70の瞳

笑いあり涙あり、35人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

仮病

2018-01-31 13:27:18 | 愛すべき子どもたち

さんあいではインフルエンザが流行っている。 子どもは熱に強いので2,3日経つと元気になるが、最低5日間は他児とは接触が無いようにお部屋の中で過ごすことになる。職員は当然通院や服薬等で病気の子には細心のケアを行う。

そんな様子を見ている学校嫌いな子たちの中には、登校時間になると「頭が痛い」、「熱っぽい」、「お腹が痛い」と口上を宣べてくる。検温をして平熱であれば学校へ送り出すが、もしものこともあるのでそこら辺の見極めは難しい。 

そんな子が通常通りに帰園して、夕食のご飯のお替りをしている姿を見るとホットする。 学校休みたい気持ちと同時に病人のように自分に注目してという欲求が子どもたちを仮病にさせるのだろう。 してみれば、仮病は子どもたちの養育者に対する愛情表現とも言える。 可愛いものだ。

 

 

仮病も食欲には勝てず!

 

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発達の最近接領域

2018-01-26 09:00:00 | 愛すべき子どもたち

さんあいでは小学生の子どもたちのために、なわとび用にジャンプ台を作ってあげた。子どもたちの間でブームになっている2重とびの練習にとても効果的だからだ。ジャンプ台は、立2m、横1m程度の木製の床で、その上でジャンプすると地面でするより高く飛ぶことができ、よって2重とびが簡単にできるようになる。

今まで2重とびができずになわとびが苦手だった子も積極的に練習し2重とびができるようになった。2重とびが出来ていた子は、さらに積極的になり後ろ回しで2重とびができるように挑戦している。

そんな子どもたちの姿を見ていると、ロシアの心理学者ビコッキーが提唱した「発達の最近接領域」を思い起こさせてくれる。https://oshiete.goo.ne.jp/qa/463605.html

なわとびは自力でできるが、二重とびはどうしてもあと一歩のタイミングがつかめない。そんな時に大人の力(この場合はジャンプ台)を借りてできるようになる。 大人は、子どもが他者の力を借りればできるようになるタイミングや領域を見極めて支援するのが最良とされる。 

ジャンプ台で2重とびができるようになった子は、最初は失敗するが地面でもできるようになっていった。 小さな成功体験が自信につながり自己肯定感を育んで行くことにも繋がって行く。これからも子どものチャレンジの様子を見守って行きたい。

 

ボランティアの方に作って頂き、製作費は材料費の6千円のみ。 小学生には効果は絶大だ。

 

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雪遊び

2018-01-23 17:04:44 | 愛すべき子どもたち

深谷地方は、都心より積雪が少なかったので、子どもたちは通常どおり学校に行った。 小学生は帰って来るなり、解けて僅かになった雪で遊びだした。まだ解けないで残っている日陰の雪を見つけては雪だるまを作ったり、職員相手に雪合戦をして楽しんでいる。職員も今回はこの程度の雪でホットと胸をなでおろしながらの雪遊びだった。

午後5時、気が付いたらずいぶん日が長くなっている。1ヶ月前はこの時間になると真暗だった。雪の白さで回りが少し明るく見えるのが影響しているのかもしれない。 兎に角、子どもたちは雪にエネルギーを貰っているようだ。

 

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2018-01-22 14:56:42 | 愛すべき子どもたち

とうとう雪が降ってきた。 職員にとっては恐怖の雪だが、深谷地方の子どもたちにとっては心ワクワクの雪だ。 早速学校は授業を短縮して子どもたちを下校させた。 まず自転車で中学生たちが帰って来た。 そして小学生たちは職員が迎えに行き帰って来た。 

心配そうに中庭の雪をチラ見する職員の目に、中一女児Aちゃんの姿が入ってきた。 ここ数か月中庭で遊ぶ姿など見せなかったAちゃんだが、雪遊びに出てきたのだ。やはりこの地方の子にとって雪は特別なもののようだ。

雪は、日常風景の美しさや醜さ、色合いや濃淡を幻想的な白色で覆い隠してしまう。 その様子を心に重ねると、過去や現在が一時的であるにしろリセットされるような心持になる。 だから重い物を背負っている子や心が乾いている子たちは、特に雪に引き寄せられるのではと推測する。

とまー、勝手な大人の推測は一時隅に置き、職員たちは明日の勤務体制や園舎へのダメージ等が心配で落ち着かない。 

 

雪よ、早く止んで!!

 

 

帰園した直後に中庭に出てきたのは、中学生たちだ。

 

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園舎へのこだわり

2018-01-19 15:33:44 | 愛すべき子どもたち

さんあいは、2008年に実現した園舎移転に際し構想から10年以上の歳月を掛け、施設養育の中で子どもにとって職員にとって最適な園舎はどうあるべきか研究し議論しました。そして現在の長屋のような集団式の小平屋の園舎となりました。

このことは奇しくも、小説「続あしながおじさん」の中に記されています。「続あしながおじさん」は、米国人小説家ジーン・ウエブスターにより1915年「あしながおじさん」の続編として出版されました。前作の主人公であるジュディの大学時代の友人、サリー・マクブライドがジュディの育ったジョン・グリア孤児院(児童養護施設)の責任者を任され施設改革に取り組む姿が描かれています。この物語の中で、サリーがジュディに当てた手紙に以下のような一文があります。

 孤児院の内面的な仕事を考えれば、考えるほど、普通の家庭に匹敵する孤児院の唯一様式は、集団式の小平屋に限ると思います。家庭が社会の単位となっている以上は、子どもたちも小さい時から家庭生活の訓練を受けて行かなければなりません。

まさに現在のさんあいの生活様式と理念が100年以上前の小説に児童養護施設の生活様式の理想像として描かれています。さんあいは、園舎が集団式小平屋であることにこだわりました。上下に分断されない空間で生活する。そして一つひとつの独立した平屋が繋ることにより、お隣同士の助け合いと理念を共有する施設としての一体感を保っています。人は環境に影響を受けます。のんびりとした農村の集団式小平屋は、子どもたちと職員の成長に沢山の良い影響を及ぼしていると考えています。

 

子どもたちの成長を真剣に考えてつくられた園舎。 ここには多くの方々の熱い思いが集積されている。

 

建てた後も常に良い環境を維持することが出来るのは、職員が思いを共有しているからだ。

 

 

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子育ての失敗

2018-01-17 16:40:03 | 愛すべき子どもたち

キリスト教の旧約聖書を概観すると、子育ての不調や失敗と思われる記事の連続であることがわかる。人類の祖であるアダムとイブの初子カインは弟アベルをねたみから殺してしまう。アブラハムの子イサクとその妻のリべかは偏愛により双子の兄弟であるエサウとヤコブの間に大きな諍いの種を作ってしまう。 そのヤコブは、子宝に恵まれたがやはり偏愛が原因で兄弟間に大きな諍が起こってしまう。神の祝福により羊飼いからイスラエルの王にまでなったダビデでさえ、我が子の非道な行いに苦しみ、最後は敵として争うことになってしまう。

聖書は、子育ての失敗というような描かれ方はしていないが、実にリアルに親の限界や子が別人格であることを明らかにしている。 そしてそんな失敗したと思われる子育ての結果も時として祝福の種として替えてくれる神の愛が描かれている。 養育者は時として、この神の愛を信じて子育てするしかないように思える。

 

時々、神様が人にも子育ての本能を与えてくれたらと思う時がある。

 

 

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子どもの最善の利益

2018-01-15 15:56:17 | 愛すべき子どもたち

「子育てに正解はない」とよく言われるが、その通りだ。 子どもひとり1人には個性があり特性がある。そして家庭環境や養育環境も違う。 他の子の成功例を我が子に当てはめることはできないし、逆も然りだ。かといって其々の保護者が一から手探りで子どもを育てることもできない。これは絶対に外せない子育て事項とそうでない事項の区別をしっかりと見極めて進めるべきだ。単純な例だが、子どもへの暴力は絶対にだめだが、叱り方は子どもの個性を考えて様々な方法があっていい。

児童福祉の現場で養育の基本となっているのが、「子どもの最善の利益」と言う言葉だ。 基本的には子どもの権利擁護を中心にして養育することとも言えるが、虐待や不適切な養育、安心安全の確保等は、その根幹として外せない。ただ詳細な各論部分は、「子育てに正解はない」のと同じように「子どもの最善の利益」にも正解がないといえる。

いやむしろ各論の部分に於いては「正解がない」という立ち位置で、養育者は悩み、学び、関係機関や子ども自身と対話しながら進めるべきではないだろうか。理由は、最初に述べたように子どもにはそれぞれ個性があり、当然ながら実親を含めて養育者は完ぺきではないからだ。

だからと言って「こどもの最善の利益」は絵に描いた餅とするのではなく、個々のケースの中で試行錯誤しながらも常によりよい方法を求めて行く真摯な態度が必要とされている。 そして、その真摯な態度こそが子どもとの信頼関係を築くことに繋がる。

足で漕ぐタイプの自転車で練習中のkちゃん、補助輪付きよりこの方が好きみたいだ。

 

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トントン30回

2018-01-12 15:54:09 | 愛すべき子どもたち

小1のKくんは、小柄でまだ幼いところがある。 就寝時は、必ず職員に背中をトントンしてもらいながら入眠する。 「今日はトントン30回してギューしてからJくんのところ行ってね。」 Jくんとは同じユニットの年中児で、やはり就寝時にトントンの必要な子だ。

 Kくん年末年始に帰省できなかったからだろうか、最近甘えが強くなっている。 一時だけでも職員を独占したい気持ちだろうが、年下のJくんのことも職員のことも考えている。 彼のお兄ちゃんぶりを喜ぶ以上に我慢している小さな心に切なくなる。

 

深谷地方は、寒さが増しているが毎日良く晴れている。 干した布団はふかふかで入ったときが気持ちいい。

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餅つき

2018-01-07 07:00:00 | 愛すべき子どもたち

1月6日快晴 さんあい新年恒例の餅つき大会の日だ。 毎回、卒園生や元職員にも案内を出すが、今年は2家族と2名が参加してくれた。 部活やアルバイト、体調が悪い子以外は全員参加して餅をつき、美味しい餅料理の昼食を食べた。 1人鍋が静かなブームらしいが、さすがに餅を一人でついて食べる人は日本広しといえど少なかろう。 そぉ、お餅はみんなでついて、みんなで食べるから楽しいし美味しさも倍増する。 

 

まず理事長先生が最初につきました。

 

そして子どもたちが順番に歳の数だけつきました。

 

ついたお餅は、こしあん、海苔、大根おろし、納豆、きな粉に絡めて食べました。

 

一口大だけど、50個もたべた子もいました。

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帰園

2018-01-05 14:19:03 | 愛すべき子どもたち

年末年始に帰省していた子たちがさんあいへ帰って来た。 送ってきた家族と名残惜しそうに別れる子、玄関に迎えに出た職員に機関銃のように楽しかった様子を話す子、送る家族にも迎える職員にも恥ずかしそうにする子、様々な別れと再会がさんあいの玄関に展開する。一つだけ共通することは、みんな笑顔で満足げな様子だったということだ。 

明日1月6日は、さんあい新年恒例の餅つき大会だ。 このイベントを機にさんあいの通常生活が再スタートする。 そして来週から3学期が始まる。受験に臨む子、就職が決まり3月で退所する子、様々な生活と心模様がさんあいの中で再スタートする。

 

帰園して、早速中庭で遊ぶ子どもたち。 冬休み中に二重とびができるようになったらしい。

 

こちらは庭越しに隣のユニットの子と同士で、冬休みの宿題チェック。 9日から3学期が始まる。

 

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