十代の女子高校生に強制わいせつをしたとして書類送検された人気グループの一員の事案。ネットでは被害を受けた女子高生にも「責任がある」という意見が見られた。
あの教育評論家の尾木ママは「山口さんから電話がかかってきたら、親だと普通芸能界でデビューしようとしている女子高生ですから、そりゃもう神様みたいな存在だし、断れる理由もないんですよ。ある意味でパワハラ的な要素も含んでいる、その状況で行く方もっていう非難がどんなに間違っているかっていうのは声を大にして言いたかった。加害者叩きはともかく、被害者については触れたらダメです、一言でも触れるべきでないっていうのが僕の考えです」と述べた。
教育評論家というと「日本で一人しかいないのでは……」と思われるほど、テレビ各局引っ張りだこの尾木ママが、まことに偏狭な意見なので驚いてしまった。
「神様みたいな人」の要請ならば「断る理由はない」と言い切る。そんな人に「死ね」と言われれば死ぬしかないのだろうか。
山口さんは「神様みたいな人」であって、神様ではない。「神様みたいな人」に自分の人生を委ねてしまっていいものか。
「被害者を悪く言ってはダメ」という考えからの発言だとは思うが、だからといって「被害者に一点の曇りもない」とは言えない。
尾木ママの考えだと、「神様みたいな人」を増長させるだけで、今後も同じような事案が繰り返されることになる。
「被害者学」という学問がある。加害者があまたの人間の中から「ターゲット」として標準を合わせる人間がいるという学問だ。その研究なしに高名な教育評論家が「情緒だけでものを言う」のはいかがなものか。