Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol249:『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』

2007年11月08日 | eラーニングに関係ないかもしれない1冊
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
西村 博之
扶桑社

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おっと、これは2.0的なネタだったなと思いつつも、あまりに面白いのでつい取り上げてしまった私マツモト1.0です。ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 』をあえてそのままマネたようなタイトルもユニークで良いですし、潰れない理由を冒頭で語ってしまう潔さと言うか、無防備さもスカッと気持ち良い感じがします。

度重なる裁判や出廷拒否、ドメインの差し押さえなどがメディアによって扇情的に報道されていたことは皆さんもご存知だとは思いますが、いわれてみれば確かに2ちゃんねるは潰れていませんし著者も逮捕されていません。その理由はなんでしょうか? とても気になりますよね。本書ではそこのところをいきなり自己分析的に語っていますのでご興味をもたれた方は是非手にとってご確認下さい。

さて、本書の面白さはそれだけにとどまりません。副題にもあるようにインターネットの裏入門的な要素も持っています。もっとも、看板に偽りアリ?で「裏」というほど後ろ暗いことを教えているわけではありません。意外なほど(私にいわれたくは無いと思いますが)するどくインターネットをとりまく環境を把握していたり、「WEB2.0」という用語に代表されるようなある種のいかがわしさに対して健全な疑問を投げかけたりしています。

ITに明るい二人の方との対談も納めてありますが、エンジニアとしての矜持もありさらに貪欲に学ぼうと言う姿勢も見られ、こういう人だからこそそれなりに大きな仕事がやり遂げられるのだなと思いました。私も少しは見習わなければ。

そうそう、無知をさらすようで恥ずかしいですが、本書を読んでいて一番「えっ」と思ったのは、日本では検索エンジンを日本国内におけないというくだりです。著作権法によって違法性が高いそうなので、あのグーグルやヤフーもサーバは海外にあるという事実には驚きました。著者が疑問視しているように日本は国家としてはインターネットを育てる気がないのでしょうか。インターネットを活用した学習システムを提供している立場にある自分としては非常に複雑な気持ちになりました。

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