今回の噴火で死亡した陸上自衛隊第12旅団第12ヘリコプター隊の伊沢隆行陸曹長(49)(死亡後、3等陸尉に特別昇任)が、部下の隊員をかばい、噴石の直撃を受けていたことが25日、関係者への取材でわかった。

 一方、陸自と群馬県は同日、「遺族の了承を得られた」として伊沢さんの氏名を公表した。

 陸自や関係者によると、伊沢さんは23日午前9時50分頃、他の隊員7人と共に山頂から滑降を始めた。約10分後、スキー場北側の本白根山から轟音ごうおんが響き、噴石が降ってきた。すぐに隊員らはコース脇の雑木林に避難したが、林の中にも噴石が降り注ぎ、隊員らは次々と倒れていった。伊沢さんは、近くにいた部下を守るように覆いかぶさった。その背中を噴石が直撃したという。

 噴石がやんだ午前10時10分頃、隊員の一人が携帯電話で救助を要請。救助が到着するまでの間、伊沢さんのおかげで軽傷で済んだ部下らが、動けない隊員たちに声をかけ続け、伊沢さんは「肺が痛い」と話していたという。伊沢さんは麓に運ばれて救急車に乗せられたが、車内で心肺停止となり、午後0時半頃、搬送先の病院で死亡が確認された。