Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

Vol.133 SCORM学習エンジンオープンソース公開

2004年09月15日 | 技術動向
かねてよりウワサされていましたSCORM2004の学習エンジンのオープンソース化および公開が日本イーラーニングコンソーシアムより発表されました。
http://www.elc.or.jp/z20040909_2.htm
実際のダウンロードおよび詳細は下記のWebサイトよりとなります。
http://www.oss.ecl.ntt.co.jp/lms/index-scorm.html
SCORM2004について、概要を知りたい方は本誌バックナンバー119号を参照願います。
http://www.hj.sanno.ac.jp/ltec/vol_1-119.htm

>増えるか?2004対応プラットホーム
現在、日本でSCORM2004対応のWBTシステムというと、COMPAC社(QでなくてCのところがポイント)社のAcademicWare という製品だけだったと思います。
「にわとりが先か卵が先か」の議論と同様、動作するWBTシステムがないのであれば、それに準拠したコンテンツなど作るはずもなく、せっかく制定されたSCORM2004という標準も宙に浮いてしまうわけです。しかし、今回のオープンソース化により、きっと各システムベンダーからこのエンジンを用いたSCORM2004対応のWBTシステムがでてくるものと大いに期待しています。

>1.2コンテンツの相互運用性の向上に期待
また、大きな期待は「SCORM2004」によるシーケシング等の規格範囲の拡大より、コンテンツの相互運用性の向上にあると私は考えています。SCORM1.2では規格の中で「オプション」の項目が多く、それにより相互運用性を損なっているケースが多々見受けられたからです。2004ではそういった曖昧な箇所が少なくなっているため、このエンジンの普及により、コンテンツの相互運用性も高まるものと期待しています。

>システムが中心でなくなる
そして、今回のオープンソース化は、e-Learningビジネスの中心がシステムから移行することを意味しています。もともと標準化というのは、差がなくなることですから、そこに競争上の差異化要因を見出すのは矛盾しています。ましてや、エンジン部分をオープンソースで共有するのですから、システムでなくより、コンテンツや運用に近いところでビジネスの差異化がなされるようになるでしょう。

>具体的な動きは?
とはいうものの、このオープンソースが本格的に活用されはじめるのは、まだ先のことと考えています。他社と差別化できる公算のないまま、このエンジンだけを活用したビジネスはありえないからです。もちろん、前々からオープンソース化を見越してビジネスモデルを検討している企業もあるとは思いますが、、、

いずれにせよ、まだ、卵が世に出ただけです。この卵をどう鶏まで育てるか?SCORMをめぐるチャレンジはやっとStartしたばかりなのかもしれませんね。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
SCORM2004対応LMS (自己コメントです)
2004-09-17 12:03:52
その後、メルマガの読者の方より

「シュビキさんのLMS「BISCUE LMS II」も2004対応している」とのご指摘をいただきました。



http://www.biscue.net/scorm/



しかも、米国ADLサイトで、「SCORM2004」のお墨付きをもらっている世界唯一のLMSでしたhttp://www.adlnet.org/index.cfm?fuseaction=adoptersearch



ご指摘ありがとうございました。
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