猿山政治論

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また騙すのか!!東電福島第1原発「収束工程表」の判り切った嘘

2011-04-20 01:10:54 | 東日本大震災
 東電は、19日に福島第1原発2号機の原子炉建屋内の放射線量の計測結果を公表したが、使用したロボットのレンズが曇り内部に進めず、データの取得に失敗した。また、原子炉格納容器の一部を構成する圧力抑制室に開いた穴をふさぐ必要があるが「中に入って作業に当たるのは難しい」という。さらに、「トレンチ」にたまった高濃度汚染水の移送をスタートしたものの、処理の目処は全くたっていない。

 まずは、使えない「タコ」ロボットの話である。

 建屋内の調査に使用したロボットは、米アイロボット社が提供したものだそうであるが、まずもって大量の水蒸気が発生しているのが分りきっている原子炉建屋内に、防滴処理をしていないカメラを持ち込んで映せるはずがないのは、素人でも判断できる。

 また、このロボットというのは、二台一組で運用し、一台に計測器を装着し、もう一台のカメラでその表示メータを「目視!!」で読み取るという想像を絶する究極のアナログ仕様???ロボットというより単に階段昇降機能のついたリモコンカーでしょ。コレ・・・。今回はそのアームに、一台はカメラ、もう一台は放射線量計・温度計・湿度計あたりを取り付けただけという代物。せめて計測数値を付属のマイコンに電子的に記録するくらいの機能は欲しかった(うちの万歩計でもそれくらいやってるヨ)。

 米国陸軍向の地雷処理用ロボットを原発向けに何の仕様変更もせず取り合えず貸しただけ・・・。全く作戦が練れておらず、行き当たりばったりの対応しか出来ていない状況が、この一事をもってしても明らかである。

 次に、「圧力抑制室に開いた穴をふさぐために、中に入って作業に当たるのは難しい」とのコメントである。

 圧力抑制室に開いた穴をふさぐまえに、私のこの開いたままの口をふさいで欲しい。

 タービン建屋地下の汚染水が、水面の放射線量は1千ミリシーベルトに達しており、とても人間が作業できる環境でないことは、早くから東電自らが発表していたことではないのか??

 「収束工程表」を作るからには、そうした困難も技術的にブレイクスルーできていてあたりまえである。私など、「収束工程表」が発表されて、(一抹以上の不安はあったが)これほどの対応能力があるとはたいしたものだと、感心していたのである。

 こんな話だったら、修復などできないに等しい。

 こうした小手先の対策では、絶対にうまくいかないのである。

 電源ユニットから火を噴いたので、ペットボトル入りのジュースを毎日ぶっ掛けながら1ヶ月経過したパソコンが、マザーボード交換もなしに動くという方に賭けるアホはあまりいないだろう。しかもそのジュースが何億ベクレルもの放射性物質入りだとすれば・・・。

 事ここに至れば、先日私が本ブログに「福島原発は建屋ごと水に漬けるしかないでしょう!!」(http://blog.goo.ne.jp/saruyamataro/e/8d1e69b3e594191a420ac444edad7190)と題して投稿したように、建屋の周囲に高さ40メートル程度の堤防を廻らし、地面におおまかな漏水防止工事を施した上で、建屋ごと水に漬けてしまうのが、むしろ現実的なのである。

 さらに「トレンチ」にたまった高濃度汚染水の移送である。

 仏アレバ社が、放射性物質を沈殿させることで、1時間あたり水50トンのペースで汚染濃度を0.01%~0.1%程度に薄めることができる技術を持っているそうであるが、それが使い物になる技術であったとしても設備構築には半年程度はかかると見られており、それまでに発生する何万トンもの汚染水をどこかにためておかなくてはならない。

 ここはVLCCクラスのタンカーを必要なだけ用意し、吃水線に余裕のある程度の沖にならべ、小型の艀を使って汚染水をピストン輸送するのが手っ取り早いのではないか。中古なら1艘100億円までで手に入るだろう。海洋汚染で国際的信用を落とし、場合によっては賠償金を取られるリスクを負うことを考えれば安上がりな解決策である。

 とにもかくにも判り切った嘘で固めた「収束工程表」を早く見直して実現可能なものに改めて欲しい。

 解決が少々長引いても仕方ないじゃないか!!


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