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年収1000万円超でもゴミ屋敷に住んでいた60歳男性は「死んでよかった」のか

2021-03-21 15:30:00 | 日記

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ゴミ屋敷の住人は早逝することが多い。住人がいなくなれば、残るのはゴミだ。その清掃費用は数百万円に上ることもある。もし家族がゴミ屋敷の住人になったとき、あなたはその死をどう受け止めるだろうか。今回はどちらも60歳男性という2つの現場を紹介する——。

「あんしんネット」の事業責任者の石見良教さん(右端)と作業員のみなさん。撮影のためマスクを外してもらったが、普段はコロナ前から終日マスク姿で作業をしている。
ゴミ屋敷に住む人は内科的疾患を患っている人が多い
「こんな家に住んでいると、人は死にます」というこの連載。第1回と第2回は実際に人が死亡した家、第3回はこのままいくと死んでしまう、というタイトルそのものの現場を紹介し、その背景に「ためこみ症」があることにも触れた。もしあなたの大切な人がゴミの中で生活していたらどうするだろう。もしくはあなたがゴミの中で暮らす可能性はないだろうか。
なぜゴミ部屋の中で人は死ぬのか。
実は、ゴミ屋敷に住む人は内科的疾患を患っている人が多く、ゴミの中には大抵薬が埋もれている。つまりは服薬していない。食生活もいい加減なため、糖尿病になりやすい。最終的には合併症を起こし、不衛生な環境で感染症にかかり、早逝してしまう。
【連載】「こんな家に住んでいると、人は死にます」はこちら
生前・遺品整理を手がける「あんしんネット」の事業責任者で、孤独死現場の第一人者でもある石見良教さんがこう話す。
「ああいったゴミがたまるような家に住んでいる人は、自分の好きなものしか食べないですし、よくあるのはアルコールばかり飲んで糖尿病が進んでいるケースですね。そして病院にもかからず、受診した時にはかなり病が重症化していて救いようがない」
ほかに室内のゴミ山から転落死することもあれば、夏季には熱中症で亡くなるケースもある。現場では全く笑えないのだが、室内にはエアコンのリモコンがどこにあるのかさえわからない。第3回は“最もキツイ”と記したが、次に紹介する現場は私を含め、すべての作業員の肉体が数分で限界に達するゴミ部屋だった。
液状の便がこすりつけられ、髪の毛がねっとりと付着
ある猛暑日、東京都内でマンションに一人住まいの60歳男性がゴミの中で死亡した。近隣の住民が「異臭」を訴えて通報し、警察が室内に入ると、部屋で男性が死亡していたのだ。のちに死後1週間と推定された。警察が遺体を運び出した後、室内の片付けにあんしんネットが呼ばれたのだった。
猛暑日に作業をした男性宅。競馬で小遣いを稼ぎ、数年前まで仕事をしていたらしい形跡があった。(撮影=笹井恵里子)
ドアを開けた瞬間、すさまじい死臭が漂った。室内空間の5分の4はゴミで埋まっており、壁面のエアコンにまで達している。ゴミ山には液状の便がそこここにこすりつけられ、壁には死亡した男性のものと思われる髪の毛がねっとりと付着していた。
室内にはむんむんとした熱気が立ち込めていた。とりわけ暑いサウナ室にいるようだ。作業員は高さ160センチ以上のゴミ山の頂上と天井の間のわずかな隙間に座って整理するしかない。誰もが“ゆでダコ”のように顔が真っ赤になり、手を上にあげると手袋内の汗がドバーッと流れ出た。
「あっつー」「くっさー」
という作業員のつぶやきがしばしば聞こえる。皆、声に元気がない。
に中年のゴミだめは見つかりにくくなっている
場数をこなしているはずの当日の社員チーフも、時折外に飛び出し、しゃがみこんで口元をおさえていた。臭いにやられているのか暑さに参っているのか、わからない。
こうしたゴミがエアコンの高さまで積み上がっていた。この日はあまりの暑さのため、連続した作業は10分が限界だった。(撮影=笹井恵里子)
私も連続した作業は10分が限界だった。まるでウルトラマンのように、脳に危険信号が点滅し、目がチカチカして頭が痛くなってくるのだ。いつもはどんなに臭くても汚くても笑いの絶えない現場だが、ここでは誰もが他人を気遣うことができないほどノックアウト寸前だった。家主の男性も熱中症で死亡したのかもしれない(原因は不明)。
男性は競馬で小遣いを稼ぎ、数年前まで仕事をしていたらしい形跡があった。家賃も滞りなく支払えている。
しかし死体発覚状況を考えても、現在は社会とのつながりがない。現場を見た石見さんが推測する。
「このゴミをためるのに20年はかかっています。失業や離婚、転職など何かのきっかけがあり独居生活とともに、失望感みたいなものがあって、どうでもいいやと思ってしまったんでしょうね。そしてご近所さんとのつながりも薄れていった。西洋的概念で“個”が大事にされる現代では、特に中年のゴミだめは見つかりにくくなっている」
年収1000万円超、家賃20万円近くの賃貸マンションに一人暮らし
この10月下旬も、やはり60歳男性がゴミ部屋の中で死亡した。誰もが名前を知る超大手企業に勤めていたその男性の年収は1000万円を超えていたという。家賃20万円近くの賃貸マンションに一人暮らしで、ゴミ山から転落して頭を打って亡くなったとのこと。
男性の親族からあんしんネットへ室内整理の依頼があった。同社にとってもトップクラスのゴミの量だというから、ぜひとも私も見たいとお願いした。しかし片付け一日目では、玄関口から室内に入ることさえ不可能と聞き、2日目の作業に参加させてもらうことにする。

10月下旬に作業した男性宅。ようやくテーブルが見えてきた。当初はテーブルの存在もまったくわからなかった。ここまでゴミを排出するのに、すでに2日間かかっている。
すると、なんと今回はプレジデントオンライン編集長の星野貴彦さんも「一緒に掃除をしたい」と言う。これまで多くの人にゴミ屋敷の話をし、大半の人が興味を示してくれたが、「自分もやります」と申し出てくれたのは彼が初めてである。
とても意外だった。
んなマンションで隣がゴミ部屋だったら大変でしょうね」
星野さんは都心のきれいなオフィスで、スマートに仕事をする姿がよく似合い、泥まみれ汗まみれは不釣り合いだったからだ。以前、「ゴミの中で死ぬこと」について話していた時、彼はこんなことを言っていた。
「私は人が死んでもまったく悲しくない性分なんです。仕事関係のある方が若くして突然亡くなった時、まったく面識のない妻のほうが泣いてしまう始末で、自分の冷酷ぶりに自分で驚き、戸惑いました。私は父をがんで亡くしていますが、周囲に迷惑をかけるような人だったので、その時も正直ほっとしたと言いますか……。だからゴミ屋敷の住人が亡くなったとしても、身内の方は『よかった』と思うのではないでしょうか」

リビングの様子。やはりエアコンの高さまでゴミが積み上がっていた。撮影までに片づけが進んでおり、当初は隣の部屋には入れなかった。エアコンのリモコンはのちほどゴミの中から見つかった。
だからだろうか。ゴミ屋敷掃除の当日、星野さんはしきりにゴミ部屋があるところと同フロアの、“周囲への影響”を気にしていた。
「(表札を見て)隣にはお子さんがいるみたいだし、こんな立派なマンションにファミリーで住んでいて、隣がゴミ部屋だったら大変でしょうね……」と、つぶやく。正直に言うと、私は星野さんからのこの発言を聞くまで、周囲に住む人の気持ちに思いをはせたことはなかった。いつも気になっていたのは、掘り下げたいと思っていたのは、“ゴミ部屋に住む人の心”だ。
「ゴミ部屋に住む人」と「世の中の主流」の間にある壁
そうか。私は部屋にゴミをためこんでしまう、その心のうちを知りたいと思う。一方で、星野さんはゴミ部屋化した人の隣に住む家に共感をよせる。彼は好奇心旺盛でフットワークが軽く、物事をさまざまな角度からスピーディーに判断する。書き手の私にとって、見落としていた部分に気付かせてくれることがしばしばある、貴重な編集者だ。
けれど一方で、星野さんとは根本的にわかり合えない。気遣いのある人だから、こちらの気持ちを察することには長けているのだけど、何も言わなくてもわかる、というような感覚がもてないのだ。彼と私との間には、コロナではやった「アクリル板」が常に存在しているような感じである。
星野さんは「物を買いそろえること」には理解を示す。「ひとごとではない」とも言う。だが、妻と子供がいる、そうはならなかった自分という視点がある気がした。批判しているのではない。ゴミ部屋に住む人は、“世の中の主流”とまじりあうことのできない壁を感じているのかもしれない。
毎月数十万円分はプラモデル類を購入していたはず」
廊下のゴミを片付け、ようやく洋室に入ることができた。ゴミの山をかき分けながらの作業になった。ドアはこれ以上開けられない。(撮影=今井一詞)
男性宅は広めの2LDKだが、すべての空間がプラモデルやモデルガンを中心とするゴミで埋め尽くされていた。玄関、トイレ、風呂、キッチン、リビング。そのすべてに160センチ以上のゴミが積み上げられている。窓も埋まっており、ゴミを排出しなければ、玄関より先には立ち入れない。
ただよく見ると、ゴミ山には未開封の箱がきれいな層になっているところもあり、そこはまるで“秘密基地”を思わせた。端から見れば孤独な空間だが、本人にとっては好きなものに囲まれた幸せな居場所だったのではないか。
それにしてもーー。
「毎月数十万円分はプラモデル類を購入していたのではないか」と石見さんは言う。石見さんの見立てでは部屋中のプラモデル類をすべて売りさばけば、中古であっても100万円近くになりそうだとのこと。しかしこの男性宅の室内を整理するにはおよそ200万円近くがかかるという。

親が、子供が、きょうだいがゴミ部屋で亡くなったら?
私は星野さんに尋ねた。
「もしお父さまが病気でなく、このようなゴミ部屋で亡くなっていたら、遺族としての気持ちに変化はありますか?」
ゴミ部屋でくしゃみが止まらなくなりながら、星野さんはこう答えた。
「困ったことをしてくれたな、という気持ちが強くなったでしょうね。ただ死ぬだけでなく、ゴミという迷惑まで残していったのか、と。自分事として考えても、整理業の方に費用をお支払いして処理を依頼することになったでしょう。その費用負担を強いられるストレスがあったでしょうね」
あなたならどうするだろうか。親が、子供が、きょうだいがゴミ部屋で亡くなったら? 


「60粒で12万円の若返りサプリ」内科医が"タダでも飲まない"と断言するワケ

2021-03-21 13:30:00 | 日記

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アンチエイジング、若返りの作用があるなどとして、サプリメントの製造販売業者やインフルエンサーが商品として販売しています。また、若返りだけでなく、糖尿病をはじめとしてさまざまな疾患に効果があるとも主張されています。
もし本当なら少々お高くても摂取してみたいところですが、現時点で入手できる情報で判断する限りでは、私なら摂取しませんし、家族にも勧めません。無料でも嫌です。
そもそもNMNとは何でしょうか。
物質名「ニコチンアミドモノヌクレオチド」で頭文字をとってNMNと呼びます。摂取されたNMNは体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変化します。
NADはさまざまな代謝に関わる重要な補酵素で、その働きの一つに老化に関わる遺伝子であるサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性化があります。NADの合成経路は複数あり関係する物質も多く複雑ですが、ものすごく単純化すると以下です。
NADは抗老化研究のターゲットとして研究が盛んです。
加齢や特定の病気で体内のNADが減少することが知られており、何らかの方法でNADを増やしてやれば抗老化の作用や病気の予防・治療ができるかもしれない、というのは妥当な仮説です。
だったらNADを直接摂取すればいいのではないか思いますが、NADそのものは分子量が大きく摂取してもうまく体内で利用されません。NADを増やすためのさまざまなアプローチがあり、NMNはその一つです。
ヒトに対する実験も十分なものではない
動物実験では期待できる結果が出ています。マウスに対し12カ月間、体重1kgあたり100mgまたは300mgのNMNを投与すると、通常の飼料のみを与えられた対照群と比べて、加齢に伴う体重増加が抑制され、身体活動が活発になり、インスリン感受性が改善しました(※1)。
この実験結果だけを見れば、みなさんはNMNを効果のある物質だと思うかもしれません。
もし、私がサプリメントの製造販売業者なら、いい結果が得られたマウスの実験結果を強調して、あなたがマウスではないことにはなるべく触れないようにします。
動物実験では有望でも、ヒトで試してみたらそうでもなかったという事例は数多くあります。
坪野吉孝先生の「健康情報を評価するフローチャート」が参考になるでしょう(※2)。ステップ1の「具体的な研究に基づいているか」はクリアできますが、ステップ2の「研究対象はヒトか」の答えは「いいえ」で、「ヒト試験の報告を待つ」に相当します。
出所=「科学的根拠に基づく情報」との向き合い方
「ヒト試験は行われている」という反論が予想できますが、おそらくそれは、NMNの単回投与での安全性評価のことでしょう。10人の健康な成人男性を対象に100mg、250mg、500mgのNMNを1回だけ経口投与し有害な効果を観察できなかったという研究です(※3)。
業者のサイトでは「安全に投与できることをヒトで確認」などと書いてありましたが、女性や病気の人に対して安全かどうかはわかりません。
健康成人でも長期間摂取して安全かどうかもわかりません。10人ではわからなかったけれども、100人に1人に副作用が出るかもしれません。
※1 Long-Term Administration of Nicotinamide Mononucleotide Mitigates Age-Associated Physiological Decline in Mice
※2 出所=国立健康・栄養研究所の「科学的根拠に基づく情報」との向き合い方(Ver.191101)
※3 Effect of oral administration of nicotinamide mononucleotide on clinical parameters and nicotinamide metabolite levels in healthy Japanese men
「効果」ではなく「安全性」についての実験しか行われていない
この原稿を執筆していたころ、新型コロナワクチンが海外で承認され使用されはじめたニュースが流れてきました。
新型コロナワクチンの臨床試験では数万人に接種した上で数週間観察し、ワクチンに関連した重篤な有害事象が起きていないことは確認されていますが、それでも実際に使ってみて思わぬ副作用がおきるかもしれないことを念頭において慎重に観察されています。
サプリメントなら10人に対して単回投与しかしていなくても「安全に投与できることをヒトで確認」なんて書けてしまいます。このようなことを前提にすると、この売り文句がいかに頼りないかがお分かりいただけると思います。
なお、NMNについては同じ研究グループで長期投与の健常者に対する安全性確認試験(第Ⅱ相試験)が進行中です(※4)。まだ結果は出ていません。
しかも、あくまで主目的は安全性の確認であって、効果を確認する研究ではありません。私が調べた範囲内では、NMNの効果を検証する臨床試験は発表されていませんし、そもそも予定すらあまりない、という状態です。ヒトにおける長期投与の安全性が確認されていませんので当たり前です。
減っているからといって増やせばいいわけではない
そもそも、「NADは加齢に伴い減少するため、NADを増やせばアンチエイジングの効果がある」というのは仮説にすぎません。減少しているから補えばいい、という安直な考えは時に危険です。
実例で説明するのがわかりやすいでしょう。鉄は赤血球に含まれているヘモグロビンの材料であり、鉄分が不足すると貧血になることはよく知られています。
鉄欠乏性貧血では、血液検査で血清中の鉄の数値が低くなります。ただ、血清鉄が低下している貧血がみな鉄欠乏性貧血とは限りません。
「慢性疾患に伴う貧血」でも同じように採血検査で血清鉄が低下し、基準値以下になります。しかし、貧血の原因である慢性疾患をそのままにして鉄だけ補給しても貧血はよくなりません。人間の体は複雑で、検査で数字が低いからといって補充してやればいいという単純なものではないのです。
よくならないだけならまだしも、減少している成分の安易な補充はかえって病気を悪くすることもあります。慢性疾患に伴う貧血の原因は、感染症や自己免疫性疾患などの炎症ですが、鉄剤の補充はこれらの疾患を、とくに細菌による感染症を悪化させます。
ヒトが進化してきた環境では細菌感染症はありふれた病気で、体は病原体に対する対抗手段を発達させました。
鉄はヘモグロビンの材料であると同時に、細菌が増殖するために必要な資源でもあります。炎症が起きると鉄の吸収や利用が抑制されるのは感染症に対する体の防護反応だと言われています(※5)。
体を鉄不足にすることで貧血にはなりますが、細菌に対しては兵糧攻めになります。いわば肉を切らせて骨を断つ、といったところでしょうか。細菌が利用できないようせっかく体が血清鉄を低く保っているところに鉄を投与すれば感染症が悪化してしまいます。
※5 Evaluation of iron deficiency as a nutritional adaptation to infectious disease: an evolutionary medicine perspective
がんを悪化させる可能性も指摘されている
ひるがえって、加齢に伴うNADの減少はどうでしょうか。
NADの低下が加齢の原因であれば、NADを増やすNMNサプリメントはアンチエイジングの有益な作用があるでしょう。
しかし、血清鉄の減少が感染症に対する適応的な反応であるのと同様に、NADの減少が何らかの有害な現象に対する適応的な反応であれば、NMNサプリメントの摂取はかえって害をもたらします。
サプリメントを売りたい人たちは言及しませんが、NADを増加させるとがんを悪化させる可能性が指摘されています(※6)。
がん細胞はエネルギーを酸素に頼らない代謝経路に依存し、NADはその代謝経路でも重要な役割を果たしています。がん細胞によってはNADを合成する酵素が過剰に発現していて、細胞内のNAD濃度が高いことがわかっています。
また、NADを合成する酵素を阻害するとがん細胞の増殖が抑制されます。がん治療薬の候補として、がん細胞のNADを枯渇させる物質が研究されているぐらいです。
副作用も分からず服用するのは賭けでしかない
これは私の個人的な推測ですが、加齢に伴って体内のNADが減少するのは、がんに対抗する防護反応かもしれません。
NADが体によい働きしかしないのであれば、体は年齢に関係なくどんどんNADを合成すればいいのです。私たちの体がそうしないのは、何か理由があってのことではないでしょうか。
たとえば、がんのリスクが小さい若いうちはNADレベルを高く保ち、がんのリスクが大きくなってきた年齢に達すると、がん細胞に利用されないよう少しずつNADレベルを低くするよう調節している、とか。
ただ、少なくともマウスではNMNががんを引き起こすなんて現象は観察されていませんので、私の取り越し苦労かもしれません。
ですが、当然のことながらマウスとヒトは違う生き物です。本当に大丈夫かどうかは、NMNサプリを摂取した人たちを長期観察して、どのようながんがどれぐらい発症するのか数えてみないとわかりません。
アンチエイジングの効果があるほうに賭けて、NMNサプリを摂取したい人は自由にそうすればいいですが、私はやめておきます。もちろん、家族や知り合いにも摂取することを勧めません。
適切な条件のもとで臨床試験をするべき
それにしても、ヒトに対する効果も害もよくわからないままNMNサプリが販売され、消費されている現状はたいへんにもったいないと思います。
NMNを摂取している人の中から、がんにかかったり、亡くなったりする人も必ず出てきますが、それを数えるシステムはなく、NMNのせいなのか偶然なのかわかりません。何人がどれぐらいNMNを摂取しているかのデータもありません。
このままではNMNの効果や害がどれぐらいあるのかわからないままです。
ビジネスの観点から言えば、臨床試験で有効性や安全性が確認されなくても、「いい感じの宣伝文句」で多くの人たちを釣ってたくさんサプリメントを売るのが最適解でしょう。
ですが、医学の観点からはきちんと臨床試験で効果を検証するのが望ましいです。よい結果が得られればより多くの人に使ってもらえますし、効果がないとわかればそれ以上無駄金を使わなくても済みます。
NMNを研究している専門家たちも、効果に期待はしつつもヒトへの応用は今後の研究が必要という認識を示しています。
業者の売り文句にだまされてはいけない
NMNサプリメントを勧めているのは非専門家で、多くはサプリメントの販売から利益を得られる人たちです。金銭的な利益がからむと情報提供もゆがみます。よい結果が得られた動物実験やごく少人数の安全性試験を強調し、潜在的なリスクには触れません。
業者にもよりますが、びっくりするぐらい高価なNMNサプリメントも売られています。なかには、60粒で12万円という商品もあります。有象無象のサプリメント業者にではなく、真面目に研究している研究者にお金が流れて、しっかりした研究がなされるようになることを願います。
NMNについて分かってることはおおよそ以上になります。効果も害も不明確なわりに高価なため、現状ではNMNサプリメントをおすすめしません。お金さえ出せば楽に健康になれるという、うまい話はそうそうあるものではないです。業者の売り文句にだまされないようにしましょう。


「400万円をいつまでも返さない」小室圭さんの母親は"稀代の悪女"なのか

2021-03-21 11:00:00 | 日記

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女性週刊誌の名物連載に小室さんの母親が登場
小室圭の母親・佳代(54)は稀代の悪女である。
これは、メディア、特に週刊誌がつくり上げた“幻想”だと、私は考えているが、このイメージは日増しに色濃くなっていくようだ。
その総仕上げともいうべきものが、女性自身(1/19・26日号)の「シリーズ人間」である。
女性自身の「シリーズ人間」は今回で2486回になるから50年近い歴史を持つ名物連載である。
『淋しき越山会の女王』や『一銭五厘たちの横丁』を書いたノンフィクション・ライターの児玉隆也が女性自身の編集者だった頃、この連載を書いていたことがあったといわれる。
筆力のあるライターを起用して潤沢な取材費と時間をかけ、毎号「読ませる」物語を紡いできた。
私が出版社に入った時、先輩から「シリーズ人間は読んでおけ」といわれ、毎号、読み物のお手本として、楽しみに読んでいたものである。
その有名なシリーズに小室圭の母親・佳代が取り上げられたのだ。
だが、タイトルから見て取れるように、「シリーズ人間」としては珍しい(?)“悪意”の感じられる内容である。
メインタイトルは「圭とふたり、幸せになるのはいけないことなの?」。サブに「男たちへの甘言、小室本家との“銭闘”、見えっ張り虚飾生活」とある。
結婚は認められ、金銭問題も解決するかに見えた
昨年の12月18日の夕暮れ、老舗の洋菓子店で働いている佳代が仕事を終えて出てくるところから始まる。
20代の同僚と談笑しながら、混みあった普通列車に乗る。同乗している記者のところまで話の内容が漏れ聞こえてきたそうだから、周囲の目を気にしてひそひそ話をしているわけではないようだ。
秋篠宮眞子さんと小室圭の納采の儀が延期されてから間もなく3年になる。
昨年11月13日に、眞子さんが結婚に関する「お気持ち」を発表した。それを受けて父親の秋篠宮が誕生日会見で、「結婚を認める」と発言して、2人の結婚は確定したかに思われた。
唯一の障害になっていた、佳代の元婚約者との約400万円といわれる「金銭トラブル」も、元婚約者が週刊現代誌上で「もうおカネは要りません」と“告白”したことで、何とか解決の方向へ向かうのではないかと期待された。
だが、秋篠宮が「結婚と婚約は違う」と“不可解”な文言を付け加えたことや、西村泰彦宮内庁長官が「小室圭さん側に(金銭トラブルについての)説明責任がある」と会見で発言したことで、週刊誌は再び挙こぞって、小室母子の過去のトラブルを暴き立て、「このような人間が眞子さんと結婚するのはいかがなものか」「小室圭のほうから別れをいい出すべきだ」などと、以前にも増したバッシングの嵐が巻
英語を猛特訓し、インターナショナルスクールに入学
女性自身は、「このままいけば、眞子さまの義母となり、天皇家の縁戚となる佳代さん。その人物像はやはり気になる。小室佳代さんとはどんな女性なのだろう」と前置きして、以前からさんざん撒き散らされてきた彼女の過去をなぞっていくのである。
「佳代さんの旧姓は角田。小室敏勝さんと結婚したのは23歳のときだった。1歳年上の敏勝さんは明治大学工学部卒。横浜市役所に勤務し、市内に購入したマンションで家族3人、幸せに暮らしていた」(女性自身)
だが圭が10歳の時、父・敏勝が自死したことで生活が一変する。
専業主婦だった佳代は福祉事務所のカフェや地元のケーキ屋で働き始め、女手一つで息子を育てる。
3歳の時からバイオリンを習わせ、小学校は私立の国立くにたち音大附属小学校に通わせていたが、中学高校はカナディアン・インターナショナルスクールに入学させる。
学費が年間200~300万円かかる上に、授業はすべて英語で行われるから、海外生活の経験もない子どもがこうした学校へ入って学ぶのは大変な苦労が伴う。
女性自身によると、「圭さんは小学校卒業から9月の入学まで、英語の強化クラスに入り、サマースクールに通い、さらには家庭教師をつけて特訓し、ようやく入学を果たしたという」。母親・佳代の教育熱心さはよく分かるが、それに応えようとして音楽や英語を必死に学ぶ息子も大変な頑張り屋である。
400万円は学費には使われていない?
佳代は、真っ赤なアウディで息子の送り迎えをしていたという。女性自身のいうように、当時、パートの収入と夫の遺族年金で月収20万円程度だったとすれば、息子の将来のために全てをつぎ込んだといってもいいだろう。
こうした生活が、一卵性母子といわれる強い絆を形作ったことは想像に難くない。
同じマンションに住んでいた男性と佳代が婚約したのは2010年9月。圭が国際基督教大学(ICU)に入学した時期と同じ頃だ。元婚約者は、「佳代さんは二人の財布を一緒にしようと持ちかけたこともあった」「そのころから、佳代さんの金の無心が始まった」と主張している。
元婚約者は、佳代に貸した400万円はICUへの入学金と授業料に使われたといっていたが、圭の代理人の上芝直史弁護士は女性自身の取材に対して、「入学金と授業料は圭の貯金から払った」と答えている。
だとすれば、元婚約者から佳代に渡ったカネは、彼女たちの生活を維持するために使われたのだろう。少なくとも、このカネのトラブルに圭は、直接的には関与していないということになる。
たび重なるカネの無心に辟易した男性は、2012年9月に婚約解消をいい出し、その1年後に返済を求める書面を小室家に送付したという。だが、小室側は「借金ではなく贈与だ」と主張し、そのまま4年が経った。
き起こっているのだ。
週刊誌に売り込むやり方は非難されないのか
圭と眞子さんの婚約を知った件の男性は、弁護士に相談するが、「借用書がなければ裁判で勝つことは難しいと言われてしまいました」。するとこの男性、週刊女性にこのトラブルを自らタレこみ、それがために、納采の儀は2年延期されてしまうのである。
週刊誌を始めとするメディアの小室母子バッシングの大義名分は、「借りたものは返せ」というものである。女性自身で小田部雄次静岡福祉大名誉教授がいうように、借金であれ贈与であれ、元婚約者が金銭的援助をしてきたのが事実なら、相手に感謝や謝罪がないのは、「一般的な社会通念からしても異常な感覚と言わねばなりません」という“良識”が、小室母子だけでなく、秋篠宮家批判へとつながっていくのだ。
だが、私が以前から主張しているように、婚約解消から5年も経ち、小室圭が皇室の女性と婚約したのを知って、弁護士からも「返済を求めるのは無理」だといわれているのに週刊誌に売り込んだ元婚約者の、「一般的な社会通念からしても異常」なやり方は、なぜ非難されないのだろうか。
読者には「悪女像」が刷り込まれる
女性自身には、夫の死後、夫の遺産相続がどうなるか悩んでいた佳代のために、夫の実家に委任状をもって会いに行き、話をつけてきた元喫茶店経営者の話が出ている。
話をつけてあげたのに、ある日、佳代の父親らしき人間と来て、いきなりカネの入っているであろう封筒を差し出し、「手を引いてくれ」といわれたという。親切心で橋渡しをしてあげたのに、何といういい方かというのである。
その人間がいうには、「旦那さんの話をしながら、佳代さんは涙ひとつ見せなかった」「圭くんの前で平気で自殺の話」をしていたという。
これを読んだ読者には、冷酷で、利用できる人間は誰でも利用する自己中心的で、「なりふりかまわず、“幸せ”をつかみ取ろうとしてきた佳代さん」(女性自身)という悪女像が刷り込まれるのである。
極めつけは最後のシーン。同僚と別れてショッピングモールで買い物をして出てきた佳代に、記者が「お仕事ご苦労さまでした」と声をかける。するとピタッと足を止め、ふいに記者のほうに向き直り、
「マスク越しにも“作り笑いですよ”と、ハッキリ伝わる不自然な笑みを記者に向け、絞り出すようにこう言った。『ご苦労さまでございました』」
この描写に“悪意”を感じるのは私だけだろうか。
論文のコンペで2位を獲得した圭さん
だが女性自身は同じ号で、小室圭はニューヨーク州の弁護士会が主催する論文のコンペティションで2位になり、将来、年収1億円の法律家になるかもしれないと報じてもいるのだ。
このコンペの受賞者は、アメリカのトップクラスの法律事務所に就職したり、世界有数の金融機関や国際的な環境保護団体に進んだりと活躍しているという。
ニューヨーク州の弁護士資格を持つ山口真由は、「小室さんは法学部出身ではなく、日本の弁護士資格も持っていないにもかかわらず、アメリカのロースクールに留学して好成績を収めており、さらに賞まで獲得しました」と、彼の力量を認めている。
このコンペの賞金は1500ドル(約15万5000円)だそうだ。ここに圭のプロフィールも紹介されていて、「趣味:ジャズピアノの演奏」「過去の職務経験:銀行員」とあるそうだ。カッコいいじゃないか。
小室圭はニューヨークという自由な街で、懸命に勉学に励み、趣味のピアノを弾きながらのびのび生活しているようだが、眞子さんの“結婚宣言”以来、小室母子と秋篠宮家に対する異常とも思えるバッシングは、一向に衰える気配がない。
文春が報じた女子生徒へのイジメ
文春のイジメの記事はこうだ。先に書いたように、小室圭は中高を品川区にあるカナディアン・インターナショナルスクールに通っていた。ここで小室は英語のスキルを磨いたようだ。成績が特にいいというわけではないが、授業中に積極的に発言したり、授業後に個人的に質問をしに行ったりする「優等生」だったという。
小室とクラスのボス的存在のAを含めた5人は仲がよかったそうだ。中学生の時、内藤悠(仮名)という女子生徒がいた。彼女が5人組の前を通り過ぎたとき、小室が、「ブタが通った」と囃し立てたという。小室を含めた5人組のイジメは高校になるとさらにエスカレートし、内藤の心を確実に蝕んでいったそうだ。
「お金が儲かる記事にしようって、おかしくないですか」
高校1年が終わる頃、内藤はひっそりと学校を辞めていった。文春によれば、彼女はその後2年間にわたるひきこもり生活を送った後、一念発起して大検を取得し、海外の大学に入学。今は伴侶と出逢い幸福な家庭を築いているそうである。
彼女にとって嫌な思い出である中高のイジメを思い出させたのは、2017年9月に行われた秋篠宮眞子さんと小室の「婚約内定会見」だった。何やら、小室の婚約を知って、母親との金銭問題を週刊誌に売り込んだ元婚約者を彷彿とさせるようではないか。
この「イジメ報道」も、内藤という女性だけのいい分で、他にこのことを裏付ける証言などはない。私には、この報道が嘘だといえる根拠は何も持っていないが、5人組の1人だったBが文春に対してこう語っていることは記しておきたい。
Bは「事実と違う」といい、「こんなくだらないことで(イジメが)ある、ないと世間に出すのは頭おかしいと思う。小室さんってすっごい良い方なんですよ、優しくて。それなのに、悪いことを取り上げて、お金が儲かるような記事にしようって、おかしくないですか? 眞子さまが結婚したいと思えるくらいの人だってこと、もう少し考えたほうがいいんじゃないですか」
痛烈なメディア批判である。
沈黙を続けるほうがつらいこともあるはずだ
しかし、これだけ、安倍晋三前首相が「桜を見る会」への野党からの批判に対して、多用した安倍語でいうところの「印象操作」をされたら、小室母子に対して嫌悪感を抱くのは無理もないのかもしれない。
だが、これらの情報の多くは、元婚約者の一方的ないい分や、裏をとっていない伝聞ばかりである。小室母子が出てきて説明しないのが悪いという声があるが、では、会見を開いて何を説明しろというのか。沈黙を続けるほうがつらいこともあるはずだと、なぜ気付いてやれないのか。
2人して「世間をお騒がせさせて申しわけありません」と、不倫が発覚したお笑い芸人のように深々と取材陣に頭を下げればいいのだろうか。
それではすむまい。世論を味方につけたと錯覚しているメディアは、「元婚約者からもらったおカネは、自分たちが遊興するために使ったのか」「圭さんが留学する時に、避妊具を買い与えたという報道があるが、本当か」「高校時代に、小室圭さんたちにイジメられ、退学した女子生徒には何といってお詫びするのか」などなど、答えられない意地悪な質問を次々にぶつけてくることは間違いない。
黙っていれば、「それみろ、図星だ」、反論すれば、「まってました」とばかりに、さらなる伝聞情報を繰り出し、問い詰めてくる。
世間が納得してくれるような説明をと、秋篠宮も西村宮内庁長官もいうが、何をどうしろというのか具体的にいうべきではないか。
秋篠宮夫妻の“英断”はまだか
花嫁の父親や皇室の代弁者たる人間が、週刊誌などのメディアの一方的な情報に乗せられ、小室母子に無責任とも思える「説明責任」を負わせることが、私には納得いかない。
こうしたときこそ、第三者を入れたファクトチェック機関をつくり、事実に基づく報道がなされているのかを調査してはどうか。
それは言論表現の自由を侵すことにはならないと考える。また、皇室についての報道を規制することにもつながるとは思えない。これは、小室圭と母親の佳代という「一般人」のプライバシーが侵されている問題だからである。彼らは反論する場も手段もない。かといって、名誉棄損で訴えれば、喜ぶのはメディアのほうである。
秋篠宮眞子さんが小室圭との結婚をはっきり宣言して、秋篠宮も「許すと」と明言したのに、2人の結婚への道筋はなかなか見えてこない。
このままでは、眞子さんが皇籍離脱をして、ニューヨークへ「駆け落ち婚」するしかないのではないか。
眞子&圭応援団の一人としては、秋篠宮夫妻の“英断”を心待ちにしているのだが。(文中一部敬称略)


「食こそ最強のコロナ対策」納豆に"あるもの"を入れると免疫力がアップする

2021-03-21 08:30:00 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です

食事で免疫力を上げるにはどうすればいいのか。管理栄養士の森由香子氏は、「納豆には砂糖を加えるといい。血液をサラサラにする納豆キナーゼが増え、免疫細胞が体内に行き届きやすくなる」という——。
※本稿は、森由香子『免疫力は食事が9割』(青春新書)の一部を再編集したものです。
ごはんのたんぱく質をしっかり摂取する方法
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている今、私たちは自身で免疫力低下を防止し、健康を維持していかなければなりません。
私たちは、呼吸をして酸素を使ってエネルギーをつくり、食べ物から栄養を吸収してからだの材料としたり、機能調整を行ったりしています。からだを構成する細胞は日々生まれ変わっているので、毎日、食べ物から必要なすべての栄養素を補給しなければなりません。
近年の研究により、食事からのたんぱく質補給が不足すると免疫細胞の働きが悪くなることや、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが免疫細胞を活性化することなど、食品に含まれる特定の成分が、感染防止にかかわる免疫系と深くかかわっていることが明らかになってきました。食こそ最強の感染症対策といえるでしょう。
さて、日本人の食卓に欠かせない主食といえば、やっぱりごはん。
ごはんには、私たちのエネルギー源となる炭水化物だけではなく、たんぱく質をはじめ、亜鉛、鉄、カルシウムといったミネラル、ビタミンB6、食物繊維なども含まれています。「ごはんは太るから」と敬遠する人が増えていますが、免疫力アップに欠かせないたんぱく質も含まれているので、ぜひ食べていただきたいと思います。
そもそもたんぱく質は、私たちの筋肉や臓器を構成するとても重要な栄養素です。
しかも、免疫系の細胞や酵素の構成材料であり、免疫機能の基盤をつくるために欠かせません。体内のたんぱく質が減ると、風邪などの感染症にかかりやすくなり、さらに不足すると免疫機能に障害が起き、最悪の場合は死に至ることがわかっています。
そこで、せっかくなら、ごはんに含まれているたんぱく質をしっかり摂取したいわけですが、そのためにはちょっとした工夫が必要です。
ごはんを炊くとき、豆乳を加えるのです。
その理由を、順を追って説明しておきましょう。
たんぱく質のはたらきのレベルは「第一制限アミノ酸」にかかっている
たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されています。そのうち、バリン、ロイシンなど9種類のアミノ酸は、体内でつくることができないため、私たちは食事からとる必要があります。これが、「必須アミノ酸」です。
そして、食品に含まれる必須アミノ酸の含有比率を評価する数値に、「アミノ酸スコア」というものがあります。これは、食材に含まれているたんぱく質の“質”を評価するもので、その食材に、9つの必須アミノ酸がそれぞれどれくらいずつ含まれているかを数値で表しています。
このとき、数値が100以下のものを「制限アミノ酸」といい、中でももっとも量が低いアミノ酸を「第一制限アミノ酸」といいます。
少し難しい話になってしまいましたが、食事でたんぱく質をしっかりとるためには、第一制限アミノ酸のことを意識しておくことが、とても重要です。
なぜなら、たんぱく質のはたらきのレベルは、第一制限アミノ酸によって決まってくるからです。
たとえば、9つの必須アミノ酸のうち8つが100以上あったとしても、1つでも50のものがあれば、そのアミノ酸は50のはたらきしかできないのです。
ごはん(精白米)に関していうと、9つの必須アミノ酸のうち、8つは100を超えているのですが、リジンだけが61で、100を切っています。リジンが足りていないおかげで、普通に炊いた場合、ごはんのたんぱく質は61のレベルまでしかはたらいてくれないのです。
豆乳がごはんの第一制限アミノ酸を補う
そこで登場する頼もしい助っ人が、リジンが豊富な、豆乳です。
豆乳を加えることでごはんに不足している部分を補えば、第一制限アミノ酸の足かせがはずれて、たんぱく質のはたらきがぐんと上がるわけです。
炊き方は、お米2合に対して、水100㎖、成分無調整豆乳を260~270㎖くらいを加えて水加減を調整し、お好みでほんの少し塩を加えて普通に炊くだけです。
水加減と火加減の具合によって、ほんのりおこげができ、うまみもアップするので味の面からもおすすめです。
同じ理由で、リジンを豊富に含んでいる枝豆をお米に加えて炊き上げた枝豆ごはんにするのもよいでしょう。
おつまみに用意した枝豆が余っていれば、炊き上がったごはんに混ぜるだけでもOKです。
いつものごはんにひと工夫することでたんぱく質のはたらきをアップさせて、病気にかかりにくいからだをつくっていきましょう。
納豆は常温で20分おいてから食べる
「からだに良い食品」といって、多くの人が思い浮かべる食材といえば、納豆ではないでしょうか。
確かに納豆には、免疫機能を正常に保つのに欠かせないビタミンB群やビタミンK、強い抗酸化力を持つビタミンE、カルシウム、亜鉛、鉄、銅など、からだに良い成分が豊富に含まれています。免疫力を上げるためにはもちろんのこと、若さを保ち、病気になりにくいからだを保つためにも、毎日でも食べたい食品といえるでしょう。
そんな納豆を食べるときに気を付けたいのが、冷蔵庫から出すタイミングです。
栄養成分に影響があるとはとても思えないかもしれませんが、実は、納豆を食べるときは、常温になっているかどうかが、意外と重要なのです。
納豆には、先に上げたビタミンなどの栄養素のほかにも、納豆キナーゼという特有の酵素が含まれています。納豆キナーゼは納豆菌が納豆を発酵させるときにできるもので、血栓を分解し、血液をサラサラにする成分として知られています。
体中の血流が良くなると、免疫細胞が体内のすみずみにいきわたり、免疫力アップにつながります。もちろん、動脈硬化をはじめ、脳梗塞や心臓血管系の疾患も予防します。
実は、この納豆キナーゼのはたらきがもっとも高まる温度が、40度くらいといわれています。
冷蔵されている間に納豆は5度くらいになり冬眠状態に陥っているので、冷蔵庫から出してすぐだと、酵素がしっかりはたらくことができません。冷蔵庫から出して常温に戻しておくことで、ようやく納豆キナーゼが本来の力を発揮できるわけです。
ちなみに、納豆キナーゼは比較的熱に弱いので、炊き立ての熱々のごはんにのせてしまうと、はたらきも落ちてしまいます。ごはんの粗熱がとれてから納豆をのせるか、納豆はそのまま口に運ぶとよいでしょう。
「納豆に砂糖」で免疫力がアップする
納豆は、商品に付いているタレやからし、もしくはしょうゆを入れ、好みでネギを少々加えて食べるのがもっともポピュラーな食べ方でしょう。
でも、納豆に砂糖を入れて食べる地域があるのをご存じでしょうか。
実は、新潟や北海道など、比較的北の地域では、納豆にしょうゆと砂糖を入れて普通に食べる人がいるのです。
食べたことがない人からすると、ちょっと味の想像がつかないかもしれませんが、実はなかなかおいしいもので、ごはんのおかずとしても違和感なくいただけます。
しかも驚くことに、この食べ方は、免疫力アップの観点からも、おすすめできる食べ方なのです。
砂糖は納豆菌の活動を活発にさせる
実は、納豆に砂糖を加えて混ぜると、納豆キナーゼが増えることがわかっています。理由は、砂糖が納豆菌のエサになるから。
森由香子『免疫力は食事が9割』(青春新書)
砂糖を加えることで納豆菌の活動が活発になり、結果的に納豆キナーゼが増えるのです。
実際の食べ方としては、新潟では、納豆1パックに砂糖を小さじ2~3杯入れるようですが、量は好みで加減してください。続いてしょうゆを少し入れ、箸でよく混ぜます。
砂糖を加えて混ぜると、納豆のネバネバがいっそう増え、独特の匂いも抑えられます。食べてみると、思ったほど甘みが強いわけではありません。
この食べ方が北海道や東北地方など、寒い地域を中心に広まっているのには、理由があります。納豆菌はあまり温度が低いと活動が鈍くなるため、発酵が進みづらい上に、混ぜてもネバネバが出づらくなります。砂糖を加えるとしっかり粘りが出るので、自然と寒い地域でこの食べ方が広まっていったのでしょう。