まだ若い、たぶん2020年春生まれと思われるかしわのことです。
はじめて現場に行ったとき(9月)にも見ていましたが
様子がおかしかったのです。
なんとかしないと・・・そう思ったうちの1匹です。
10月に入って無事に捕まえることができました。
現場に行ってくれたスタッフさんのお宅で
そのまま様子をみてもらうことになり、すぐに受診もしたのです。
思っていた以上に酷い状態でした。
自力で排尿ができていなくて、膀胱を絞ることになるかもと・・・。
排便もできていないため、早急にレントゲンを撮ってみていただきました。
しっぽはお尻の根元でぽっきりと折れています。
お腹に便がたまりにたまっています。
排尿排便する力が入らないのかもしれません。
便が詰まって吐き気もありました。
原因が何なのか・・・。
ここまで成長できてきたということは、後天的なものだと思われます。
交通事故の可能性もあるし、高いところから落ちた可能性もあります。
寝ているときに物が落ちて来たのかもしれません。
当時は飼い主の虐待も否定できないと考えていました。
とはいえ・・・・原因はともかく、かしわと名づけたこの子が
今後回復できるのかが大きなカギでした。
『野良猫だったら安楽死の選択をするケースに該当するよ』と言われました。
経験値の豊富な先生の見解ですから、相当な状態なんだろうと思いました。
良くなる可能性があるとしても、譲渡していくのはかなり難しいとも。
その、良くなる・・・というのも、垂れ流しでも自力で排尿排便ができるかも
という意味合いのことなのです。
当然、安楽死のことも視野に入れないといけないと覚悟を決めました。
先生とお話ししてきたとおりのことをスタッフN江さんに伝えました。
お世話を続けられなくてもこれは仕方ないことだと説明して
わたしのところに連れてきてもらうつもりでした。
でも安楽死はしたくない、可能性にかけたいと彼女が言ってくれたのです。
そしてご主人とも話し合って、自宅でお世話を続けてくれることに
なりました。
オムツをつけてでも、排尿排便が自力でできてくれば
お世話をする人がいるのなら生きていけます。
股の炎症をおさめたり、フードをかえたり、
便秘の薬を飲んだり、やがてはしっぽを切断する手術など
いろいろ続けてきました。
そして、10月はじめからゆっくりゆっくりと症状は改善して
オムツ生活ではありますが、かしわは他の猫たちに混ざって
日々を謳歌できるようになっていったのです。
文章にすればほんの何行ですが、途中しっぽがちぎれたり
カラーがうまくいかなかったり、股の炎症が悪化したり
部屋中おしっことウンチまみれになっていたり・・・。
山のような困難をひとつひとつ乗り越えてきてくれた結果なのです。
そして年度末を境に、正式にN江さんのお家の子として迎えてもらえました。
オムツをはずすと、自力でトイレでおしっこができるときもあるそうです。
免疫力が上がり、体調が整って、身体の機能も少しづつ回復すれば
そのうち普通にトイレでできるようになるのかもしれません。
今回のアメショーのレスキューの中で、かしわの症状がいちばん重たく
方向性が定まるまで、とても悩みました。
でも優しくあたたかいお宅に縁がつながっていたんですね。
今は、部屋の中でいちばん威張ってるから『かしわ王国』だと
笑って話してくれます。
他の猫たちを仕切ったり、自分がいちばんの主張ができるほどだそうです。
ただでさえみじめな生活を送ってきたアメショーたちの中で
最も死に近いところにいたかしわ。
なんとか助けてあげたいという本物の祈りが
神様に届いたのかもしれません。
あきらめないお世話のおかげで、極上の幸せ猫になることができました。
床擦れにもおすすめです。
排尿排便の感覚がないのでしょうか?
感覚はあるけど力んでも出ないのでしょうか?
腰もぶつけていて馬尾神経が傷付いているのかもしれませんね。
傷付いた神経がどこに繋がっているのかで出てくる症状が違うようです。
もしかしたら、動けなくなっていたときに体を冷やしてしまったことが原因かもしれませんね。
内臓や末端神経が冷えきると内臓機能は低下します。
一度機能低下を起こすとなかなか改善してきません💦
便秘薬は体を冷やす作用があるものがあるので内臓が冷えて腸の蠕動運動が鈍っているときは便秘が悪化することもありますよ。
足腰肉球🐾を触って冷たいようなら冷やさないように温かくしてあげてください。
使ったことがないので、試してみようかと思います。
どこかの神経が損傷している可能性があるというのが、先生方の見解です。
少しづつですがおしっこを絞らなくてもよくなり、病院でウンチをかきだしてもらうとかの状態からは脱却できましたので、オムツをつけての生活で何とかなっています。
原因も、こうなってからどうだったのかもまったくわかりませんが、自宅でお世話ができるところまで目処がついています。
10月に保護できましたが、朝晩はすでに気温も下がっていましたから、身体が冷えた可能性は否めません。
何かが起きても、自然にまかせて死んでいくしかないような現場でしたから・・・。
今後はあたたかい場所、すぐ目の行き届く環境で過ごさせてあげることができます。