8の字描いて転がって

くりかえすことのここちよさとつまらなさ

candy rain April

2024-03-01 16:47:44 | 音楽
知ってる?
4月には
キャンディみたいに
あまい雨が
降るんだってー。

「candy rain April」
昔そんな曲をバンドの4人で作ったなあ・・・。
ふと急に思い出した。

The Birthdayの新曲3曲を収録したEPが
4月3日に発売される。
タイトルは「April」

うそだったんだ。
チバがもういないなんて。
やっぱりねー。
おかしいと思った。
新曲が出てまたツアーが始まるんでしょ?
ライヴに行けば16 CANDLESが流れて
4人が登場して熱い熱いライヴが
繰り広げられるんでしょ?
ねえ、そうだよね?
そうに決まってる。
誰か。
そうだよ、あたりまえじゃん!
って言ってくれ。

なんて
子どもみたいに駄々をこねても
チバはもどってこない。
知ってるよ、そんなこと。

4月にはキャンディみたいに
あまい雨が降る。
もしかしたら
あまくて
ちょっとしょっぱいかもね。
神さまもきっと泣いてる。

「April」
その日がくるのを静かに待ちたい。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024-02-01 10:13:59 | 音楽
昨日の朝日新聞の一面「折々のことば」より

「声っていうのはね、耳に届くんじゃないんですよ。
肌から心に滲み込むんです(山根基世)」

たしかになあ、と感じ入ってしまった。
お風呂上がりに化粧水をパタパタとつけ
すうっと皮膚に入り込んでくるあの感じ。
ぎゅうっと肌をおさえてやると
より深く深くしみ込んでくる心地よさ。

人の声も耳からだけじゃなくて
身体中の肌という肌すべてで受け入れようと
するからこそ深く心に滲み込むのだろう。

毎日聴いているThe Birthdayの『声』
すぐそばで4人が演奏しているような
自分だけに大切なことを伝えてくれているような
そんな気分にいつもなる。

聞こえるか、とチバが叫ぶ。
聞こえるよ、とわたしは思う。
届け、とチバが歌う。
届いてるよ、とわたしは思う。
もう十分すぎるほどで
胸が痛いよ。
勝手にひとり心の中でコール&レスポンス。

小さくたって聞こえるさとチバが言うのなら
あきらめずにこれからも小さな声を
あげつづけて生きていこうと思う。

オレンジのガーベラを一輪飾っていたら
花の部分が重すぎるのか茎が曲がってしまった。
猫背のガーベラ。
なんだかチバみたい。
可愛くてちょっと笑った。

今日も青空。






コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オレンジ色に溶けていく

2023-12-06 11:36:56 | 音楽
わたしの身に起こった奇跡の話をしようか。
今から14年ほど前のことだ。

当時わたしは山奥のふもとにある大学の図書館で働いていて
その日もいつもどおり長い長いモノレールの乗車時間を経て、
ようやく大好きなオレンジ色の電車に乗り込んだ。
座席シートは両サイドが埋まっていたため
シートのど真ん中にぽつんと腰を下ろし
iPodの電源を入れて音楽を聴き始めた。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのアルバム。
どのアルバムだったかは思い出せない。

乗車した駅から3駅目に到着し、
お客さんがパラパラと乗ってきた中にその人はいた。
スラリと背が高くて手足が細くて長くて真っ黒な服で
サングラス姿。
この世界の人とは思えないような
それはそれは凄まじいオーラを放っていた。
ちょうどわたしの真向かいのシートのど真ん中だけが
ぽっかりと空いていて、その人はそこに腰を沈めたけれど
足が長すぎるからちょっと窮屈そうだった。
わたしは身体が石のように硬く重くなるのを感じた。
全身の血がドクンドクンと脈打っていた。
1ミリでも動いてしまったならこの奇跡が消えてしまう気がして
一歩も動けなかった。
両耳からはミッシェルの爆音が聴こえる。
そして目の前にはアベフトシが座っている。
こんな地味でちっぽけなわたしの人生にも
こんな奇跡が起こるのだ。
ハレルヤ!

アベフトシはK駅で降りていった。
チャラチャラッというチェーンの音だけ残して。
K駅のホームはとても混んでいて
わたしは車窓から静かにその後ろ姿を見送った。

それから何ヶ月後かに突然
アベフトシはこの世を去った。


ここからはわたしが昨日見た夢の話。

わたしはオレンジ色の電車に乗っている。
目の前の座席シートは真ん中二つ分だけ
ぽっかり空いている。
K駅から二人の男性が乗ってくる。
一人はとても背が高くて、もう一人は小柄。
二人とも示し合わせたように黒い服を着ている。
わたしの目の前の席に腰を下ろす。
と同時に、電車はゆっくりと走り出す。
しばらくして、もうひとつ別のK駅に到着し
わたしはK駅に降り立つが
二人は乗車したまま。

ドアが閉まる。
電車はふたたび静かに走り出す。
わたしはただ電車を見送りながら
心の中でそっとつぶやく。
ハレルヤ
オレンジ色の電車は二人を乗せて
天上へとゆっくり走っていった。
なんだか銀河鉄道の夜みたい、と思った。


チバユウスケが死んだと知って
思わず口に出た言葉がクソ!だった。
つっ伏して床を何回も何回も叩きながら泣いた。
悔しくて悔しくて腹が立った。
あんなに必死で生きてきた人に
最後の最後にさらなる痛みや苦痛を与えるなんて
神さまなんてほんとうにいないんだなって
今まで何度も何度も思ってきたけれど
今回ばかりは心底嫌になった。

命を削って死に物狂いでたくさんのすばらしい
音楽を聴かせてくれた。
チバのような目で世界を眺めてみたいと
思ったこともあるし、
脳みその中をのぞいてみたいと何度も思った。
嫉妬するのもおこがましいくらい
憧れて憧れてやまない存在だった。
繊細で自分だけの世界が確固としてあって。
だけどその分、傷つくこもと多かっただろうし
飲まずにはいられないつらさもあっただろう。
煙草を吸って頭の中空っぽにしないと
やりきれないこともあっただろう。

チバはその身ひとつで
たくさん叫んで、ほえて、血反吐を吐いて
世界を変えてきたのだ。
お前らどこ見てんだ。
こっちが世界のど真ん中だよって。
ふがいないわたしはただその姿を見てるだけで
精一杯で、救ってもらいっぱなしだった。

17歳でミッシェルの音楽に出会った。
これはわたしの人生で最も幸運な出来事だ。
これから先は自分自身の喉を震わして
叫びながら
生きていく。

チバユウスケさん。
ほんとうにほんとうに
ありがとうございました。
貴方からたくさんのものをもらいました。
大好きでした。
これからも大好きです。
心をこめて。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

再開

2023-05-27 14:28:16 | 音楽
もう自分には必要ないと思っていた。
12年は忘れるには十分に長かったし、
子ども2人を生んで自分の体内の血液は
ぐるっと一回転して全部が入れかわって
しまったと思っていたし
お酒もまったく飲まない生活になったし
大きな音もうるさく感じられるほどになってしまった。

だけどそんなことまったく関係なかった。
突然目の前に現れて
一瞬でわたしの心臓をえぐっていったのだ、やっぱりね。
ロックはやっぱり、すごかった。

ELLEGARDEN
初めて観た。
さいたまスーパーアリーナ。
2023年5月6日VIVA LA ROCKのステージで。

好きになった時はすでに遅し
とっくに活動を休止していて
ひたすらライヴDVDやYouTubeで観るしかなかった
あの4人の演奏を、まさかこの目で実際に
観られる日が来るなんて。
年を重ねるのも悪くないと思わされる大事件だ。

4人の鳴らす爆音に包まれて、自分の心臓の鼓動が
まったく聴こえなくなる心地よさ。
久しぶりに味わった。

4人はただひたすらに今を生きていた。
手抜きなし、全力の生きざま。
ノスタルジーとは完全に無縁の、
紛うことなき現在進行形のELLEGARDEN。
死に物狂いで手に入れたこのおだやかな生活を
失ってしまうのが心底こわくて、
怯えるように毎日をやり過ごしていたわたしに
死んだように生きていてはダメだよと、
思い知らせてくれた。

ロックンロールな生き方と子どもを育てることは
相容れないと思っていた。
思い込んでいた。
そう思い込んで無理やりに自分のほんとうの気持ちに
フタをして見ないようにしてきた。
なのにそのフタはあっというまに力づくで外されて
ぱかっと開いたその瞬間、
長いことぎゅううっと封じ込められていた反動で、
高く高くものすごく遠いところまで
ぶっとんでいってしまった。
おーい。
どこへいった、わたしの魂。
ほんとうのわたしの魂。

ようやく見つけたそれは思いがけず傷だらけで
なかったことにしてきた痛みや
見なかったふりしてきた悲しみや
やるせなさ、わかりあえなさや孤独感で
いっぱいだった。
ぐっちゃぐちゃの血まみれ、涙まみれ。

あーあ。
わたしはこんなにもつらかったんだな。
こわかったんだな。
逃げ出したかったんだな。
痛かったんだな。
悲しかったんだな。
さみしかったんだな。
大人ぶって母親ぶって
ずっと我慢してきたけれど
ほんとは自分以上の大きな存在に
包まれたかったのだ。
大丈夫だって言ってほしかったのだ。
やっと言葉にできた。
やっと泣くことができた。

ELLEGARDENの音楽は
激しくてやさしくて温かくて
うそが無かった。

未来がこの先どうなるかなんて
さっぱりわからないけれど
少なくとも今のところは
ELLEGARDENの爆音に包まれていれば
生きていける。
大丈夫だ。

扉はふたたび開かれた。
よーし、試合再開!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心音

2023-04-25 15:20:04 | 音楽
「だけどね・・・俺の考えてる事とかを
全部解放してやろうと思うわけよ。
そうすっと変わるんだよ、世の中が。
直接的に行くのはもちろん歌詞なんだろう
けどさ」
ー自分の中で変わるの?
「うん、自分の中で。
苦しくなくなって安らぐね。
そうすっと、また見えてくるんだよ。
だから絶望と希望の繰り返しなんだよ」

*「ミッシェル・ガン・エレファント」p.391より

何回も何回もボロボロになるまで読み返した
ミッシェルのインタビュー集に出てくるチバの言葉。
そらで覚えているから見なくても言える。
44年という短いようで長い人生の中、
この言葉にいったいどれだけ救われてきただろう。

ずっとずっと死にたかった。
死にたいと思っていた。
それは今思えば「消えたい」と同じくらいの意味合いで
死ぬことがどれだけのことなのか、
生きてることの重大さなどまったく分かっていなかった
十代の頃のわたし。

そんなわたしにミッシェルはいつだって
見せつけてくれた。
そう、見せつけてくれたのだ。
ただひたすらカッコイイ音楽を!演奏を!
誰かを救ってやろうなんて恩着せがましいことなど
なに一つ言わず。
必死で戦っている彼らの姿を見て
わたしが勝手に救われてきたのだ。

世界が終わるなら、そこから始めればいい。
絶望しかないのなら、その絶望を燃やせばいい。
退屈で、なにもない空っぽの自分だけど
後ろ向きにでも前に進めるような気がした。

チバは血を吐くように歌っていた。
わたしにはそう、見えた。
全然楽しそうじゃないし、苦しそうだし
だけどニヤッとたまに笑うから、
きっとほんとは楽しいんだろうな。

チバユウスケ詩集「ビート」
久しぶりに本棚から引っぱり出して読んだ。
あとがきに書いてあった言葉。

「この先死ぬまでギター弾いて歌いたい」

やっぱりこの人が好きだな、と思った。
この人を好きな自分でよかったな、と思った。
チバがギターを弾いて歌っていられる世界が
まだまだつづいてほしいな、と心から思う。








コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする