Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.449:アラサー教員奮戦記(12)「学位授与式と入学式に思う」

2012年04月01日 | アラサー教員奮戦記
本記事は2012年4月1日に配信したメールマガジンのバックナンバーです。

4月最初のメルマガとなりました。4月になったと言うことは、1年が経った
という事になります。あっという間に過ぎていきました。今回は、大学での
「式典」から考えた事について述べていきます。

大学という場所においては、1年間は大きく2つに分かれます。学校によって
言い方は変わりますが、前期と後期です。前期は4月から8月まで、後期は9
月から3月までです。それぞれ、授業は15週ずつあります。この前期、後期
を合わせて1年という単位になっています。

会社などの感覚で言えば、このようにはっきりとした年度の区切りはないと
ころが多いのではないでしょうか? 私も久しぶりにこういった節目のはっ
きりした生活になりびっくりしました。極めて当たり前の事ですが、毎週決
まった時間に決まった場所に授業にいくというのは、新鮮な感覚でした。

それ以上に感慨深いのは、各種式典です。中でも、卒業式(学位授与式)は
別格でした。4年間(人によってはそれ以上)学んだ人達が、大学から巣立
っていく日です。会社を辞める事を「卒業」と呼んだりしますが、通常社会
に出た後には「卒業式」はやってきません。果てしなく続くかのような日常
が待っている訳です。

そういう意味で言えば、彼らにとっても最後の卒業式となるわけです。もち
ろん、大学院に進学する人もいますし、働いた後大学院に進学するのは、今
となれば「普通」になってきています。それでも、大多数の人にとっては、
4年間共に学んだ人達と騒ぐ最後の日となるのです。

少し年齢を重ねた人なら皆知っている事ですが、学生時代の友達というのは、
「これからも定期的に会おうぜ」と言ったとしても、その約束が果たされる
事は想像以上に難しい事です。初めのうちは頻繁に会ったとしても、段々と
その頻度は少なくなっていきます。また、会話も合わなくなっていくのです。

それぞれ違った仕事をして、違った環境にいて、同じような仲間だと思って
いたとしても段々と差異が生まれてくるのです。もしかしたら元々あった差
なのかも知れません。逆に言えば、学生時代というのは、その差を意識する
こと無く過ごす事が出来るという特異な場所なのかも知れません。

だからこそ、その「特異」な時間を大切にして欲しいなと思います。その時
間が有意義であればあるほど、きっと「卒業後」にも楽しい時間が待ってい
る事でしょう。たまに会った瞬間に、仕事とか、人生の煩わしい出来事を忘
れられるようなバカ話が出来る関係は、貴重なものです。

そのような関係を築くためには、大学として何が出来るでしょう。
「あのときは、楽しかったなあ」と言い合えるような経験も必要でしょう。
また、「あのとき頑張れたんだから、今も頑張れる」というようなストレッ
チも必要でしょう。さらに、「いざとなったら、あそこに逃げよう」という
安心感も必要なのかなと思っています。

私個人としては、まだまだ始まったばかり、これから、これからです。卒業
していく卒業生の意気揚々とした背中を見ながら、自分も頑張らなくてはと
思っていました。

さて、本メルマガ発行の翌日は、本学の入学式です。これから始まる「特
異」な時間を過ごす仲間が入ってきます。何かの始まりに式典があるのは、
気分が一新されます。そして、新しい一年が始まる事になります。とても、
楽しみです。<文責 ハシモト>

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