マツモトの研究生活。

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石作りの海

2009-07-28 00:00:00 | 日想。
ジョジョは6部こそ至高、そう思っていた時期が僕にもありました。


ジョジョの奇妙な冒険第6部(ストーン・オーシャン)は「科学観」を描いたスタンドが多く存在する章であると思います。例えば主人公のスタンド、ストーンフリーはたびたび次元についての解釈を深めることで敵の精神力を凌駕します(ファックスの原理やメビウスの輪など)。ウェザーリポートは気候を操り、サバイバーは神経伝達に作用する。初期のホワイトスネイクは技術的知能と博物的知能のモジュールを分離するような、プッチ神父の認知科学的素養を示唆する能力を持ちます。

中でも圧巻はダイバーダウンです。「祝福しろ」の段階でもうたいがいの読者はイチコロだったと思うのですが、スタンド能力がまたすごい。壁を蹴ったエネルギーが内部にこもり、足の形でもって解き放たれる。エネルギーと質量を変換可能であるとする相対論的な世界観が(初期)ダイバーダウンの能力の源なのです。

さらにダイバーダウンは自身を物質内に潜行させることができます。これは自身が質量を持つ物体であることを認識しているのみならず、素粒子論的な解釈を行っていることをも示唆しています。3部で、ジョセフの体内に侵入したラバーズをハイエロファントグリーンらで追いかけるシーンを思い出してください。シルバーチャリオッツはジョセフの血管を裂いて血流内に進行しています。つまり彼らのスタンドは物質を通り抜けることができないのです。しかし、ダイバーダウンにはそれができる。ダイバーダウンの本体であるアナスイにとって、物質は素粒子の集まりであり確率の問題さえクリアすればすり抜けて通ることができるようなスカスカのものなのでしょう。幼い頃に分解癖を持っていたアナスイが、これ以上分解できない物質の最小単位、すなわち素粒子にまで考察を及ばせたことは想像に難くありません。(それにしても、「すでに潜行している」のセリフ回しはかっこよすぎです!)



これまで卓越した技術と精神力の表象であったスタンドに、新たに体系立った知識(科学的世界観)という概念が盛り込まれた第6部「ストーンオーシャン」。

そして物語は第7部「スティールボールラン」へ。

TO BE CONTINUED…

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