未央柳すこし眩く日照雨過ぐ
びやうやなぎ すこしまばゆく そばへすぐ
<一言>
未央柳、別名美女柳ともいうが柳では無くオトギリソウの仲間だそうだ。長く伸びた雄蕊はたしかに美しい女性をほうふつとさせる。最近我が家の近くに増えた新築のお宅にはだいぶ見受けられるが、最近の流行りなのだろうか・・・
・季語は、未央柳’で、夏’です。
未央柳すこし眩く日照雨過ぐ
びやうやなぎ すこしまばゆく そばへすぐ
<一言>
未央柳、別名美女柳ともいうが柳では無くオトギリソウの仲間だそうだ。長く伸びた雄蕊はたしかに美しい女性をほうふつとさせる。最近我が家の近くに増えた新築のお宅にはだいぶ見受けられるが、最近の流行りなのだろうか・・・
・季語は、未央柳’で、夏’です。
うす雲の零せし光沙羅の花
うすぐもの こぼせしひかり さらのはな
<一言>
雲間を抜けてくる柔らかな日差しにも似た沙羅の花が咲いている。
この花、本当の名は夏椿で、沙羅の名は、かの沙羅双樹と間違えたためという。
昼までは差していた薄日も午後には黒雲へと変わり、雷と共にまた激しい雨の一降りがあった。昨日と同じパターンだが、どうやら明日も同じらしい。明日は午後出かける都合があるのに気が重い。何とか夕方までもってくれないものか・・・
・季語は、沙羅の花’で、夏’です。
装ひて夕づくを待つ合歓の花
よそほひて ゆふづくをまつ ねぶのはな
<一言>
午後の薄日の中で、合歓の花が咲き始めた。芭蕉の句が在るからという訳ではないが、日中の強い日差しを避けて夕方から開く、いかにも女性らしい繊細な感じの花だ。天気予報では今夜は又雨だというが精いっぱい装って夕刻を待つこの花には、せめてこぬか雨であってほしいものだ。
・季語は、合歓の花’で、夏’です。
咲き継ぎて宙へ競ふや立葵
さきつぎて そらへきそふや たちあふひ
<一言>
今日は、梅雨の晴れ間にデジカメ散歩。街角の端々で見かける花も季節と共に移り替わり、いつの間にやらすっかり夏の花となった。なかでも梅雨の花といえば普通は紫陽花を連想するものだが、実際は立葵ではないかと思う。なぜなら、立葵は梅雨入りごろから咲き始めて、毎日一つづつ上へと咲き上り、先端まで咲き終わると梅雨が明けるといわれているから・・・
・季語は、立葵’で、夏’です。
足るを知る古りし蹲鴨足草
たるをしる こりしつくばい ゆきのした
<一言>
雨催よいの日はよく市営公園内の日本庭園を散策する。蓮の浮葉を打つ雨や、糠雨に濡れた紫陽花の姿もよいが、少し伸びすぎた木賊と鴨足草に飾られ、苔むした蹲が好きでよく足を向ける。蹲の表面に彫られた「吾れ唯足るを知る」の文字もすっかり苔生してしまっているが、世の人々がもう少しこの言葉を知ってくれれば・・・などと思うのは老人の繰り言か。
・季語は、鴨足草(ゆきのした)’で、夏’です。
鬼灯市紅の薄きを選びたる
ほおずきいち べにのうすきを えらびたる
<一言>
青鬼灯がいくつか大きくなり始めた。梅雨のこの季節、鬼灯には故郷を思い起こす何かがある。雨に降り籠められた縁側からはいつも庭の片隅の鬼灯が見えていたっけ。兄妹そろって爺ちゃんから昔話を聞かされたり、あの頃は雨の日も楽しかった・・・
・季語は、鬼灯市’で、夏’です。
朝の山雨にけぶりぬ杜鵑
あさのやま あめにけぶりぬ ほととぎす
<一言>
朝からの小雨に、都合で読めなかった昨日の新聞を開くと、関東地方は梅雨入り’の見出し。どうやら今年の梅雨入りは平年より12日ほど遅いらし。数日前から裏山に来るようになった杜鵑の声を聞きながらのモーニングコーヒー。梅雨の朝もまたよし、というところか・・・
・季語は、杜鵑’で、夏’です。
前山も雲にまぎれり額の花
まえやまも くもにまぎれり がくのはな
<一言>
まだ梅雨入りでは無いらしいが今日もどんよりと曇ったまま、朝のうちは遠山が雲に隠れてはいたが何やら明るくなりそうだった。それが午後には近くの山まで雨雲に呑まれてしまった。
・季語は、額の花’で、夏’です。
木漏れ日を艶と大山蓮華かな
こもれびを えんと おほやまれんげかな
<一言>
雨降りが続いたせいか久しぶりの日差しが眩しい。紫陽花の花に見慣れた目には、真っ白な大山蓮華の花がいかにも艶めいて見える。関東にはあまり無いせいか、この花を見ると何か得をした気分になるから不思議である。
・季語は、大山蓮華’で、夏’です。
木道を女傘並びつ白菖蒲
もくどうを めがさならびつ しろしゃうぶ
<一言>
雨の僅かな切れ間に、近くの菖蒲田を訪ねてみた。まだ二分咲きとでもいう程度か、花はまばらだが人出はそれなり。九十九折れに付けられた木道を一列に並びながらの菖蒲見物となった。
・季語は、白菖蒲’で、夏’です。