放送作家村上信夫の不思議事件ファイル

Welcome! 放送作家で立教大大学院生の村上信夫のNOTEです。

犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル♯165「女子高生消失」(2)

2008年08月09日 09時11分08秒 | Weblog
 2000年から書き出したJFNのラジオドラマ「アナザーワールド」シリーズの原作も、もうう8年になる。僕が書いた原作を、萩原和江、錦織伊代の2人の女流脚本家と僕の3人が交代で、脚本に直しドラマ化している。
 放送は『ウェルカム・アナザー・ワールド』シーズン2『犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル』全国JFN系列(月~金 24:55~25:00)として、放送中。
 主役花見小路珠緒=田丸麻紀、劇団扉座の山中崇史(「相棒」のトリオ・ザ・捜一)・鈴木あずさ=高橋麻理・折口信夫=犬飼淳治・佐野紀久子=仲尾あづさ 他のメンバーが出演している。お時間、あれば。

番組公式サイト(http://www2.jfn.co.jp/horror/)
田丸麻紀(http://www.oscarpro.co.jp/profile/tamaru/)
劇団扉座(http://www.tobiraza.co.jp/)

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犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル♯165
「女子高生消失」(2)  作 村上 信夫
 
 捜索は連日、続いた。その間、警察は目撃者全員の事情聴取を進めた。犯罪の可能性も考慮され、大河内晋二郎(27)と甥の幸次郎(30)は真っ先に疑われたが、追いかけようとしただけであり、それ以外は、行方不明事件と関わりあう証拠は一切出なかった。
 警察は、警察犬も出動させた。4人の服の匂いを嗅がせると犬は、山を登り始めた。中腹まで上ると、丸い岩だなの所で立ち止まり、数十分にも渡り唸り声をあげた。だが、警察が周辺を捜索したが、新たな手がかりは何ひとつ、出てこなかった。
 翌日の捜索で、今度は晋二郎が行方不明となった。幸次郎の反対を押して、岩だなに一晩張りこむといい、幸次郎さえ帰した。だが、心配して戻った幸次郎によりいなくなっていることがわかった。見つかったのは、その翌日だったが、晋二郎は、足首を折られ、気を失っていた。晋二郎の手に急いでメモした記号が書き付けられていたが、意味不明の記号が並んでいるだけだった。
 珠緒の催眠療法により、岩だなの周りの明かりを見たところまでは思い出したが、それ以上の記憶は消えていた。「ピンクの雲!」晋二郎はそう繰り返した。
 その夜、泊まりこみをした捜索隊には、何事も起こらなかった。
 珠緒は歩の治療を続けるが、歩の記憶も戻らない。珠緒は晋二郎の持っていたメモを歩に見せると、歩はブルブル震えはじめ、言葉にならないうめき声をあげた。
「見たことある?」
 その瞬間、珠緒の脳裏に痛みが走り、一瞬、岩だなの光景が浮かんだ。周りを炎が燃え上がる。「月の民、月の民」うわ言のように歩が叫んだ。

 珠緒は、岩だなに一人、泊り込むことにした。
 警察とは無線を繋ぎ、少し離れた場所で署員たちが配置された。
珠緒は、ふとザ・ロックの形は、映画「未知との遭遇」に出てくるワイオミング州にあるデビルズ・タワーに似ていると想った。「月の民」とは、UFOなのだろうか。
 晋二郎はその後、記憶が混濁したままだ。
 歩も心に大きな壁ができて、それが障害となっている。
 月が出てしばらくすると、辺りが急に静かになった。
「ピンクの雲!」
 警官の一人が空を指差すと、そらにピンクの雲がかかり、その中から月の光が辺りを照らし、光はどんどん強くなる。
「花見小路先生!」
月の明かりが岩だなを包み、珠緒の姿が見えなくなった。警察が慌てて駆け寄ろうとするが、目をくらますほどの月明かりに邪魔され、大混乱を起こす。
 
 明かりの中で、珠緒は、光の波長がずれ、周囲の景色と色が変化して行くのを感じた。
「赤方偏移」
 アイシュタインの説によれば、物が高速に移動すると周囲の光の歪ませ、色の変化を起こす。その中では時間の進み方がゆっくりとなるのである。SFでは、タイムスリップの理論とされる。
「この岩の周囲では、時間と光が歪む一瞬がある・・・!」
 だが、その瞬間、目の前に現れたのは、黒いマントを被り大きな鎌を持ったマクローだった。マクローが珠緒に襲いかかる。その脇に縛られ、転がっている少女たちが見えた。
「花見小路先生!!」
 光の外から聞こえる警察隊の叫び声にハッとすると、マクローの姿が薄くなっていく。
「パラレルワールド!」
 咄嗟に、珠緒はマクローにとびかかった。消えていくマクローの下に倒れている少女に手を伸ばすと必死に引っ張った。
「花見小路先生!」
 珠緒の脚を誰かが引っ張った。

 警官たちが珠緒を光の輪から引きずり出したとき、千切れそうになりながら珠緒はそれでも手を離さなかった。その手がつかんでいるのは、伊藤祐子だった。
「中にもうひとり!」
 珠緒の声で警官たちが光の中に飛び込もうとしたが、あっという間に消えてしまった。
 結局、早川麻里とマクローの姿は二度と見つからなかった。
 後日、マクローの部屋の中から、麻里たち三人のからかわれ恨みに想っていたことを綴った日記が発見され、また、マクローが悪魔儀式に凝っていることもわかった。
                                <END>

犯罪心理学者 花見小路珠緒の不思議事件ファイル (グラフ社ミステリー)
村上 信夫
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犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル♯165「女子高生消失」(1)

2008年08月09日 09時07分02秒 | Weblog
 2000年から書き出したJFNのラジオドラマ「アナザーワールド」シリーズの原作も、もうう8年になる。僕が書いた原作を、萩原和江、錦織伊代の2人の女流脚本家と僕の3人が交代で、脚本に直しドラマ化している。
 放送は『ウェルカム・アナザー・ワールド』シーズン2『犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル』全国JFN系列(月~金 24:55~25:00)として、放送中。
 主役花見小路珠緒=田丸麻紀、劇団扉座の山中崇史(「相棒」のトリオ・ザ・捜一)・鈴木あずさ=高橋麻理・折口信夫=犬飼淳治・佐野紀久子=仲尾あづさ 他のメンバーが出演している。お時間、あれば。

番組公式サイト(http://www2.jfn.co.jp/horror/)
田丸麻紀(http://www.oscarpro.co.jp/profile/tamaru/)
劇団扉座(http://www.tobiraza.co.jp/)

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犯罪心理学者花見小路珠緒の不思議事件ファイル♯165
「女子高生消失」(1)  作 村上 信夫
 
 鎌倉の山中、太古の神秘に満ちた幽玄なる自然の中で、奇怪な神隠し事件が起こった。
 女子高生たちが集団で消えてしまったのだ。
 最後にその姿を見かけたのは、花見小路珠緒だった。
 
       ※            ※           ※

 鎌倉セント女学院は、毎年、恒例のピクニックが行われるようになった。創立120年の伝統を誇る女学院の教師と生徒たちは、創立時の伝統のまま場所に乗って、鎌倉の山中に向った。学院を創立したオーストラリア人の女史がその山を歩くことを好んだからだった。
「女子と言えども山中を歩き、身体を鍛え、山の気に触れ、精神を高める」
 伝統のハイキングの意義は、創立者の言葉そのまま、伝えられてきた。
 朝の天気は快晴、ハイキングに相応しい、平和な一日の始まりだった。だが、その日は、一行のうち4人が消えてしまうという奇怪な事件で幕を閉じることになってしまった。しかも、そのうち三人は、二度と、再び戻ってはこなかったのだ。
 
 ハイキングのルートは、鎌倉の山中、女学院の学生たちがザ・ロックと呼ぶ標高250mの「円錐山」の麓のキャンプ場に一泊し、翌日は山頂を目指すというものだった。ザ・ロックは、数百万年前の火山の噴火でできた山だった。ロックと呼ばれる理由は、山頂の部分が強大な一枚岩になっており、平地の真ん中に一枚岩が聳え立つように見えるからだった。それは、創立者の故郷の風景にも似た奇観であり、遠い日本から故郷を偲んだのかもしれない。
 一行は、女子学生30名と教師が2名、教師はフランス語とダンスを教える今泉今日子(28)と、英語と数学を教える独身のイングランド女性グレタ・マクローだった。もう一人、馬車の御者は、学院の用務員の野崎(53)が同行した。
 一行は朝早く学院を出ると、麓のキャンプ場に正午前に到着、その日は晴れて暖かく、昼食後は殆どの学生が、木陰や岩の陰で居眠りを始めた。
 鎌倉セント学院と反対側でキャンプしているグループがいた。地元の資産家の大河内大和(56)とその妻佳代(48)、息子の晋二郎(27)と甥の幸次郎(30)だった。
 午後1時頃、女子学生のうち活発な三人が、周囲を探検したいと今泉今日子に許可を求めた。3人は、高等部2年16歳の早川麻里、伊藤祐美、君塚歩(あゆみ)、高等部の中でも仲の良いことで知られていた。今日子は同僚のグレタと相談した。そのとき、全員の時計が正午で止まっていることに気がついた。
 今泉とマクローは、慣れている山でもあり、簡単な注意を与えると許可した。
 三人の少女は、すぐに出発し、まもなく見えなくなった。午後1時15分ごろのことである。途中、せせらぎを三人の少女が渡って岩山に向ったが、その様子を、大河内晋二郎と幸四郎が川岸に腰を下ろして眺めていた。口笛を吹いて冷やかし、すぐに跡を追ったが、木立に消えてしまったので追いつかないと諦めた。
 三人の少女を最後に見かけたのは、偶然にも花見小路珠緒だった。珠緒はオーストラリアの奇岩に似た風景が鎌倉にあると聞き、撮影に来ていたのだ。
少女たちが珠緒に手を振り、山に登って行く姿を一枚、撮影している。
 直後に時計を見た珠緒は、午後3時だと記憶した。
 キャンプ場から登山道まで僅かに2キロ。2時間もかかる道ではない。
 同じ頃、そろそろ用務員の野崎が今日のキャンプの準備にかかるべきと考え、生徒たちに声をかけた。このとき、三人の少女が帰って来ないだけではなく、マクローもいないことも気が付いた。今泉と野崎は、生徒たちを5人一組にして周囲を捜索する。
 同じ頃、大河内たちは屋敷に向う車の中にいた。
 
 三人の少女とマクローを探す声に気付いた珠緒が、一行と合流したのは午後4時ごろだった。およそ3時間の捜索後、すっかり暗くなった。月明かりの中で、珠緒は岩山の西斜面の藪の中にうずくまっている歩を発見した。歩はただただ奇声を上げているだけで、何があったのか訪ねても答えにならない。
 周囲を探しても手がかりはみつからない。
 草や枝の折れた跡から少女たちの進んだ方向を目指したが、岩山のため、すぐにその先は剥き出しの岩に変わり、足取りは途絶えてしまった。川沿いも捜索されたが、何も手がかりはえられなかった。
 珠緒は、野崎と今泉に警察を呼ぶように提案し、同時に救急車も呼ばれた。
 所轄の鎌倉北署は、警視庁や警察庁にも知られる花見小路珠緒が一緒にいることに驚くが、すぐに署員と地元住民による捜索隊が結成され、捜索が始まった。その中には、大河内家の若者2人も加わっている。
 岩山には、深い藪や洞窟、竪穴があり、一つ一つを探すとなると難渋した。
 一方、歩を診察した地元の医者と珠緒。歩は、軽い脳しんとうを起こしているようだった。擦り傷、ひっかき傷、打ち身などはなったが、それ以外は怪我はなかった。
しかし、歩は何も思い出せない。ところが、珠緒の質問に歩は、不意に、意外なことを喋りだした。山から下りてくるときにマクローが山に向うのとすれ違ったというのだ。
 マクローは少し離れた所を歩いていたが、何度、大声で呼んでもマクローは見向きもしなかった。そればかり、段々、思い出した歩の記憶では、ふだん身なりのしっかりしているマクローが、ズタズタになった服で歩いていたというのだ。
 だが、それ以上の記憶はない。

犯罪心理学者 花見小路珠緒の不思議事件ファイル (グラフ社ミステリー)
村上 信夫
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深海底掘削船「ちきゅう」でわかる深海の謎

2008年08月09日 08時59分33秒 | Weblog
「ちきゅう」埔プロジェクトが深海の謎を解き明かす。例えば、次のような成果が期待される。このプロジェクトをリードしているのが日本。日本が世界に誇る唯一の分野である。例えば、次のような成果が期待される。

<地球のダイナミズム>

 これまでの深海底掘削により・・・
□地球創世期(44億年前)のジャイアントインパク!
 原始地球に火星規模の天体が衝突といす壮大な地球誕生のドラマの解明。
□小惑星の衝突と恐竜の絶滅!
 北フロリダ沖から採取されたコアに、6500万年前の白亜紀に起きた小惑星
衝突が記録している地層が含まれていた。この衝突の結果、大気中に撒き散らされた塵により地球全体の気温が急激に下がり、恐竜絶滅と考えられた。このコアには、海洋性動物プランクトンの絶滅と再出現が記録されている。

「ちきゅう」は、水深4000mから海洋地盤を掘り抜き、海底下7000mの人類未踏のマントルに到達する。これが、「ちきゅう」最大のプロジェクト!

□さらに、地球の内部は、どうなっているのか?
 地殻を貫通する掘削で人類未踏のマントルへ到達。ホットスポットやマントルプルームの起源やマントル対流など、地球の深部で起こる地球システム変動のメカニズムが解析され、地球誕生の秘密に迫る!
 これにより・・・
・孔内計測学により、マントルのライブ中継が行なわれる!
・未知の新鉱物発見の可能性は!?
・マントル対流と地球温暖化の相関は!?
・第2白亜期の到来時期は!?
など、地球内部の流体の役割が見え、地球の未来が予測される。

<地震>

 これまでの深海底掘削で、
・十勝沖 海溝型巨大地震の直近観測に成功。
・室戸沖南海トラフ(予想される南海大地震の巣)において巨大な海山の沈み込み構造を発見。
・東海スロースリップ(東海地震の巣)の原因となる地下構造の発見。
・高知南部 世界で初めて海溝型地震の化石を発見

「プレート境界が実際にどんな形をしていて、どんな性質なのか。地震の仕組
みを知りたい」

□海底下7000mの海溝陸側斜面を掘り抜き、巨大地震の巣を貫通!?
「ちきゅう」では、海底下5~7000mまで掘削、巨大地震発生のメカニズム解明。また、地震の巣と呼ばれる発生帯に観測ステーションを前兆現象である歪の蓄積や地下水の動きをリアルタイムに監視し、地震発生予測の精度が飛躍的に高くなる。今後の研究では次のような可能性が拡がる。
・日本近海の地震発生予測マップができるか!?
・従来の地震予知の限界と、新しい地震予知(電離波型現象など)の可能性?
・富士山はいつ巨大爆発を起こす?
・地震発生の24時間前予知の可能性!
・リアルタイム地震速報と数十秒単位の事前通知が可能になる!

<エネルギー>

 これまでの深海底掘削で、深海底の手音・高圧条件で、メタンなどのガス分子が水分子に取り込まれるガスはイドレードが作られることが確認された。

「地球は微生物と凍ったメタンの星である」

□新エネルギー メタンハイドレードの採掘
 新エネルギーと期待されるメタンハイドレードは、日本周辺に大量に埋蔵され、100年は充分大丈夫。日本は一躍エネルギー大国!?但し、メタンハイドレードは、炭素の貯蔵や排出に大きな役割を果たし、地球の炭素サイクルと地球環境変化の鍵、その管理に人類の理性が問われる!
□えっ!?石油資源無尽蔵!
 これまでの深海底掘削から、嫌気性微生物の発見、再び浮上した石油資源など
の微生物生成説。これが証明されれば、石油資源は無尽蔵!ということが・・・。

<地球環境変動の解明>

 これまでの深海底掘削から
・インド洋におけるエル・ニーニョ現象「ダイポール・モード・イベント」の発見
・梅雨の豪雨の源となる長江下流域の降水システムの観測に成功
・カリフォルニア沖サンタバーバラ海盆、グリーランドの氷床コアの分析で地球規 模の気候変動の記録がわかってきた。
□現在の異常気象は本当に異常気象か!?
 今後の「ちきゅう」のコア採取と分析でさらに過去の環境変動が明らかになると
・京都議定書の科学的根拠とされるIPCCモデルの検証
・2100年地球温暖化の最悪のシナリオ最良のシナリオは?
・いわゆる異常気象は、本当に異常気象か?
など、現在の地球で起こっていることの本当の姿が見えてくる。

<生物>

「地下の世界は地球最大の微生物圏。原始地球では、大気中に酸素はなく、
地下生物圏の環境はそれをそのまま保っている。」

「極限環境(高温、高圧、強アルカリ、低温など)のすべてが海の中にある。深海微生物はどんどん新しい物が見つかる宝の山」

□生命誕生の謎がわかる!?
 これまでの深海底掘削で、地下1000mに生息するバクテリア採取、地下生物圏を発見。⇒ 「ちきゅう」で水深3000mの深海底玄武溶岩層を発掘し、堆積物採取。生命の起源に遡る原始生物発見(地球に最初に誕生した生命)の可能性。生命起源と進化の概念の変化。地球外生物解析の手がかり。もしかしたら、現在も太古の地球と同じ環境の中で、原始の新生命が誕生しているかもしれない。
□もっと強力な酵素洗剤、アトピー皮膚炎治療薬の発見!?
 これまでの深海底調査で、深海底の極限環境から数百種類の微生物発見。さらに
多細胞生物の高圧環境下の生育に成功。新しい遺伝子や酵素を発見、薬や食品などへの活用が研究、実用化される。
Cf.)地上の極限微生物の酵素から生まれた洗剤「アタック」

 現在、マリアナ海溝の抗炎症作用を持つ微生物からアトピー性皮膚炎の治療薬。
 相模湾沖のオリゴ糖を作る酵素を持つ微生物から健康食品、化粧品など研究、
商品化検討中。

□伝説の巨大生物発見!?
・マリアナトラフで1mを越える巨大イソギンチャク発見
・インド洋で深海に生息する巨大イカの発見(数m~18m級の可能性も)


その他
□世界最新鋭、最大級の深海掘削船「ちきゅう」
・これまでの海底掘削技術の限界だった海底下2100mを越えた掘削パイプ「泥水循環」方式。
□3500mを潜行、移動する無人探査機「うらしま」
□ゲノム解析支援システム「ゲノムギャンブラー」開発により微生物ゲノムの完全解析
□世界第2のスーパコンピュータ 地球シミュレータを使った変動予測研究

犯罪心理学者 花見小路珠緒の不思議事件ファイル (グラフ社ミステリー)
村上 信夫
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日本がリードする巨大な国際プロジェクト「統合国際深海掘削計画(IODP)」

2008年08月09日 08時51分48秒 | Weblog
 2006年5月、日本がリードする一つの巨大な国際プロジェクトが始まった。
 日本が中心となって世界の科学者と行なう深海底掘削調査、国際科学プロジェクト「統合国際深海掘削計画(IODP)」
 そのシンボルは、日本が建造する深海掘削船「ちきゅう」(2005年進水)4000mの深海で、さらに海底7000m掘り進み、人類未踏のマントルまで到達できるという世界最高レベルの深海掘削船。日本の科学技術が、世界を主導して行なう未来へのプロジェクトである。

 <深海掘削計画>は、1975年から、日本を含む20カ国以上が資金を分担し、海洋底調査プロジェクト「国際深海掘削計画((ODP))が行なわれ、地球環境変動の歴史の解明やプレートニクスの検証など多くの成果をあげ、国際プログラムの中で最も成功した野心的な取り組みであると高く評価された。

 2006年から始まった「統合国際深海掘削計画(IODP)」は、このODPを引き継ぎスケールアップ、気候変動や地震などのメカニズムの解明、地殻内生命の探索、メタンガスハイドレードの研究などを行なっている。これにより、地球科学と生命科学においてさまざまな新発見をもたらす可能性を秘めているだけでなく、未来の予測の可能性を広げ、あるいは、地球が水と生命に溢れた星となり、そこに人類が誕生した理由を教えてくれることになると考えられている。研究課題として次のようなプロポーザルが募集されている。

  ☆プレートテクトニクス理論の「海洋プレート沈み込み」の検証
  ☆巨大地震の原因となる海洋プレートの沈み込みとマントルのダイナミクスに   よる地震発生メカニズムの解明
  ☆海底から数kmの深さに存在する地震発生ゾーンの解明
  ☆気候変動などの地球変動メカニズムの解明
  ☆深海底の地殻に棲む未知の地下生命圏の発見
  ☆メタン・ハイドレートの探索
  など 新しい地球工学、生命科学の新発見、仮説の検証が期待されている。

 これには、文部科学省系の独立行政法人海洋科学技術機構が、主導的役割を果たし、5月に処女航海に出る日本の深海掘削船「ちきゅう」はその中心となっている。

◆地球深部探査船「ちきゅう」(ライザー型科学掘削船)
 総トン数:約57,500トン、満載排水量:59500トン、全長:210m、
 LWL:192.0m、幅:38m 速力:約10ノット、最大搭載人員:150人
「ちきゅう」は、地球変動研究への貢献、未踏のマントルヘの到達、地殻変動プロセスの解明、海底下の生命や資源の探求及び人類活動領域の拡犬を目的として、深海4000mの大水深域において7000m大深度の掘削が可能な世界最高能力の掘削船。

犯罪心理学者 花見小路珠緒の不思議事件ファイル (グラフ社ミステリー)
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