主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
乗るしかない(乗ってない)この流れに! ~ スマートディスプレイ導入 ~ <CBR600RRカスタム25>
いやはやなんとも。この夏は過酷でした。
世間様は期明けのタイミングとなりますが、勤勉なる皆さまにおかれましては激務も明けていまごろ如何お過ごしでしょうか。
私などは世にいう中間管理職の悲哀そのままで現在進行形で荒れておりますが(笑)それでも季節は巡ってゆくもの。
10月に入りまだまだ夏日が記録されていることには些かの違和感はありますが、お天道様はいつも勝手です。
さてさて。この2か月はとくに夏休みも盆休みもなくここまで参りましたが、
ただただ働いたわけではなく週末にはちょこちょことオートバイを弄ったりしておりました。
今日はそんな遊びの中から、ここ数年そして特にに今年あたりから盛り上がってきた感のある【 スマートモニター 】のお話です。
デバイスの性格としては ”スマホと繋げて各種機能が使える車載モニター ”というもので、
軸となるソフトウェアは 【 Android Auto 】と【 Apple CarPlay 】となります。
これ、元々は四輪で従来のカーナビに置き換わる形で普及してきた背景がありますが、
当初は有線接続だったものがある意味当然の流れとしてWi-Fi接続になったあたりで普及が加速。
今や新車販売では据え置きのオーディオではなくディスプレイオーディオ(スマートモニター)が標準だとか。
構造的に据え置きよりかなり安くできることもありますし、スマホを持たないことはほぼありえない時代ですからこれも必然ですね。
他方、二輪については事情が少々異なりまして、
スマホの普及以来、世のライダーの多くがスマホをハンドルなどにマウンタ経由で取り付けて走っていたのですが、
オートバイの魅力の一部でもあるエンジンの振動や、直射日光に曝されることで肝心のスマホが故障する原因に。
更にはそもそもスマホを取り付けたまま車両を離れることなどできないわけで付け外しなど大変不便な状態でした。
そこに登場したのがこの手のスマートモニター。
四輪のディスプレイオーディオに比べると付加価値的な機能はシンプルではあるものの、
生活の生命線でもあるスマホの故障や盗難などのリスクをなくすことは非常に魅力的だったのでしょう。
最近は出先などでもスマートモニターを取り付けているライダーさんをよく見るようになりました。
ただ。私は別にスマホを取り付けていませんでしたし、ナビ代わりに使うこともありませんで。
そもそもデータ通信依存で動作するしかないスマホに頼ること自体正直ナンセンスだと考えておりました。
それゆえにCBRにも南海部品のナビをつけて走っていたのですが結局ナビもほぼ使わず(笑)
ならばと単にデバイスとして興味があったスマートモニターに手を出してみることにいたしました。
ここで大切なお話。日本でこの手の電波を発するものを使うにはルールを守る必要があります。
ことスマートモニター界隈でもBlueToothとWi-Fi(無線LAN)を利用するわけですが約束ごとはあります。
ただ、それも普及度合いなど状況とともに変わる性格ものでもあり、すでに各所で語り尽くされていますのでシンプルに書きますと、
オートバイ用途では【技術基準適合証明】と【特定周波数に於ける動的電波干渉防止技術】それぞれが必要です。
ひところバイク用品開発-販売の大手さんが、
そんな大切な部分をまさかの見落としで発売が大幅に延期されて商機を逃したことがニュースになりましたが、
オートバイで使う=屋外で使うことになるわけで、電波という限られたリソースを皆が困らないように使うのはとても大切なことです。
ということで私のお財布の許す範囲で安い中華製(笑)を購入。
実売15,000円の価格帯のもので、6.5inchモニタモデル。
内容物はシンプルにモニタと電源と有線リモコンと樹脂製の安っぽいハンドルマウント。
適当にステーを拵えて早速取り付けみた!のです。
当blogではおなじみのありあわせで雑なつくりのステー(笑)
(ステムホールマウント取付で100mmマルチバーを一部に使用しました)
回転軸は2軸で上下左右動きます。鍵の抜き差しも問題ないように動くようにしてあります。
まあこんな感じですね。
付属のハンドルバー取付タイプのリモコンはこちらに。
CBR600RRのハンドルにそのようなスペースはありませんので自作ステーに留めてあります。
このリモコンはたとえスマホ対応のグローブであっても画面操作の覚束ない、ライダーには大変便利なものです。
キーとのクリアランスはこんな感じに。抜き差しにも問題ありません。
別に普通に使うだけならば態々ステーなど作らなくても、
ステムホールに直接マルチバーを装着しそこに付属の樹脂ステー経由で取りつけてもいいですし、
RAMマウントに代表されるボールジョイント+多関節アームで取り付けてもいいのですが、
その取付ですと前傾姿勢で乗るタイプのオートバイにはひたすら邪魔なんですよね。見た目的にも非常によろしくないですし。
この雑な作りのステーをでっちあげた最大の目的は ”とにかく下方向に追い込みたかった” からです。
余談ですが写真は従来の姿。左ハンドルの奥には今までナビがあったスペースがあるのですが、
今回6.25inchのワイドモニターになったことで横にはみ出ること、
そもそも何等かの操作をするには遠すぎたこと(ナビは設定したら基本的に触りません)もあって手前に持ってくることにしました。
『うーん。接続も早いし画面も綺麗で信じられないぐらい安い!量産効果ってすごい!いい時代だ!』
・・・と?接続が早い???それってもしかして。ということでまさかの違法商品でした。
ネット通販のページの説明では明確に 【 日本の技適取得済み 】と書いてあったんですれど。
本体にもパッケージにも起動後のシステム上にも技適の情報はなく、すぐに繋がるということはDFSもなし。
設定を一通り見てみましたがその手の機能のON/OFF切り替えもありませんでした。
そこでカタコトの英語でサポートに聞いてみたのですが「技適はXX-XXXです!」 ⇒TELECで検索するも該当なし。
本当に大丈夫なのか?DFSはどうなのか?と問うても「大丈夫です安心してください!!」で要領を得ません。
哀れ。この商品は使えませんので返品させて頂くことにしました。
普段はまず返品などせず自己責任に違いないので泣き寝入りするタイプなのですが流石にこれは。ということで。
この6.25inchのモデルは中華あるあるで製造元が同一らしく、実にたくさんの類似品が販売されていますが、
改めて調べてみるとどれも大体同じような状況のようで、あっても技適の認証だけが関の山ようですね。
電波法の責任は製造者ではなく使用者にかかるものですから、値段に釣られて買うと後々取り締まりを受けかねません。
ちなみに返品の際にもその旨を伝えたところ「専門のコンプラ部署に伝えました!」とのことでしたが、
そこから2週間ほど経った現在も普通に販売されているあたり、販売者に責任がないことを承知の上で商売をしているようです。
と。ここで終わっては流石に寝覚めが悪い。
こと遵法関連でいうと5~8万円クラスの日本企業が企画ないしは共同販売している確実なものを購入するのが一番ではありますが、
値段なりにそれなりに質も高いものの些か高価すぎる感はあります。
続いて考慮の対象となるのは最近(2024年夏頃)販売が開始された日本企業の4万円台のもの。
これは中身が中華の2万円クラスのものをカスタマイズして適法化させたものの印象。一部はバイク用品店などでの販売も。
とりあえずここまでが間違いなく確実なもの。
当初はその4万円クラスのものを買おうとしたのですが、皆考えることは同じなのか一晩寝て朝に買おうと思ったら売り切れで(笑)
諦めきれず引き続き探していたら30,000円クラスのものにスマートモニタ以外の一通りの機能も網羅しつつ、
技適もDFSも対応していると明記されている商品があるじゃないですか!となれば行くしかない!ということで購入(実は半信半疑)。
なんとなくパッケージ写真の姿が最初のものと似ている気がしますが筐体のデザインは若干違うようですね。では開封。
値段がたった一万円上がっただけでものすごく付属品が増えた気がします。
なんと【前後カメラ】【空気圧センサ】【リモコン】【多関節マウント】【工具とネジキット】まで含まれています。
多機能なりに本体から出ているケーブルは多めですが、
コネクタの接続部は防水且つ金属タイプだったりして全体的に質感は悪くありません。
背面ヒートシンクもアルミ製のようでちゃんとしています。最初に買って返品となったものは樹脂製の飾りに見えました。
肝心の技適も明記あり。このモデルは総務省のページでもちゃんと検索にヒットしました。
そして実は一番関心したのはこれ。アルミ製の非常に高級そうなマウントがついていました。
先述のように私はこれを使わないのですが、専用の巾着も付属していて単体で買ったらそれなりに高そうなものです。
ここで。今回は流石に取り付けてから返品になるのは面倒すぎますので、
まずは各種動作確認がてら例のDFSをチェックしておきましょう。
通電はもちろんOK。タイヤに取り付けていませんのでエラーは出ますが空気圧センサの認識もOK。
その他電圧の検出や前後カメラの表示と切り替え、リモコンの動作なども一通り問題ないようです。
そして一番気になっていた点『よしよし。接続まで1分以上かかるぞ。』ということでどうやらDFSも動作している模様です。
一般にすぐに繋がるに越したことはないのですが、
DFSが動作している=他の優先される基地局が使用していないか確認したうえで繋いでいるということで電波法上必要な時間です。
明確に1分のCACらしい動作が走ってから接続されているので”見かけ”はOK。
ただ帯域は目で見えませんしメニューにも例によってその手の設定はないので念のためメーカーに聴いてみたところ、
「手動での設定はできませんが自動でW56 DFSが動作します」とのことでした。
そもそも5GHz帯もW52については緩和されたとはいえ事実上一般利用不可。W53はそもそもNG。2.4GHzは干渉が多すぎて使い物にならず。
ということで結局W56のDFSの1択であることから、そのように動いていれば何ら問題はありません。
そういえば無線LANの世界ではWi-Fi 6Eが近年制式化されていますがそこの対応モデルもあるのかしら。
VLPのみとの指定ですがそこがNGでスマートモニターがないのか?と思ったところで『そういやうちのスマホが対応してないわ』と一人で苦笑い^^;
というわけで動作はOK。
法律も目に見えていませんがOK(注:メーカーを信じます。どうしても気になれば追ってスマホアプリのアナライザ辺りで確認しよう)ということで。
気を取り直して早速取り付けてゆきましょう!ここは機能が多機能化したとはいえ2回目ですので事前の配線もあり然程手間はありません。
ただ、同じような取付では芸がないということでステーについては色々工作してみました。
1.返品となった初回スマートモニタ用に作ったもの。
※DAYTONAのマルチバー(ショート100mm)+ステムマウントキット(φ13~14)+アルミ板2mm加工品
これでも良かったのですが、
スマートモニターの有線リモコンの取り付けタイプも変わり、ステー自体が既製品との組み合わせで無理やり感もありましたので別途作成へ。
2.ステムマウントキット(φ13~14)+アルミ板2mm加工品
先述の”邪魔だから”という理由で、高さ方向を最大限追い込むとこうなるのですがまだ不満。
というのも、そもそもこのデイトナのステムマウントキットが自体不満でして、
画像のようにボルトを締め上げることでアルミの筒がズレてステアリングステム内壁に押し付けられて留める構造なのですが、
これがまたどんなに締めても回転方向にはよく緩むんです。
中でゴムプラグが広がるタイプのほうが固定には確実ですがあれも劣化がなあということでもう一考。
3.アルミ板3mm加工ベース+アルミ板2mm加工マウント
家内制手工業なのでどうしても見た目は悪いのはさておき(笑)
これで前後・左右の2つの回転軸がステムなどに依存せず独立したため、取付物の動き起因での緩みの懸念はほぼなくなりました。
余談ですがプライヤーや鋸などの完全な手作業では、アルミとはいえ(種類にもよりますが)3mm厚の金属板を正しく加工するにはハードルが高く、
やったところで曲げた段階で歪み放題。そもそも切るのすら一苦労っていうことで今まで2mm厚をメインに使っておりました。
が、ここ最近の作業でかなり昔ダイクマで買った安物の万力を使って失敗を繰り返すのもいい加減疲れたので、
ちょっと高いがまだまだ安い万力とメタルブレーキアタッチメントを買いました。
そのおかげで精度は依然期待できないレベルなものの、3mm厚のアルミぐらいならばある程度狙ったように曲げ加工をすることができるようになりました。
つくづく思うのはプロが使う工作機械とノウハウは凄いですね。とはいえ私のおもちゃ工具とは価格が2桁も3桁も違う機械でのことですから比べるだけ失礼です。
ふと思い出しました。そういえば昔、PSPでこういうGPSアンテナありましたね。MAPLUS 3とかで使うやつ。
尚、ベースの固定はCBR600RRの場合はHONDAのHESD(電子制御ステアリングダンパ)がトップブリッジ下にあり、
そのカバーを留めるM5のネジ穴がありましたのでそこを流用して共締めしています。
スマホより軽い程度のモニタですし特に破損や脱落の心配もありません。
なによりステムホールに依存しなくてよくなりましたのでメンタル的にもいいです。
3種の工作物を比較。毎度お馴染みの”現物合わせ”ですしとくに深くは考えていないのがよくわかりますね。
ただ、使えりゃいいんですよこんなもん(笑) 他人様からお金を頂戴して売るわけじゃありませんから( ̄ー ̄)
そして土日しか作業はできないので雨の降るなか屋外で塗装を強行の図。
当然白被りしましたがね。使えりゃいいんですよ(2回目)。左の歪なものはリモコン用のステーです。
走行中にスロットルを握る手は放せませんので左手で簡単に押せる場所にある必要があります。
それでは装着して通電!
そのように作ったので当然ですがバッチリですね♪
画面はどこの販売品もソフトウェアが同じなのでしょうか、中華スマートモニターでよくみる見慣れたものです。
このモデルの場合、 前後空気圧/電圧/前後カメラ の表示と、AndroidAutoや Apple CarPlayの各種アイコンが表示されています。
因みに空気圧センサの精度はまずまずで、長年愛用のデジタル空気圧計と比べて0.1KPa程度低く出るだけでした。
横から見るとこんな様子。白っぽくなっているのは雨の中塗装を強行しやらかしたからですが、
それはそれとして、ステムホール経由で市販品を組み合わせてやる ”よくある取り付け方” と比べ納まりを良くしてあります。
兎に角 【 前に&低く、メーターとの視線移動を最小限に 】がテーマですので現状これが最適解かと。
モニタについては前述の通り2軸を確保していますので、キーを挿すときは手前にクイっと上げれば挿すのも簡単。
前後の回転を前提とすることで本体を敢えてキーホール上付近に置くことで可能な限り視認性を上げつつ、前方向下側に追い込んであります。
また、本体下部のSDカードスロットにアクセスするときは左右に回転して奥に倒せば簡単にアクセスできます。無論ハンドルを切っても本体はタンクに干渉なし。
背筋を直立して乗るような種類のオートバイならモニタ取付位置を上方向に位置を上げてもよいのですが、
この辺のモニタや補助デバイスの3次元的な取付位置は悩みどころですよね。ほんと。
CBR1000RR-Rみたいなスマートキーだとそもそも鍵を挿さないのでこの手の悩みはないのかもしれません。
そうそう。結果として前後カメラのドラレコ付きのスマートモニターになったわけですが、
これに伴い機能が被るDAYTONAのM760Dは一旦撤去しました。
当初はスマートモニターはできるだけ単能のほうが故障時のリスク分散ができるなと考えていたのですが、
M760D自体は確かな商品なものの、致命的なレベルでプレビューのレスポンスが悪かったりソフト面に難を感じていました。
その点、このモニターは最近の流行りでもある”ドラレコでありながら バックモニタ にもなる” のに充分なレスポンスがあり、
両腕でろくに見えないガッチガチのSSの場合、バックミラーの補助にもなります。(別途目視はしないといけませんよ)
そこで問題になるのはカメラの取り付け位置。
ナンバー付近のリアカメラ設置は他にいい場所がないからそこでよいとして、フロントカメラの場所です。
今までこの画像のようにメーターの上に取り付けていたのですが、なんとかならないかなあと散々悩みまして。
一旦次の画像の場所に移してみたのですが、結果としては大失敗でした(笑)
CBR250RRみたいな余裕のあるデザインのカウルと違ってCBR600RRは本当に諸々追い込まれて作られているようで、
こんなにも不格好に外に逃がしてもまだコーナリング中などにフェンダーに干渉します。顎下も当然無理。
とはいえ純正ウィンカーみたいな出っ張りも嫌ですしウィングに取り付ける気にもなりません。
ということで最終的にアッパーカウル下の整流板に穴をあけまくっただけで以前と同じメーターの上に戻りました^^;
整流板は高いものではありませんが強度的不安が残るのでまた買わねばです。
さてさて。長くなりましたがこれで完成!
試しにひとっ走りしてみましたがスーマートモニター自体はよく考えられ普及しているAndroidAutoでありとくに不満なし。
6インチサイズの横長モニタも使い易いです。また、レスポンスも安物にありがちな遅延は感じませんでした。
ただ、GPSやジャイロはありませんので結局スマホ&ネット依存な点はクリアできませんからそこは念頭におく必要はあります。
副次的効果としてはスマホを経由することで、B-COM(Bluetoothインカム)のチャンネルが1つ節約できたこと。
従来は インカムとスマホとナビとレーダー のうち2つのみが接続でき排他利用だったのが、
インカムとスマホ+スマートモニター(ナビを含む)とレーダーを同時に繋げられるようになりました。
そして完成形。画像にはCBR600RRのロゴが見えていますが、
これはメーカーサポートに問い合わせたついでに起動画面のロゴの差し替えを教えてもらったため。
せっかくデジタルですからこの手の遊びはしておかないとですね♪
最後におまけ。
南海部品のナビは晴れてVTR250に流用となりました( ̄ー ̄)
多少は見づらいですがSW-MotechのPRO SPORTタンクバッグと同時利用ができるようにしています。
ステーについては敢えて可動をさせないようにしていますが、逆に収まりがよくなりよい感じです。
そんなこんなで秋もいよいよ本番。
みなさまもデジタルデバイスを活用しつつ、よいツーリングライフをお過ごしくださいませm(__)m
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