放送作家村上信夫の不思議事件ファイル

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朝鮮学校の教科書無償化を決めた専門家会議

2010年10月22日 17時36分21秒 | 政治
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村上 信夫
中央公論新社


北朝鮮 泣いている女たち―价川女子刑務所の2000日 (ワニ文庫)
李 順玉,李 洋秀
ベストセラーズ


 産経新聞の記事によれば、高木義明文部科学相が朝鮮学校の教科書無償化を決定したようである。
 この問題に関しては、柳田稔拉致問題担当相が、無償化適用の条件に教科書の改訂を加えるよう求めていたが、その点は曖昧にしたまま ・・・ 永田町語に翻訳すれば「何にもしない」。
 だが、この問題、きちんと国民的議論が済んでいない。

 もっとも、文科省的には、8月31日、朝鮮学校に高校授業料無償化を適用するかどうかを、専門家会議で協議したというだろうと思う。協議の結果、「具体的な教育内容を基準にすべきではない」と、専門家会議が断を下したと報告書も出ている。
 だが、この専門家会議のメンバーを文科省は公表していない。報道によると、教育専門家ら6人で構成され、専門家会議の中心的なメンバーは中央教育審議会の元副会長の木村孟氏だといわれている。
  木村 孟氏(きむら つとむ、1938年 - )は、1961年3月 東京大学工学部土木工学科卒業。1964年3月 東京大学大学院数物系研究科土木工学専攻修士課程修了。基礎・土質工学を専門とする工学者である。文部科学省中央教育審議会副会長。前独立行政法人大学評価・学位授与機構機構長。元東京工業大学学長。この華麗なキャリアの中で、木村孟氏は朝鮮学校の実態を知る機会はあったのだろうか?どれほどの調査と議論を行ったのだろうか?

 専門家でもない専門家会議が、お墨付きを与える。
 これは、日本が97年秋の金融危機のあと、98年3月、銀行に検査なしで薄く広く資本注入した時の佐々波委員会(金融危機管理審査委員会)を思わせる。
 委員長は、佐々波楊子慶大教授(=当時)その他、小堀樹・日本弁護士連合会会長(当時)、今井敬・経団連会長(当時)、松下康雄・日本銀行総裁(当時)、松永光蔵相(当時)らがメンバー。この佐々波委員会(金融危機管理審査委員会)が、実にひどいもので、後で嘲笑の種となった。
 資本注入を審査した佐々波委員会は、大手行の横並びで1000億円の公的資金を合計2兆1000億円、劣後債や劣後ローン中心に投入した。が、数か月後に、佐々波委員会が安全と認め、公的資金を注入された長銀と日債銀の2行が経営破綻に追い込まれ、平成大不況の要因の一つになった。
 後に公表された議事録を読むと、旧日本債券信用銀行の審査では、不良債権問題や財務体質に対する民間側委員の懸念を当局が押し切る形で結論を得ていた。また、旧日本長期信用銀行については、当局側も不良債権の自己査定の甘さを指摘していたにもかかわらず、十分な議論が行われなかった。
 つまり、佐々波委員会はいい加減な審査を行っただけ、役所の意を通す道具でしかなかったのだ。
 ちなみに、佐々波楊子委員長をはじめ、佐々波委員会のメンバーは誰一人、この審査の責任をとっていない。

 話を元に戻す。今回の教科書無償化を決めた木村孟専門家会議が、この佐々波委員会と同じように思えてならない。名前が公表され、議事録が後の世に残される佐々波委員会でさえ、この有様。まして、名前さえ発表しない木村孟専門家会議の判断に対する信頼性の担保がない。
 そんな専門家会議の結論を以って、教育内容を把握することさえできない朝鮮学校の教科書を無償化することに疑問がある。


【朝鮮学校の無償化適用へ11月に基準決定 文科相】
  (産経新聞 10月22日(金)12時15分配信)

 朝鮮学校への高校授業料無償化適用を判断する基準案について民主党が正式に了承したのを受け、高木義明文部科学相が22日の定例会見で、「基準は来月に入って早い時期に決めたい」と述べ、11月上旬に文科省として正式決定する方針を示した。
 また、柳田稔拉致問題担当相が、無償化適用の条件に教科書の改訂を加えるよう求めていることについて、「ご意見を時間をとってお聞きすることが大切と考えている」と話し、近く会談の場を持つ意向を明らかにした。ただ、柳田担当相の意向を受け入れて基準を変更する可能性については「何とも言えない」と言葉を濁した。
 朝鮮学校の教科書は内容が偏向しているなどと批判を受けているが、文科省側の示す基準案では、こうした点を不問にして無償化を判断することになっている。高木文科相と柳田担当相は、この問題をめぐって立ち話しかしていないことが判明し、批判されていた。

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