香港で逮捕された日本人大学生が当時の様子を語る(19/11/20)
香港の警察に逮捕され、19日夜に釈放された日本人大学生がANNの取材に「拘束時に暴力を振るわれた」と当時の状況を話しました。
東京農業大学3年・井田光さん（21）：
「（Q.どういうことをしていて警察に連れていかれることになってしまったのか？）
デモの付近にいたこと。僕の場合は理工大学のそばにいたことによって厳しく捜査されたということしか言えなくて、それに対して自分からどうこうということは言えないですね。デモには参加していないですし」
「（Q.デモに参加していないのに何で警察に連れていかれた？）
僕もその時、よく分かっていないんですよ。ただ、デモ付近にいて、警告があったのをよく分からなくて、それで逮捕されたというのだと思うのですけど」
「（Q.逮捕されてからどういう取り調べがあった？）
拘束されて、バスに乗せられて警察署に連れていかれて、それ以降は本当に簡単なものです。日本人なのかとか、こういう理由で君を捕まえますというのを警察の方から伝えれて今、ここに至っているという感じです」
「（Q.他の大学の学校の皆と一緒に捕まったという感じ？）
いや、僕1人捕まったんですけど」
「（Q.その時、パスポートを携帯していなかったりどういう感じだった？）
僕が所持していたのは、本当に少しのお金と学生証と保険証だけだった。あとは携帯電話。なので、何も提示するものがなかった。後でちょっとごたついたことではあったのだけども、パスポートを所持しなかったことが不審に思われていたのだなと思います。本当にこれから旅行に来る方はパスポートを所持したり、情報をちゃんと収集してもらうことを重視するべきかなとは思いますね」
「（Q.警察署の中では怖くなかったか？）
最初、何が起きているか本当に分からない状況でしたね。逮捕されているかどうかも正直よく分かってなかったです。署に行って、『君は今、逮捕されている』って言われて、そこでやっと自分の置かれている状況を把握しました。これからどうなるんだろうというのもありますし、フライトも近かったのでその不安というのはかなりきつかったですね」
「（Q.ご飯は食べれた？）
あまり食べてはないです」
「（Q.これから日本で何かしたいことは？）
これから、香港で何が起きているのか、実際にこういう経験したのは僕が一番近いと思っているので、ありのままを伝えたい」
「（Q.井田さんは旅行だったのか？）
そうですね、旅行で来ています」
「（Q.リュックサック1つで軽装ですが？）
そうですね、僕、色んな国にも行くんですけど、香港のように簡単な格好で海外に行っています」
「（Q.旅行は11日くらいから？）
14日からですね。僕が来たのは。そこから18日、19日の朝に帰る予定だったので、そんなに長いものではないですし、衣服も2着くらいあれば大丈夫だったので」
「（Q.体は今、大丈夫？）
大丈夫です。疲労はたまっているが、それ以外は何かされてとかはないので」
「（Q.精神的には？）
精神的には結構きてますね。あまり英語の通じない所ではありましたし。これからどうなるんだろうという。日本だったらまだ連絡手段がありますけど。海外の場合は連絡手段が難しいので、不安ではありましたね」
「（Q.自分がまさか香港で、と印象は変わった？）こういうことがあるのは聞いたことがあるんですけど、ここまでひどいとは思っていなかったですね。捕まっても暴力だったり」
「（Q.暴力振るわれた？）拘束されたときに殴られたり、蹴られたりとかはされた。背中の方を蹴られたり結束バンドでつなげれられた時なんですけど。痕はないですけど。僕はまだ外国人ということが分かっていたと思うので、そんなに振るわれなかったですけど、他の人は水を掛けられたりとか殴られている人たちも結構いたので」
「（Q.所持品とかはなくなったりした？）携帯と衣服がない状態ですね。今、ほとんど捕まった時の格好。靴も取られたので」
「（Q.日本に帰って両親に言いたいことは？）大変な迷惑を掛けて本当に申し訳ございません。友達にも心配を掛けたと思うので帰ってから謝罪したいと思います」
井田さんは、18日にデモ隊と警察隊の激しい衝突があった香港理工大学の周辺にいた時に警察の警告が理解できずに拘束されたということです。デモには参加していなかったということですが、警察官に拘束される際に背中などを蹴られ、結束バンドで両手首を縛られたということです。その後、警察署にバスで連れて行かれ、逮捕されたということは警察署で聞かされました。当時、パスポートは所持していませんでした。警察署では、拘束された他の若者らが警察官に殴られたり、水を掛けられたりしていたのを見たと当時の状況を話しました。警察には、携帯電話や靴などが押収されたままになっています。
