桜谷慎一の STRATEGIC REVIEW

デザイン、アート、テクノロジー、インフォメーション。『情報を構造化する』仕事の源泉

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演劇の夕べ

2005年06月30日 | spices of life
ここ数ヶ月、いろいろパフォーマンスや舞台を観ておきながら、何もブログに更新していなかったので、深く反省。思い出せる分、遡ってみます。

● 6月29日 近藤祐子リーディング・プレイ「お兄ちゃんの樹」
高山広作・演出、近藤祐子演じるこの「お兄ちゃんの樹」は、これで観るのは三回目。確実にいらないものが削ぎ落とされ、本質に近づいている気がします。
主人公が「樹」という、これまた高山さんらしい脚本ですが、演じる側からすると動きを封じられての演技という、とんでもない難題をふっかけられてしまうわけです。
樹は樹であり、ありのままの生を生き、自分の価値は自分で決められない『一切皆空』の思想がここにもありました。
次回8月24日の、また進化した「お兄ちゃんの樹」を楽しみにしてます!

● 6月9日「NINE」
天王洲スフィアで上演された、ミュージカル。フェリーニの『8 1/2』を下敷きにした、別所哲也演じる映画監督と彼と関わった16人の女性とのお話。
男性と女性で、これほど観劇後の感想が分かれる舞台も珍しいのでは。
ストーリーは女好きなダメ男の話に見えますが、男を磨くのは女であり、女々しいという表現が似合うのは男の方で、女性の存在は圧倒的だと、過去から現在さらに未来において関わるであろう16人の女性陣が演じてくれてます(あくまで男の視点でしかないですが)
カップルでいくと意見が対立して、その後どうなるか保証できません(笑)

● 6月6日 「TAIZO」
高山広と奥山和由が組んで、戦場カメラマン一ノ瀬泰造を題材にしたドキュメンタリー映画『TAIZO』と一人芝居をカップリングさせました。
一ノ瀬泰造は浅野忠信主演の『地雷を踏んだらサヨウナラ』で知っている人も多いのでは。
ドキュメンタリー映画は正直言って、冗長なところや踏み込みが浅いところがあって、ちょっとネムいのですが、『地雷を踏んだらサヨウナラ』の補遺と考えると悪くはない出来です。
高山広の一人芝居は、ドキュメンタリーのエッセンスをうまく抽出して、これまでと異なる作風に仕上がっていて、素晴らしい。お涙頂戴の展開ではないのに、会場のあちこちからはすすり泣きが聞こえるほど、感情移入させられるものでした。
一ノ瀬泰造の無謀とも言えるアンコールワットへの熱情がギラギラした目つきに現れていて、それでいてお金や名声目当てではなく、「越させられているのだ」という一ノ瀬泰造の思いは、高山さんのテーマと重なるところです。
高山作品に、戦場となった地面が自分の上で戦う兵士達に向かって「うちに帰ろう」と呼びかけるものがあるのですが、奇しくも一ノ瀬泰造も同じ言葉「もうみんな家に帰ろう!(テンオクウネァ、タウプティア!)」を発しているのでした。

● 5月29日 高山広のおキモチ大図鑑「てづかみ」
手塚プロからお墨付きをもらった『てづかみ』。今回は待望の再演でした。
手塚プロは、浦沢直樹の『プルートウ』といい、手塚治虫の遺伝子を後世に繋げるために大胆なことをしてくれますね。
とにかく、「てづかみ」の完成度は素晴らしいものがあります。
手塚治虫の『ブッダ』『火の鳥』『ブラックジャック』『雨降り小僧』などを、時にストレートに、特に大胆なアレンジで、高山ワールドと重ね合わせて見せてくれます。
もともと、高山作品と手塚作品の根底に流れるモノが近いからこそ、ここまでの完成度になるのでしょうね。真っ向から手塚治虫に挑戦してがっぷり四つに組んだ、力のある作品です。
ぜひ、DVDにして販売して欲しいです。

● 5月27日 「レ・ミゼラブル」2000回達成スペシャルパフォーマンス
2000回記念公演は歴代の当たり役が勢揃いするという、プレミアムチケット。
なんと、前から10列目のほぼ真ん中という、信じられないぐらいの良いシートで観ることができました。
世界中でロングランする舞台なだけあって、とにかく練りに練られた演出に圧倒されます。舞台装置も大がかりですが、それらをこけ脅しではなく、演技の意味を深める役割を果たしています。
回り舞台がジャン・バルジャンの人生の行程そのものをうまく演出し、とにかく前に進むこと、多くの人々と交わること、自分のために生きているのではないことを伝えてくれます。
バリケードを使った”あちら”と”こちら”の世界の切り分けも素晴らしい。
エポニーヌ役の島田歌穂は、本場ロンドンでも「世界でもっともエポニーヌに相応しい」と絶賛されたそうですが、それはもう素晴らしい歌唱力と演技力です。肩のほんのちょっとした動きが、心の動きを表現していて、客席の最後方で表情がわからなくても、心情が十二分に伝わっているはずです。
カーテンコールは鳴りやまないスタンディング・オベーションでした。
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nextmaruni 12 Chairs

2005年06月29日 | spices of life
西麻布のギャラリー ル・ベインで開かれたオープニングパーティに行ってきました。

nextmaruni 12 Chairs』は今年のミラノサローネにも出展されたものです。

プロデュースをした黒川雅之さんに久しぶりに会いました。
相変わらず美女に囲まれ、屈託の無い笑みを浮かべる黒川さんとしばし昔話。
黒川さんが主宰する『Designtope』は、プロジェクト立ち上げの時に少しだけお手伝いをし、実は名付け親だったりします。

BIOTOPEのコンセプトをDesignの場(デザイナー、制作者、販売者、消費者)に置き換え、意図的に仕組みながらも、継続性と進歩性をあわせもった活動が自律的に生まれるような生態系さながらの場にしょう、と考えてネーミングをしました。

黒川さんが、同伴されていた方に、「Designtopeを一緒に立ち上げてくれた人なんです」と紹介してくれたのは、いまは離れてしまったとはいえとてもうれしかったです。
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カラーマネジメント

2005年06月28日 | perceptive designs
月曜、火曜は、いま担当しているウェブサイトのシーズン替えのために、商品撮影をしてました。
西麻布のスタジオを借りて、クライアントさんとカメラマンと一緒に、二日間あれこれ撮影。

段取りもうまくいき、順調に進行して、スタジオ全体の雰囲気も良く、きっと出来上がりも良いものになってることでしょう。

ウェブサイト用に撮影までするというのは、実はなかなか少ないのですが、ホントはとっても重要です。
ごく普通のウェブページの制作では、カタログの写真の流用だったり、他の誰かが撮った写真を提供されることがほとんどです。これは、ウェブが後追いだったり、制作コストを抑えるためだったりという様々な理由があるのですが、ウェブページを制作する現場としてはやはりやりにくい状況なのです。

一番大きいのは、カラーマネジメントの問題。
もちろんデジタルカメラで撮影するので、データ自体は問題ないのですが、それを確認するカメラマンのマシン環境とカラーマネジメントについての知識がどのくらいのレベルかで、仕上がりのクォリティや制作工数が随分と違ってきます。

コラムでも書いていますが、ウェブというのは色の再現性が乏しいメディアですので、それを考慮して制作をしなければいけないですし、あるところで見切りをつける必要もあります。

撮影したものをカメラについている液晶画面でみてると、それはほぼ正しく再現されているのですが、それをWindowsマシンで確認しようものなら、γ特性の違いによってマゼンダにころんだ色味になってしまうのです。当然、Macでみたらまた違って見えます。
それが正しいと判断してオリジナルデータに補正をかけようものなら、その後の処理ではどうやってもクォリティが落ちていきます。

最終的なウェブページでの見え方は、色見本を片手に、MACでもWindowsでもそれなりに見えるように(割り切りもしてもらいつつ)調整をしますが、撮影の段階から関わることでその労力をかなり減らすことができます。

本来なら、デジタルフォトからディスプレイ、プリンターに至るまで、制作に関係するデジタル機器を一貫したカラープロファイルを使うようにカラーマネジメントするのが理想的ですが、日本ではまだまだそこまで意識が高まっていないようです。

写真のカラーマネジメントについては、Appleのサイトでこんな記事がありました。

ソニーでディスプレイの設計をやっていたときには、カラープルーフとかカラーキャリブレーションを当たり前のように考えていたのですが、それはテレビ局向けのスタジオモニターのような特殊な環境で使用されるものだけの世界でした。

いまは、デジタル機器の進歩とともにそれが誰でも手軽に行えるようになっているはずですが、「色」というのがちゃんと勉強しないとかなり難しい分野だということもあり、なかなか浸透していないようです。

色の問題含め、最終的な見せ方やレタッチの度合い、解像度などなどを考慮した撮影ディレクションを行うと、出来上がりのクォリティが断然違うのです。

結果は7月下旬にお見せできるはずです。
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これはYahooの検閲か?

2005年06月23日 | interested ?
先日、関わっているサイトがYahoo JAPANにディレクトリ登録しようと申請をしたところ、以下のような回答が返ってきて、一旦却下されました。
2005年4月1日より、法人・営利団体のディレクトリ登録を完全有料化したことで、審査体制を強化したと思われますが、このような方向が果たして本当に正しいと思っているのでしょうか?

内容そのままは差し障りがあるため、一部抜粋しエッセンスだけをまとめてみました。

1. 製品情報などがどこに掲載されているかなどがわかりにくくなっているようなので、トップページからコンテンツを選べるようにするなど、ナビゲーションの改善をお願いいたします。

2. 多くの画像、動画を使用されているため、全体的にページが重く、利用者の環境によっては閲覧が困難となる可能性がございます。こちらは別途HTMLのページをご用意いただくことを、ご検討ください。

3. 全ページにわたり、Flashを使用されておりますが、Flash動画を再生するために必要な「Macromedia Flash Player」の案内がされていないようです。動画再生ソフトをインストールしていないユーザーにも閲覧が可能になるようソフトのダウンロード先の案内をするなど利用環境を整えていただきますようお願い申し上げます。

検索サイトに登録するためにサイト構造の改変をするなんて、どう考えても理不尽です。

公序良俗に反する情報を提供するサイトが却下されることは常識として理解できるにしろ、担当者の主観で「わかりにくいから改善が必要」と却下するのは、甚だ行き過ぎだと思います。
たとえわかりにくいのが事実だとしても、それを判断するのは市場(ユーザ)であり、企業側がブランドの世界観を伝える目的のために、意図的に製品情報のプライオリティを下げることもあり得ます。

テレビの世界で考えれば、テレビ局がスポンサーが提供する広告のクリエイティビティに対し、「イメージばかりで商品情報が15秒で伝えられてないから放送できません」と断ることに等しいのではないでしょうか?もちろんそんなことは非現実的ですね。

『ページが重い』というのも、もはやブロードバンドユーザーが3000万人を越えると言われ、その牽引役がYahoo!BBであったことを考えると、あまりに不思議な回答です。
この回答をまともに受け取れば、ショートフィルムを使ったウェブ広告手法は、ディレクトリ登録されないはずですね。

FLASH云々というお達しについては、まったくの的はずれで、 プラグイン判定をしてFLASHに対応していないユーザーにだけインストールを促すメッセージが表示される仕組みです。
そういった現場でのノウハウも考慮せず、主観的で未熟な判断に基づいた回答であることは、一目瞭然です。

ディレクトリ登録の審査を通過するため、サイトの再制作を要請するというのは、まったくもって理解に苦しみます。
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Direction Four : “なぜ違う?ウェブ上の企業イメージ”

2005年06月22日 | perceptive designs
ウェブサイトに関わるすべてのクリエイターとウェブマスターに、プロの視点とプロの技をお届けするコラムの第四弾(テンプスタッフ・テクノロジー株式会社が運営・管理を行っているCreator's-Lab.comでの連載コラムより)。

ウェブ・ブランディングの時代
以前、電通がインターネットユーザに対して行ったあるアンケートの結果は、ユーザのリテラシーはすでに企業のそれを遥かに越えていることを示していて興味深い。アンケートは「商品やサービスのイメージが広がるメディアは?」という質問に対して複数回答を集計していますが、約60%の人が“テレビ”と答えています。これは順当な第一位。
第二位は約50%の人が“インターネット”と答えていて、他の雑誌、新聞といったマスメディアをすでに越えています。
一方、日本の2003年度の広告費の統計資料を見ると、総額は5兆6,841億円、そのうちテレビ広告費が34.4%となっています。ところが、インターネット広告費は全体のわずか2.1%という寂しい数字がでています。
インターネットに対する企業の取り組みを広告費だけで計るのは正確ではないですが、それでも多くの企業がインターネットの影響力を軽視していることが、これらの数字のギャップに表れていると言えるでしょう。

「Direction Two :プアでリッチなメディア、それがウェブ」でも触れましたが、ウェブは他のメディアの特性を併せもっていることに加え、マスメディアにもパーソナルメディアにも連続的に変化できる可逆性をもっていて、これはウェブ特有の性質となっています。
3年ほど前までは、企業が顧客との接点として「コールセンター」と呼ぶ電話オペレーターをたくさん抱えた拠点を持っていました。その後、顧客との接点の比重が急速に電話からウェブに移っていることを受けて、もはや「コール」ではなく、全方位を意味する「コンタクトセンター」と呼ぶことが一般的になりつつあります。

顧客は、企業、商品、サービスに対し、その時に自分にとってもっとも楽で簡単なルートでコンタクトを取ろうとします。
「問題を解くのに、2つの同等でよく似た解き方があったら、単純な方を採れ」というのは、科学の分野で「オッカムの剃刀」と呼ばれる原理です。
オープンにかつシンプルにすることで顧客とより良い関係を築けるはずですし、ウェブはそれにもっとも適したメディアだと言えるでしょう。

さて、ウェブはこのように、ユーザへの影響度の大きさ、情報量の多さ、表現の豊富さ、双方向性などの特徴ゆえに、顧客ともっとも深く、継続的な関係を結べるメディアとなりました。テレビで観た商品をウェブでさらに知る、雑誌広告にあるURLにアクセスする、カタログを集める代わりにウェブで検索する、どれも決して他のマスメディアと乖離してではなく、協働しながら顧客との関係をつくっていく、それがウェブのポジションです。

しかしながら、ウェブサイトと従来のマスメディアで展開されるPRを比べてみると、そこに大きな隔たりを感じずにはいられません。
実際、ある商品のワールドワイドなポータルサイトの戦略策定を行った時に、現状分析を行ってみるとはっきりとウェブだけ「別物」になっていることがあらゆる点で明らかになりました。
たとえば、日本、アメリカ、ヨーロッパにおける、ウェブサイト、新聞広告、雑誌広告、商品パッケージ、店頭POP、カタログの代表的なビジュアルを、ある軸を設定したポートフォリオに配置してみると、VIマニュアルをポートフォリオの中心としてかなりばらついた展開をしていることが判明したのです。
様々なPRアイテムがある中で、ウェブだけは Regional(地域限定)ではありませんから、ウェブと他のPRアイテムが並ぶチャンスは非常に多くあります。そもそも、この戦略プラン策定の業務を依頼された目的は、ブランド力低下の原因を探り、ウェブを核とした打開策を練り上げるというものでしたから、きちんと分析をしてみると解決策はくっきりと姿を現しました。

客観的にみれば、ブランド形成は従来のマスメディア中心ではなくなってきたこと、ブランドロイヤリティの継続にウェブが重要であること、などなど「ウェブ・ブランディングの時代」が到来しているという事実はすんなり受け入れられるはずです。
しかし、企業側も、それを理解しつつも、企業ならではの事情により、うまく時代に乗ることができないでいるケースが累々としています。

ウェブサイト運営のジレンマ
大企業のウェブサイトを見ていて気づいている方も多いと思いますが、アドレスバーの表示を注意深くみていると、サブディレクトリなどURLの変化にある特有の現象が見えてきます。
たとえば、Sony Japanにアクセスしてみましょう。
AV製品の情報にアクセスしてみて下さい。アドレスバーの表示がどう変化しますか?あるいは VAIO の新製品を探してみたり、サポートのページにアクセスしてみて下さい。URLが様々に変化するのがわかるはずです。商品情報を見て、それを購入したいと思ったらどこに辿りつきましたか?タライ回しにされていませんか? URLの変遷だけでなく、ページデザインもクルクルと変化してしまい、たちまち自分がどこで何を見ているのか立ち往生することでしょう。
これが、「メンタルモデル」がうまくできていないということなのです。

では、どうしてこのような事態が起こってしまうのでしょうか?

ウェブサイトは、意匠だけでなく機能もあり、構造を持っています。また、役割としては、商品カタログだったり、コンタクトセンターだったり、店舗そのものだったりするわけです。新しいメディアとしてたくさんの優れた特徴を持っているわけです。
しかし、従来の企業の部署の中にあって、このようなファンクションの部署は存在していませんでした。これが大きなポイントなのです。

組織上、「インターネット推進室」のように横断的な部署が担当している場合、他の部署との調整が主な業務となってしまい、全体のバランスを取ることで手一杯になりがちです。また、予算の出所が関連部署からの拠出となっている時には、さらに身動きできない立場になる可能性があります。

別のケースを挙げてみましょう。
ウェブサイト運営には、システム管理が必ず必要になります。最近はアウトソーシングよりも、個人情報管理やビジネス戦略上、企業内部でメンテナンスするケースが増えてきました。この場合、担当部門は「システム管理部」になることが多いでしょう。保守的な管理を得意とするため、新しいメディアであるウェブの特性を活かした斬新なアイディアを試したり、顧客ロイヤリティを獲得することにまでなかなか発展していきにくいのが特徴です。

「広告宣伝部」が担当することが、一番ケースとして多いですね。ウェブ・ブランディングの考えにもっとも適した部署のようですが、難点は、売れている商品、話題性の高い商品、予算が多く割り振られる商品に集中してしまうことにあります。また、営業戦略的なことに疎くなってしまうという欠点をもってしまうこともあるでしょう。

ウェブサイトは拘らなければ、簡単に独自のウェブサイトを公開できてしまいます。
これが禍して、カンパニーや事業部が勝手に立ち上げていて、全社的な管理がされず、情報が錯綜している企業が多々見受けられます。さらに、独立採算という意識が強く出すぎると、商品ブランドごとに利益や売上の多いところがクォリティの高いウェブサイトを作ってしまい、マイナーなポジションのブランドのウェブサイトと大きくクォリティのギャップができてしまうことになりかねません。

このように、大企業になればなるほど組織構成あるいは組織運営上の問題のために、大きなジレンマを抱え、結果として顧客に対するサービスレベルの低いウェブサイトが完成してしまがちです。

アメリカの企業ウェブサイトをぜひじっくり見てください。
巨大コングロマリットである GE がもっともわかりやすいでしょう。
先に述べたような組織の問題は、GE のウェブサイトからはまったく透けて見えません。
すでにアメリカの多くの企業は、ウェブサイトについてのこのようなジレンマを抱えたフェーズをクリアし、さらに先のフェーズに進んでいます。

その違いは何か?
それは、徹底した「顧客視点」だけなのです。

プロフェッショナルなウェブマスターなら、社内に対してこの「顧客視点」を核としたウェブ戦略を提案し続けてください。

ウェブサイトの Visual Identity
前回、アルシードではウェブサイト構築のリファレンスとして「ブランドバイブル」と呼ぶドキュメントを作成すると書きました。
通常、企業においてはロゴの取扱やコーポレートカラーなどを規定した CI あるいは VI マニュアルを持っているはずです。ブランドプロミスやブランドバリューといった、そのブランドを厳格に規定するマニュアルもたぶん揃えていることでしょう。ウェブサイト構築でももちろんそれらはリファレンスとして守らなければいけないのは当然です。

では、以下のそれぞれペアになったウェブサイトはなぜ違いがでてきてしまうのでしょうか?

Merill Lynch V.S. メリルリンチ日本証券
Lufthansa V.S. ルフトハンザ
BENETTON V.S. ベネトンショップ
TOMBOW USA V.S. トンボ鉛筆

異なるデザインが悪いわけではないですが、その根底にあるはずの企業理念や Public Relation に対する解釈が著しく違うのか、はたまたサイトデザインのレベルの問題なのか、とにかくブランドイメージを考えたときに、ここまで差が出てしまうとまるでまったく別のブランドのような印象を受けてしまうものもあります。

一応、本社サイトとブランチサイトが同一な例も挙げておきましょう。

Intel V.S. インテルジャパン
Apple V.S. アップル

ウェブサイトは単独の独立した存在ではありません。
ビジネスの全体戦略に組み込まれる時代にすでに突入しています。

先を行く企業は、ページ制作はアウトソーシングするにしても、ウェブサイト構築運営そのものを自社内でこなせるような体制を作り上げつつあります。
これは、ウェブサイトそのものがビジネス戦略であり、ウェブサイトの使い勝手がそのまま顧客サービスに結びつくことがわかったからです。アウトソーシングによるコストダウンより、ウェブサイト構築運営のノウハウを社外に流出させることは、ビジネス戦略そのものを流出させることであると考え始めています。

企業がウェブサイト制作を囲い込むなかにあって、求められるのはプロフェッショナルなウェブデザイナーだけ、という厳しい時代になってきました。

プロの視点
013 もはやウェブもマスメディアのひとつ
014 組織の論理を飛び越える
015 徹底した顧客視点で考える
016 ウェブサイトはビジネス戦略そのもの
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Made on a Mac @ Apple Store Ginza

2005年06月16日 | interested ?
6月16日(木)夜7時から、銀座のアップルストアのシアターで開かれる Made on a Macに出演します。
『Grab Your Imagination』と銘打った6回シリーズの第3回目です。

今回は、毎年夏に行われる日本最大のジャズイベント『東京ジャズ』を例に、After Effectsをメインに使った、テレビスポットや会場用オープニングシークエンスなど一貫した映像のプランニングと制作の秘訣をレクチャーします。

詳しくはこちら
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Webクリエイター急募!

2005年06月07日 | interested ?
案件多数につき、プロジェクトベースで一緒に働いてくれるWebクリエイターを募集します。

腕に覚えがあるクリエイターはぜひコンタクトしてください。
案件は多岐にわたり、どれかひとつというわけではなく、複数を持ってもらうことになります。
ECサイト構築、ブランドサイトのリニューアル、Flash制作などなど。。。

FTPやスキャニングなどの単純作業もこなしつつ、データベースパブリッシングやSEO、情報デザインについて学ぶことができる絶好の機会があります。
オペレーターレベルの方も歓迎ですので、まずは sakuraya_shinichi@mac.com までメールしてください。
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