捨畑を訪ふひともあり桑いちご
すてはたを とふひともあり くはいちご
<一言>
桑の実の熟す頃となった、子供の頃はどこへ行っても桑畑があり、子供らは口も手も紫色に染めて食べたものだが、今では実の成る桑の木はあまり見かけなくなった。私は写真を撮るために記憶している場所へ出かけるがそこで毎年出会うご夫婦がいる。採る人も無くもったいないのでジャムにするのだと言う。
私は、「昔は学校が終わるのを待ちかねて畑へ走り、口を紫色にして食べましたよね」などと毎年同じ話をして別れる。桑の実は、心も甘酸っぱくしてくれる実である。
・季語は、桑いちご’で、夏’です。