島根には世界のチョコレート好きが注目する専門店があります。
その名も「ラ・ショコラトリ・ナナイロ」(出雲市斐川町坂田)。
代表でもありショコラティエの西森亜矢さんは、常識を覆す製法で出雲にしかないチョコレートを作りあげます。
「ラ・ショコラトリ・ナナイロ」西森亜矢さん
味の秘密は出雲の気候にあります。
チョコレート作りは低温・低湿度が基本で、厳密な温度管理で品質を一定に保つことが重要なのですが、手作りの工房では密閉が難しく、条件を一定にできませんでした。
そこで、「いっそ気温が変動する時期に作ろう」と発想を転換。
乾燥する5月から梅雨を経て暑くなる8月まで、同じ製法でもひと月ごとに異
なる味になりました。その差も魅力として、年間を通じて製造しています。
なる味になりました。その差も魅力として、年間を通じて製造しています。
美味しさの秘密は出雲の気候にあるのですね。
▼La chocolaterie NANAIRO ホームページ
▼La chocolaterie NANAIRO (Instagram)
西森さんは2015年10月にネット上で手作りチョコの販売を始め、海外に向けて英語で発信。
するとすぐに注文が入るようになり、翌年の2016年には専門サイトで「世界のチョコレート10選」に選ばれ、国内からも多くの注文が寄せられるようになりました。
目をひく外観の店舗兼工房
テーマに沿った包装の商品が並ぶ店内
そんな世界中のチョコレート好きから注目される西森さんに、チョコレートへの想いを語っていただきました。
「ラ・ショコラトリ・ナナイロ」西森亜矢さん
(西森亜矢さん)
大好きなチョコレート、子どもの頃からどうやって作るのか疑問でした。
フードプロセッサーで手作りしている映像をネットで見つけ、すり鉢とすりこぎで作ってみたんです。
焙煎した豆を砕き、滑らかにすることで味や香りを引き出す
出来上がったものは、当時はおいしいと思ったんですけど、取っておいたのを最近、改めて食べてみたら、まずかったです。ざらざらしていて。
バッチNo47は、マダガスカル産カカオ豆65%のダークチョコレート。
山葡萄のジャムのようなしっかりした甘味の中にほどよい酸味と爽やかな苦味が混じる
売り始めた頃は、納得できる味にはなっていましたが、自分の中では、まだまだ突き詰められると思っています。
豆の品種や産地が変わると味が変わりますが、カカオ豆は世界で500種類もあるんです。
こだわりのカカオ豆を丁寧に選別
ビーントゥバー(※)でも「一定の味のものを作らなければ」と考えているところは多いんです。それがチョコレート界の常識だし。
でも、そうしなかったから、同じ産地で味の違うものを作ることができる。
それだけカカオは魅力的な素材なんです。
※ビーントゥバー(Bean To Bar)
カカオ豆(Bean)の仕入れから板チョコ(Bar)になるまで1カ所で製造されたチョコレート。添加物や香料も加えず、作り手の個性が際立つこだわりの製品が多い。2000年代初めにアメリカで生まれて世界に広がり、日本でも人気を集めている。
季節の素材を使ったホワイトチョコレート(インスタグラムより)
よくカカオ豆本来の味を求められるけど、作り手によって素材以上の味を提供できる。それがビーントゥバーの面白さ。
ひたすら手作業でやって、初めて素材を越えられると思っています。
店内のカフェでは食べ比べもできる
思うようにならないところがチョコレート作りの魅力ですね。作れば作るほど、やってみたいことも増えます。
お客さまにも、研究を手伝ってもらっている気分です。
店内には凝った包装の商品が並ぶ
店内のコレクションには「交響曲」「魔法と宝石」など、想像力をかき立てる名前がつけられます。製品にはフレーバーノート(味の説明書)が添えられ、美味しさへの期待感を膨らませてくます。
「まだ使ったことのない産地の材料がたくさん。一生終わらないんじゃないかって思います」と、西森さんは語ってくれました。
山陰中央新報のホームページでは、西森亜矢さんの記事を始め、島根・鳥取両県のさまざまな情報を配信しています。
ぜひご覧ください。
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https://www.sanin-chuo.co.jp/
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