ワニと読むミステリ(泥棒が1ダース)

読むと、必ず抜け道はある。
 
(D・E・ウェストレイク著)
 ドートマンダーの短編集です。
 いつも通りに抱腹絶倒ものばかりです。
 ワニが好きなのは、銀行の金庫室に忍び込もうとしたら、ちょうどその銀行が銀行強盗にあっている真っ最中だったという話です。不運なドートマンダーは強盗団から警察との連絡役に選ばれてしまいます。素人っぽい強盗たちについ専門家として助言してしまったり、予期せぬ展開になるドートマンダーたち銀行泥棒は果たして成功するのか。
 故買屋アーニー。いったいどのくらいいやなやつなのか会ってみたくなりますね。かなり臭うみたいですが。それでも人に好かれようと冗談の練習をするところが滑稽です。
 短編そのものも面白いですが、それよりもっと興味深かったのはウェストレイク自身の筆によるドートマンダー誕生の秘話です。その中でドートマンダーという名前が所有権の問題にまきこまれてもしかしたらその名前が使えなくなったかもしれないとの恐ろしい出来事に触れていました。ドートマンダーが誰かほかの人の話になるなんて、なんとおぞましい!
 いくつかの名前がビールの銘柄からきてるのは楽しい発見でした。
 いくつ判別できるか?

ウェストレイクは去年亡くなってしまったので、もうドートマンダーやアンディ・ケルプたちの新しいたくらみに会えないと思うと実に残念です。

■泥棒つながり
ローレンス・ブロックのバーニイ・ローデンバーのシリーズも泥棒が主人公です。
ブログには1つの作品しか載せていませんが、この他にもシリーズがたくさんあります。
シリーズ後半では古書店を経営しながら泥棒もサイドビジネスにしています。

 泥棒は深夜に徘徊する

主人公: ジョン・ドートマンダー(泥棒) 
場所:  USA、ニューヨークとその周辺
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 大


現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ドナルド・E・ウェストレイク
早川書房

絶対お勧め
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