音楽聴き比べ 第７回 シューベルト交響曲「グレイト」

この曲はシューベルトの没後、楽譜が発見されてから、何回か番号が変更されてきたが、どうやら第８番と言う事に落ち着いたようだ。　それに伴って、今まで８番とされてきた有名な「未完成」は７番になった。
彼は「ロマン派」のさきがけとなった作曲家だが、最後の交響曲となったこの「グレイト」も「歌」に溢れた傑作である。その楽譜は作曲後、シューマンが発見するまで長く日の目を見なかったが、メンデルスゾーンが初演を指揮して、世間に知られるようになった。しかし、当時としては演奏時間が長く、不評だったようだ。
楽譜を発見したシューマンが「天国的な長さ」と表現したようだが、長短あわせての意味だったのかもしれない（笑）。
さて、演奏だが、ドイツの伝統的な演奏（ベーム、ヴァントなど）もよいが、レヴァインの演奏は明るめのイメージで、歌わせていて、心地よい。
オイラのお奨めは、オーマンディ/フィラディルフィアOの演奏です。　オールマイティで職人的な彼は、どんな曲目も、そこそこに　こなして上手いのだが、この曲に関しては、彼の演奏が一番、ハマッている様に思います。
残念ながら、CDでの再発がなく、レコードも廃盤です。　４０年も前の録音ですが、この曲のメロディを存分に歌っているこの演奏は、オーケストラの明るい音色と相まって、オーマンディの傑作と思うのですが、どうして埋もれてしまったのでしょう？