君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 二章「湖底の城」四話(Sumeru)

2011-08-14 18:30:23 | 『君がいる幸せ』(本編)二章「湖底の城」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です
 <用語>
木星軌道上の衛星都市メティスのビルレスト 2人が住む建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)
惑星メサイア ミュウが向かった新しい移住惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市


 『君がいる幸せ』

  二章「湖底の城」

  四話(Sumeru)現在
 ミュウの長のジョミーからの要求は至極簡潔なものだった。
「カナリアの存在を認めること」
 それを伝えるのに何故ミュウの長でなければいけないのかというと、彼自身が戦艦並みの力を持っているから…。言う事を聞かなければ攻撃も辞さないという脅しなのだろう。

 ジョミーの肉体は彼等に操られているが、その精神の全てを手放した訳ではなかった。
 僕は自分がこうなったことで、人類はどう動くのか?
 トォニィはどうするのか?かが知りたかった。
 ジョミーは返答を待つ間に二度ほど、人類側にいるミュウの部隊の精神攻撃を受けた。
 同族なら反撃しないと思っているのか?とカナリア達は言っていたが、ミュウにはミュウを。それは当然の対処の仕方だろうと思っていた。
(ミュウの部隊の彼等自身が言い出したのだろうな…)とジョミーはすまなく思った。
 フィシスは一緒にいるが人質ではない。
 ここの職員も数名残っているが拘束はしていない。
 外との連絡は取れる状態になっている。
 ただ宣言後は、出られなくなっただけだ。
 カナリアが僕を操っているとは思われてはいない…犯人は僕だけとなる。
(そうなると…そろそろソルジャー・トォニィが来るはず…)
 ここはノアに近い、移住先の惑星メサイアもノアに近かった。
「ジョミー大丈夫?」と心の中に声が届くトォニィの声だ。
 ミュウが人類からの依頼に動いた証拠だ。
「大丈夫だよ」と答えた。
 この会話はカナリア達には聞こえない。二人はサイオンを発動せずに会話をしていた。
 ここにフィシスがいるから出来る会話だった。
 彼女は僕らの能力を増幅できる。
 それはソルジャーだけに与えられた。文字通りの女神。
 彼女とソルジャーブルー出会い助け出した偶然の産物なのか、はじめから用意されていたものなのかは、わからなかった。
「ジョミー、僕が来た意味わかるよね?このままだと武力制圧されちゃうよ」
「わかっているよ…」
「カナリアを反対に封じれない?外から協力するから」
「それはしないでいい。もう少し待って。それより太陽系にいるミュウの船をビルレストに送って欲しい」
「…ビルレストに?」
「至急頼む」
「向かうように伝える。それで、この後、僕はどうすればいいの?僕と戦う?」
「それが必要ならば…ね」
「OK」
 そこで交信が切れた。

 しばらくしてから人類側から通信が入る。
 それはこの施設全館に強制的に流された。
「人類統合機構 太陽系司令部総監キース・アニアン」と声が響いた。
 長い肩書きと共にキースの登場だった。
(ここにキースが来たという事は…。何かがあったという事なのだろうか?)
「太陽系の総監が、わざわざこんな所まで…」とカナリアのジョミーが焦り出した。
「ソルジャー・シン。そちらの要求は認められた。カナリア達の解放を望む」
「よ、要求はあれだけではない!」
「要求を言え」
「…まっていろ」
 キースの迫力にカナリアのジョミーは言葉につまった。
(もう少し優しく言えないかなぁ。いくら子供が嫌いだからって…)
 その後、ソルジャー・シンからの要求はなかった。

「キース・アニアン総監。ミュウからの要求も聞き入れてもらえない?」
「ミュウの要求?なんだ」
「ジョミーと戦わせて。確かめたいことがあるんだ」
「それは許可できない。危険すぎる」
「大丈夫。他に被害が出ないように仲間がシールドつくるし、僕の狙いはジョミーだけだから」とトォニィはにっこりと笑った。
 有無を言わせない迫力と、それとは反対の優しい物言いにキースは少し圧された。
 キースは人類軍を下がらせた。
 カナリアの施設の広い中庭にトォニィが歩いてゆく。
 ジョミーはその様子をカナリア達と共に見ていた。
 そして「ジョミー?いい?」とトォニィが声をかけた。


   続く