今回の中国地方の大規模な土砂災害。行政側も、不都合な事案が起きた場合の常とう句である「今後、二度とこのような……」とは言えないし言わない。なぜなら、今までの想定をはるかに超える雨量は、今後も観測される可能性が大きいからだ。
マスコミも「警報が雨のため聞き取れなかった」とか「もう少し早く指示が出てれば」と行政側の不手際を指摘する前に、なぜ住民は「この地を選んだのか」を研究すべきだ。
地質が真砂土と言われるもろい土地であること・山のすぐ下が海であること・平野が少ないこと、などは報道されている。しかし、前回の広島の土砂災害の時と同じように、「ここで大丈夫だったから」という「成功体験」が「ここも大丈夫」と傾斜地の造成へと向かわせたのだろう。
ハザードマップに「危険」と記されている地域を、なぜ県は開発・造成を許可したのか、マスコミは疑問を呈していないようだ。
最近は「シェアハウス」とか「カーシェアリング」とか個人を対象にした「カーリース」など、「自己所有」以外の「利用・使用」の方法が出てきている。車に限ったことではなく住む家も、アパートや共同住宅・賃貸マンションなど、視点を変えることによって、また価値観を変えることによって、解決法は存在するように感じる。
家を自己所有すると、取得税・固定資産税・メンテナンス・解体費用などを負担しなければならない。
しかし、賃貸だとこれらの費用が一切不要なのだ。
今回のような災害に会っても、賃貸であれば家主に「早く建ててください」と言えばいい。
国も個人の被害よりは、家主へ低利の融資を優先させるはずだ。
意識改革させることで、「家は流出・ローンは残る」ことは回避される。