3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

こころのケアは本当に必要なのか

2011-04-28 12:24:06 | 東日本大震災
今回の震災で被災した方々を支えるために心のケアの大切さが強調されている。
支えあいとか絆とかといったことばの大切さが常にメディアでも取り上げられる。

心のケアの大切さはわかっている。
しかし、生活不安の根底にあるものを取り除かなければ、いくら表層の心のケアをおこなったところで精神的な安定はもたらされないと思う。
不安をとりのぞくためには正しい知識がなにより必要である。知識をもっているだけでなく、それにもとづいて行動できるまでそれが身に付いていることが大切である。

福島県の原子力発電所近くで被災した人々のみならず放射能に対して大きな不安を抱いている人々にどうしたら安心してもらえるだろうか。正しい知識をもつことである。デマメールやマスコミのオーバーリアクションの情報にも批判的に見ることができるような知識、それにもとづき、正しく自らを律しながら行動できるようになれば、不安はなくなる。

放射能について、あまりに無知な情報がまことしやかに流されている。知識をもっているものからすれば、あほらしいというようなものでも、知識がなく不安にかられているものにとって、つまり取捨選択するための知識をもっていないものは、それらをうのみにし、それがためにさらに不安はつのる。増幅された不安。そして、その不安はデマメールを送信させ、全国に不安をばらまく。

有名週刊誌でも、TVなどの巨大メディアでも、必ずしも正確な情報を発信しているとはいえない、ということを私たちは肝にめいじなければならない。なぜなら、彼らは彼女らは、この福島の問題については、まったくの素人のような人たちだから。

平時なら、「偉そうに」コメントしている元アイドル?や評論家をきどるタレントたちも少しは中身がなくともなんとかなるだろう。適当に政府を批判したり、無駄遣いが多いとか、適当なコメント、大衆が求めているだろうコメントをすれば、また、次の時にも声がかかる。

しかし、今回の福島の事故については、無知なものが不確かなコメントをしてはいけないのである。視聴者の不安をかりたてるようなものいいもだめだ。
視聴者が正しい知識を得て、いざというときにでも冷静にパニックにならず、水の買占めなどに走ることなく、知的に行動できるような情報提供をすべきなのである。


被災地の人々の不安の発生源は、生活の先が見えないことである。住まいと仕事。会社の経営の先行きのなさ、仕事先からいつ解雇されるのだろうという不安。子どもの学校、進学のための教育費、心のケアの前に、かれらの不安の発生源である生活の見通しをつけることが最大の心のケアであることを知っておく必要がある。




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