【遺言書】
皆様はどんな印象をお持ちでしょうか。
なんとなく死を連想し、マイナスイメージを持ってしまうでしょうか。
私は・・・
むしろプラスのイメージを持っています。
遺言書は残された家族のためにもなりますが、まず、
「自分が前向きに生きるため」に書くべきと思っています。
①家族にとってのプラス面。
●書いた人の愛情を感じるもの
更にその<法的効力>から
●相続トラブルから守ってくれるもの
● 相続手続きの手間を削減してくれるもの
遺言書が無くても、 民法が定める法定相続分で相続されるなら
いいんじゃない?と思っている方もいるかもしれませんが、そうではありません。
法定相続分どおりの割合で分けるのではなく、
原則、相続人全員(一人も欠けず全員)の話し合いで決めます。
土地建物など綺麗に分けられない財産もありますし、遠方の相続人もいます。
全員での話し合いがまとまるまでは、預金も凍結され、たとえば
葬儀をとりしきった遺族が、そこから葬儀費用を支払いたくても、
銀行から引き出すことはできません。
一方遺言があれば、 死亡と同時に遺言で指定された相続人が指定された財産を取得、
その人は、遺言書を使って、すぐに不動産の名義変更や、預金の払い出しができます。
大切な家族を亡くした遺族にとって、煩雑な手続きは大変な負担です。
遺族の方から相続の相談をいただく際、「遺言書があればよかったのだけど」
というケース、多いです。
②次に、遺言書がなぜ自分が生きるためになるのかという点。
以前映画にもなりましたが、最近エンディングノートという言葉をよく聞きます。
エンディングノートと遺言書、考え方は同じです。
●やりたいことは何か、大切な人は誰か、あらためて自分をみつめるきっかけに。
●相続人や、遺贈したい相手、つまり大切な人にどうしたいかを考えることで、
よりよい関係性を築くきっかけに。
●財産を正確に把握することで、今後のライフプランの参考に。
個人的に、エンディングノートを書いてみることは、とても良いことだと思います。
そして、せっかく作るのであれば、書き方をきちんと押さえて、「法的効力」を持たせる。
そうすることで、書いた希望を、実現できる可能性が高まります。
エンディングノートは、書き方次第で遺言書になり得ます。
忘れてはならないのは、民法963条。
「遺言者は、遺言をするときにおいて、その能力を有しなければならない」
遺言を書いたときに、実は既に認知症だったのでは?などと、
その効力につき、遺言能力の有無が争われる事例はよくあります。
遺言は、元気なうちに、自分のために。
マイナスイメージで躊躇されている方は、そのイメージを捨てて、
前向きな気持ちで書いてみると良いと思います。