの?」
「いえ、就活はしませんでした。教育実習のあと、本当に教員になりたいと思ったので、採用試験一本に絞って勉強したんです。不合格でしたが、また今年も受けます。バイトしながら勉強しています」
胸が高鳴った。アヤカは、教育実習で教員の醍醐味を多少なりとも感じ取り、実現しようとしている。私が応援しなくてどうする。
「いいねえ! じゃあ、産休代替や講師の口があったら、紹介してもらえるように頼んでおくよ」
「はい! お願いします」
この頃は、将来、何がしたいのかわからない若者が増えているとか。
教員を、おすすめしますよ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「今、バイトです。ちょうど繁忙期で休めません」
「…………」
わざわざ奨学金を受けて大学に行ったのに、アルバイトとは。
クラスの成績は、不動の1番だったので、かなりもったいない。
初対面の人に、自分が教員であることを教えると、「俺もなりたかったな」と羨ましがる人がいる一方で、「大変ね」と同情する人もいる。教員とは、毎日のようにモンスターペアレントに悩まされ、反抗する子供たちに手を焼く仕事というイメージらしい。
しかし、それは間違いだ。
いわゆる、モンペと呼ばれる親たちはほんのひとにぎりで、ほとんどの家庭は学校に協力的だし、むしろ「厳しくしてほしい」と頼んでくる。家では、厳しくできないことの裏返しかもしれない。学校にもよるけれど、子供たちも、「勉強ができるようになりたい」「部活を頑張りたい」から、「人の役に立ちたい」「成長したい」などの目標を持っているので、普通にコミュニケーションをとっていれば、ちゃんと言うことを聞いてくれるものだ。
もっとも、「子供と遊んでお金がもらえるなんていいね」と言われると、カチンとくるが……。
私が、教員になってよかったと感じる最大の理由は、「子供の元気をもらえる」というところである。
先日、球技大会があった。男子はバスケットボールにドッジボール、女子はバスケットボール、バレーボール、ドッジボールをやった。10代のパワーはすさまじく、大声をあげて5分や10分走り回っても、疲れるどころか楽しそうだ。敵とはぶつかり合い、味方とは力を合わせてボールをキープし、若さならではの躍動感が伝わってくる。これが40代、50代だったら、2分で息切れを起こし、捻挫や肉離れなどのケガ人続出となるに違いない。
ボールが床に叩きつけられる音、飛び散る汗、応援のざわめき、ホイッスル、一斉に起きる拍手……。
普通の会社勤めでは、まず見られない光景だ。教員には、見た目の若い人が多い。生徒が発散するエネルギーを吸収し、日々、若さをチャージできるのかもしれない。
ちなみに、私のクラスでは、男子チームがドッジボールで上級生を破り、優勝した。
「イエーイ!!」
パチリ。
カップと賞状の前に並び、全員で記念撮影をした。
こんなことができるのも、教員ならではの特権である。
そんなことを思い出しながら、アヤカとの話を続けた。
「バイトってことは、就職活動が上手くいかなかったの?」
「いえ、就活はしませんでした。教育実習のあと、本当に教員になりたいと思ったので、採用試験一本に絞って勉強したんです。不合格でしたが、また今年も受けます。バイトしながら勉強しています」
胸が高鳴った。アヤカは、教育実習で教員の醍醐味を多少なりとも感じ取り、実現しようとしている。私が応援しなくてどうする。
「いいねえ! じゃあ、産休代替や講師の口があったら、紹介してもらえるように頼んでおくよ」
「はい! お願いします」
この頃は、将来、何がしたいのかわからない若者が増えているとか。
教員を、おすすめしますよ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
でも生徒との触れ合いは一生の宝物になりました。
結局は教師にはなれませんでしたが
人とのコミュニケーションが更に好きになりました。
ただ、今の教師はうるさいPTAの影響からか弱くなったのか・・・
中学や高校時代は悪いことをしたら先生に殴られる事やケツバットは
当たり前で生徒も悪いことをした自覚があるので甘んじて受けてました
今でも一番ケツバットをした先生とは仲が良く
4年に一度の(オリンピックの年に開催)同窓会では必ず来てもらってますよ。
でも大変な仕事ですよね!
アヤかさんには是非とも先生になってもらいたいですね~!
教師を目指したのは、良い先生に出会えたからかな。
そういう先生とはいまでもおつきあいがありますが。
教師を目指している教育実習生に、今の教師は大変だぞ、やめとけばなんていう教師もいますが、それならあんたこそやめて、後進に道を譲りなさいよと言いたいわ。
私の最後の教え子たちは、今年教育実習、採用試験。
がんばって欲しいです。
子どもったいの元気がもらえなくなったから、腰が痛かったりするのかな…
金持ちの子が成る職業だとばかり思っていました。
勉強さえすれば誰でもなれることを教えてくれるのが先生の役割なのでしょうね。
教え子とやり取りしている砂希さんは彼女にとって尊敬できる先生です。
コネでも札束でも何でもいいから赴任先見つけてくださいな。(*^^*)ポッ
PTAというより、人権問題なんでしょうね。
特に、体罰はご法度です。
家庭でも痛い思いをしていない子どもに、教師がガツーンとやったら、恐怖で登校できなくなるかも。
何も、腕力に訴える必要はありません。
口で勝てない先生に、生徒は頭が上がらないからです。
私はそこまで論争力がありませんが、同僚にはすごい人がいます。
教育実習の思い出ってステキですね。
きっと、YUMIさんも同じことをおっしゃると思いました。
高3の担任に勧められなかったら、この道に進むことはなかったです。
人と関わる仕事には向いていないと思い込んでいました。
でも、書類やPCを相手にするより、よほどやりがいがありますよね。
今の教師が大変、というのは、古き良き時代と比べてのこと。
昔の時代を知らない若者に、やめておけなんてナンセンスです。
あんたこそやめろ、っていいですね(笑)
最後の教え子さんたちの奮闘をお祈りします。
いろいろな思い込みがあるようです。
教師はみな貧乏くさい恰好をしているので、金持ちの子がなるとは思いませんでした(笑)
父は、コネがないと絶対になれないと言い張っていました。
しかし、何を根拠に?
実は、今の職場に、昔の教え子がいます。
飛びぬけて優秀でもなく、普通の子でしたが、講師、産休代替などを何年も続け、昨年試験に合格したんです。
まさか同じ職場で働くとは思いませんでした(笑)
真面目でいい子ですよ。
きっと、アヤカもなれるはず!
小生は、小学校の時に一人、いい先生と出会いましたが、中学、高校となるたびに、先生にはガッカリするようになりました。
高校は受験校だっただけに、先生方は、成績や受験の結果ばかりが関心事に映ってました。
でも、今、振り返ってみると、先生がどうこうより、自分の心が閉ざされてて、先生と交流ができなかったんだなーと。
そうでなかったら、もっとイキイキした学園生活ができていたんだろうなーって。
いるいる、そういう教員も。
レベルの高い高校だと、○○大学に何人合格させたなどの実績争いになるみたいですね。
学生時代の友人は、一浪したあと中堅大学に行きました。
挨拶をしに高校まで行ったら、元担任に「そんな腐った大学に行ってどうする?」と罵られたそうです。
あまりにもひどい話で、ビックリしましたよ。
高校では、教員との関係より、友人との付き合いが大事!
合間に私のことを思い出してくれたら最高です。
「他もそうだと思うけど、この仕事、半端なく大変だよ~。
一握りの楽しい!をエネルギーに、ダンプ一杯の砂を手で積み上げるみたいな気になるからね。それでもやるの?」
そう言われてためらうようなら、やっぱりやめておいたほうがいいと思います。
実際、受からないですしね。
そう言われても「でも、子どもの側にいて、成長をみられるってすごくやりがいあるから。絶対に、なります!」
という人に教員になってほしいです。
そういう人は、多少時間がかかっても、受かりますしね。
しかし、ナナのような例もあります。
長くこの仕事をしているうちに、壊れてしまった人もいます。
どちらにしろ、今の若い人は基本的には優秀です。
彼らが生き生きと活躍できる職場を作りたいものです。
甘い考えで人を育てる仕事に就くのは困ります。
でも、断固とした覚悟がなくても、やっているうちに芽生えてくるケースがあります。
今の若い人は、インターンなどで職を試す機会に恵まれていますね。
多少なりとも適性を感じたら、くらいついてもらいたいです。
そうじゃないと、仕事を決められない若者が多い気がします。
頭でっかちなのかしら。
最初から、自分にピッタリの仕事なんてないのに。
私は何も考えずにこの仕事に就きました。
甘ちゃんもいいところでしたよ。
教育困難校ばかり回りましたが、それが幸いしたのかも(笑)
たくましく、図々しくなった自分も好きです。