鳥取市が、全国でも指折りのカレー好きの街であることはご存知ですか?
鳥取市の一世帯あたりのカレールーの購入金額は年間1856円、量も同1821グラムと全国一。※総務省家計調査2017~19年平均より
そんなカレー王国・鳥取を盛り上げるのが「株式会社鳥取カレー研究所」(鳥取市新)の社長、池本百代さんです。
「株式会社鳥取カレー研究所」社長の池本百代さん
池本さんは2003年、鳥取商工会議所青年部の仲間とカレーに注目した観光マップを作成。「もっと何かできそう」と05年に市民団体「鳥取カレー倶楽部(くらぶ)」を立ち上げ、情報を発信しイベントを開催。09年には、オリジナルのカレールーを販売するために、会社をつくり代表になりました。
完成した「鳥取カレーの素」は鳥取県産の食材をたっぷり盛り込み、「安心して食べてもらえるように」と化学調味料は未使用とのこと。
更に、スーパーやコンビニと一緒にカレーパンやカレーおにぎりを開発したり、カレーピラフやパスタなどのキットを売り出したりしたと精力的に活動を行っています。
また今年1月には、城下町とっとり交流館「高砂屋」(同市元大工町)とコラボし、スパイス食堂「ブーケガルニ」をオープンしました。
ブーケガルニのある高砂屋は明治時代の商家を利用した施設
今回は、そんな鳥取カレーを広めるべく活動をされている池本さんに、鳥取カレーの魅力を語っていただきました。
カレーキットを手に取る池本さん
(池本百代さん)
私にとってのカレーって、家で食べるものなんですよね。
季節のお野菜をぐつぐつ煮て、家庭それぞれの隠し味を入れて。食卓でみんな笑顔になる。
これ入れちゃダメってないじゃないですか。ゆるいんだけどそれがいい。
夏野菜のキーマカレーも人気
でも無農薬で育てた野菜を使っても、最後のルーに添加物が入ってたら、だいなし。
だから、少し値段は張っても安心して食べられるルーが欲しかったんです。
ブーケガルニのカレーはトッピングが楽しい
カレーは誰と話しても盛り上がるんですよ。
みんな絶対食べてるから。
子供に「好き?」って聞いたら「好き!」って元気に返ってくる。
コミュニケーションの入り口になりますよね。
カレーをたくさん食べていることを「手抜きみたいで恥ずかしい」っていう人もいるんです。でも違うと思う。
カレーの素でつくった野菜たっぷりのカレー
(鳥取カレー研究所フェイスブックより)
イベントで、イギリスの陶芸家バーナード・リーチのカレーを再現しました。リーチさんが1935(昭和10)年に鳥取に来た時、地元の女性にカレーを教えた記録があって。
もしかしたら、そこからカレー好きが始まったのかもしれないよね。
そんな文化的な側面もあるんだって知って、すごくうれしかった。後ろに応援団がついてくれたようで、自信が持てたかな。
リーチさんのカレーもトッピングが多かったそうです。
うちのカレーもその流れをくみました。ぜひ食べに来てくださいね。
開発したカレールー「鳥取カレーの素」を手にする池本さん
オリジナル(黄色)とスパイシーなプレミアム(緑色)がある
最新作のレトルトカレーには鳥取県産のムカゴや、丸ごとのどんこ椎茸が。
レトルトも食堂のカレーも、県在住の料理研究家カノウユミコさんが監修。体に優しいルーにカノウさんが賛同し、とんとん拍子で新商品が出来上がりました。
手掛けた商品は数多く、「人との出会いで生まれることがほとんど。他にないもの、そしていいものを心がけています」と、池本さんは語ってくれました。
新商品のレトルトカレーは鳥取の風景をパッケージに
▼鳥取カレー研究所 ホームページ
http://tottoricurry.jp/
山陰中央新報のホームページでは、池本百代さんの記事を始め、島根・鳥取両県のさまざまな情報を配信しています。
ぜひご覧ください。
▼山陰中央新報社ホームページ
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