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それならば農薬を使わない植物工場の野菜は健康的なのか?

2021-01-16 08:30:00 | 日記

下記の記事は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です

農薬の危険性を指摘したところ、「じゃ、植物工場の野菜のように、農薬さえ使わなければ問題ないのでは?」と言われたことがある。確かにそうだが、前回でも書いたように、私たちがなぜ野菜を食べるかを考えると、それほど単純ではないだろう。
 ずいぶん前だが、ある研究者から「これからは植物工場の時代です」と言われたことがある。太陽光の代わりに光源をLEDに、土の代わりに培養液を循環させ、温度や湿度をすべて管理した中で野菜を育てる。つまり車を造るように、野菜を水耕栽培で大量生産すれば農薬の心配がなくなるというわけだ。
■香りも味も人工的

 なぜ野菜を工場で生産するかというと、天候に左右されずに、青臭いにおいのない野菜も作れるそうだ。それを聞いて、思わず叫びそうになった。
野菜からにおいがなくなったら、野菜じゃないだろう? それにレタスをLEDで育てて本当においしいのだろうか。
 すると彼は笑いながらこう言った。「においも味も人工的に作ればいいんです」と。慣行栽培の野菜は工業製品のようなものだと書いたが、これでは本当の工業製品だ。そんな野菜を誰が欲しがるのだろう。
 ところが、ニーズはあるのだという。例えば、ハンバーガーやサンドイッチを全国展開している企業があるとする。東京で買っても埼玉で買っても同じブランドだ。同じブランドなら、全国どこで買っても同じ味がいい。そんなニーズを満たすには、味もにおいも淡泊にし、あとは合成した味や香りを加えればいい。作れない味はないのだそうだ。
 当時はそんな野菜が売れるはずがないと思ったのに、今では大企業が競って植物工場に参入し始めた。食べても、それが植物工場で作られたなんて誰も疑わない。すごい技術だ。人間の味覚はかなりいい加減で、食生活など外的要因に左右されることが多いので、おいしく味付けするのは難しくないそうだ。子供の頃から人工的な味覚に慣れたら、おいしいはずの有機野菜を食べても、逆に苦くてまずいと感じるそうである。有機野菜が広がらないのは、もしかすると日本人の味覚が変わってしまったのかもしれない。
ちなみに、半世紀前の野菜と現在の野菜の成分を比較すると、微量栄養素が激減している。例えば、ビタミンCやβカロテンなどはほぼ3分の1だ。太陽をLEDにし、気温も湿度も一定のぬるま湯で育てた工場野菜が、果たして露地で育った野菜よりも健康的だろうか。
 これでは食べ物ではなく、ただ腹を満たすためのエサに過ぎない。

残留農薬が少ない野菜はアスパラ、サツマイモ、タマネギ

急性中毒を除けば、食べ物は長い時間をかけて病気をつくり出す。病気の原因は栄養の過不足などさまざまだが、現代社会で影響が大きいのは合成化学物質である。近代化学工業が誕生して、人類がつくった化学物質は約1億4000万種類といわれ、生活の中で使われているのが約10万種類。その中で、健康にもっとも影響があるのは農薬だろう。
 農薬を避けたければ、農薬を使わずに育てた有機農作物を食べるしかないが、日本ではなかなか手に入らないことや、値段も高いとなると躊躇する人もいるはずだ。そこで「残留農薬の少ない食品」を紹介したい。
 残留農薬が少ない野菜は、ハウス栽培ではなく、露地栽培のように、季節に逆らわずに育てられた作物に多い。いわゆる旬の野菜である。それに加え、なんといっても旬の野菜は栄養価も高い。

アスパラガス拡大する
 アメリカの消費者団体がFDA(食品医薬品局)のデータを基に、残留農薬の量が少ない作物を紹介しているが、そこから日本人にもなじみのある野菜をリストアップすると次のようになる。
タマネギ、アスパラガス、豆、ナス、キャベツ、サツマイモ、マッシュルーム
 日本の自治体でも検査しているが、検体の種類が少ないので一概にいえないことを承知で述べると、例えば東京都の調査では、
アスパラガス、ブロッコリー、ニンジン、レンコン、キャベツ、サツマイモ、タマネギ
 などが検出されなかった。

 土の中で育つ野菜は、比較的残留する農薬も少ないようだ。

 慣行栽培という農薬を使う栽培では、農薬の使用回数が自治体ごとに決められているが、トマトやキュウリのように農薬使用回数が年間に50回を超える野菜がある中で、根菜類はほとんどひと桁だ。農薬の使用回数が少なければ、当然残留する農薬も少なくなるだろう。
■ダイコンやカブは、葉があぶない
 また農薬の残留基準値が高ければ、農家も安心して農薬をまくから残留しやすい。しかし逆に、低ければ残留値も低くなる。実際、ネオニコの残留基準値を見てみると、
ダイコン、カブ(根)、ニンジン、アスパラガス、ブロッコリー
 これらが低い。それは自治体の調査にもあらわれている。もっとも、最近はダイコンやカブの葉をおひたしにして食べる人が多いが、残留値は根の部分に少なくても、実は葉の部分は高いのである。例えばクロチアニジンというネオニコは、カブの根が0・5ppmなのに、葉はなんと40ppmと80倍も高いのだ。あぶない、あぶない。



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