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Unreal City (アンリアル シティ)-恐るべきズッファンティ・チルドレン -Part 1

2013-06-05 | Unreal City

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Unreal City (アンリアル シティ)-恐るべきズッファンティ・チルドレン -Part 1

UNREAL CITY-LA CRUDELTA’ DI APRILE

Di Gianni Sapia

 女性の魅力というものは瞳が美しいとか、素敵な鼻の形、形の整った紅色の唇や美しい体で測れるものではありません。女性の魅力というものは、遠目で見て、いかに他人と違う様子で接していくかにあるのです。歩き方、微笑み方、仕草などから感じとるものなのです。それはその女性の品性なのです。 

Unreal CityのアルバムLa Crudeltà di Aprile四月は残酷極まる月

-T.S. Eliot「荒地」The Waste Landより 

四月はいちばん残酷な月

死んだ土地からライラックを芽吹かせて

記憶と欲望とを混ぜ合わせ

精のない草木の根元を春の雨で掻き起こす

(西脇順三郎 訳) 

バンド名のUnreal CityはT.S.エリオットに捧げられたものです。キーボードのエマヌエレとギターのフランチェスカが自他ともに認めるエリオットの大ファンだったのです。のちにバンドはベーシストのフランシスとドラマーのフェデリコを加えてラインアップが完成しました。

Unreal Cityはまだ20代前後の若さですが、自分たちが生まれる何十年もの前のロックを生まれ変わらせようと試みたのです。おそらく最も複雑とされるロックです。Unreal Cityが選択した音楽のキャリアはたやすい道ではなく、追求する音楽への愛なくしては挑戦しづけることすら難しいものです。しかし、愛だけでは進み続けることはできません。理解力も同時に重要なのです。これが信仰ともなると信条が必要になっています。自然界では自然への畏怖の念になります。プログレにおいてはテクニックも必要なのです。Unreal Cityはそれを持っています。

アルバムのオープニングDell’Innocenza Perduta失われた無垢)では絶えず追いかけ、追いつき、そして再び離れるパターンが繰り返されます。甘美な部分になり、ヴォーカルが入ります。そしてクラシック・ロック・バラードのダイアグラムが展開します。フランチェスカのギルモア風のクリーン・カットなギターがヴォーカルに続き、キーボードがアシッド的味付けをします。リズムは間断ないギャロップでサポートしていきます。フィナーレではゲストのヴァイオリン奏者ファビオ・ビアーレに展開の余地を与えます。悪くないオープニングです。

二曲目はジーザス・クライスト・スーパースターの雰囲気を思わせるAtlantis (Conferendis Pecuniis)です。ここでもUnreal Cityはプログレの手を緩めることなく、キーボードは魔法のように聞き手を引き込んでいきます。それだけではありません。このエミ―リア出身の4人の若者が奏でるサウンドの狂気は中世的な雰囲気も醸し出すことができるのです。まるで豪華なディナーにルネッサンス時代のハープシコードが奏でられ、創作あふれる詩の歌が続きます。創作は聞き手にも創造の余地を与え、プラトンの対話集のクリティアスの引用で見事にアトランティスとの関連を想起させたり、才気走っています。

3曲目のCatabasi (Descensio ad Inferos)の高揚感のあるイントロはすでにブラック・サバスを思い起こさせてぞくぞくします。しかし“ヴァイオリンに合わせて踊る何千もの幽霊”のあとに、ヴァイオリンだけの部分が典型的なアイリッシュの雰囲気を奏でます。そして、ほとんどメタルに近いヴォーカルとサイケデリックなテレミンの音が炸裂します。終盤のメロディアスな部分では更にマルチなジャンルを彷彿とさせ、まさしくプログレッシブな一曲です。

4曲目のDove La Luce È Più Intensaはメランコリックなピアノがヴォーカルへとつなぎます。ここでもアルバムを一貫して流れる雰囲気を感じます。ベースとドラムがファンキーな趣を与え、テルミンが効果的に使われます。エマヌエーレ の緊張感に満ちた歌声は聞き手をタランティーノの世界に誘います。

Dove La Luce E' Piu? Intensa - Unreal City (Official Video)

5曲目はEcate (Walpurgisnacht)です。ワルプルギスとはドイツでは魔女の夜と呼ばれています。唯一の女性メンバーで、“魔女”でもあるフランチェスカは最初はクリーンなサウンドで奏でますが、よくある女性コーラス・グループにありがちな補助的役割ではなく、ギルモアとフリップの間を往来するようなギターで攻めていきます。この曲は北欧の伝承で、魔女の夜を歌ったものです。この曲でもテルミンが効果的に使われています。

最後の曲はHorror Vacuiです。インスト2曲からなる組曲です。第2部の曲ではバンドが一丸となってアルバムのスピリットを凝縮して表現しています。バンドのインストの演奏能力をフルに活用し、あらゆるサウンドのブレンドに成功しています。

イアン・アンダーソンがかって、4月にはあらゆる花が狂気のごとく咲きまくると歌ったことが思い出されます。この曲を聞くと、すぐにこのことを思い出します。インストの途中では、聞き手への媚びを一切捨て、まるでパブで仲間同士で楽器を弾いて楽しんでいるかのような雰囲気を出しています。自分たちが音楽を楽しむことにより、その芸術的な繊細さとテクニックで、結果的に聞き手をひきつけるのです。

美しいファースト・アルバムです。最初に申し上げたとおり、全体としての美があります。しかし、もっと深いです。歌詞については、かなりの時間をかけて練られているのがわかります。主題は自然からより離れて、人間の本来の姿に忠実になることです。

この主題を表現するには、イタリア語の選択は必須だったと言えます。Unreal Cityも言っていることですが、語彙の選択にかなりの余地を与えていること、比喩、哲学や神話の引用など、古典からかなりの題材を借用しています。

ダンテや、ギリシャ古典、ラテン古典、アトランティスの神話伝承、ヘカテ、ヘッドラインに使用されているギリシャ語やラテン語は、年月の浅い英語文化での少ない語彙では到底表現しえないものです。また、T.S.エリオットがUnreal Cityに与えた「プログレ詩」からの引用で、バンドに敬意を表したいと思います。

 "April is the cruelest month, generates

 Lilacs from the dead land, mixing

 Memory and desire, stirs

 Lazy roots with spring rain "(TS Eliot).

 <予告>

Part 2では、サウンドの要、エマヌエレ自身が語る詩の世界をお届け予定です。

 

The Unreal City2008年にキーボーディストのEmanuele TarasconiとギタリストのFrancesca Zanetta2007年までミラノで活動していたプログレ・バンドThe Syllogismから誕生しました。パルマに移動後、バンド名をUnreal Cityに改名し、ベーシストFrancis Jeweller2010まで在籍)、Federico Bedostri2012年から現在)を加え、ドラマーのFederico Bedostri2012年から現在)でラインアップを完成しオリジナルを制作しました。

2012年には自主制作のEPを発表し、これがファビオ・ズッファンティの目に止まり、自分のレーベルMirror Recordsからファースト・アルバムを発表することになりました。レコーディング等はレーべルの基地的存在であるジェノバのヒラリー・スタジオで行われました。ここではRossano "Rox" Villaのリードの元、制作が進行しました。イタリア語の歌詞にも手が加えられ、物語的にも、文学的にもより厚みを増したと言えます。

La band:

Emanuele Tarasconi (エマヌエレ・タラスコーニ) (piano, organ, mellotron, synths and voice) 

Francesca Zanetta (フランチェスカ・ツァネッタ) (electric and acoustic guitar, lute) 

Francesco Orefice (フランチェスコ・オレフィーチェ) (bass, backing vocals) 

Federico Bedostri (フェデリコ・ベドストリ) (drums and percussions) 

 ★メンバーのバックグラウンド★

サウンドの要となるエマヌエレはクラシックで育ち、16歳の時にいわゆるキーボードに目覚めました。

ギターのフランチェスカは両親がプログレの大ファンで、物心ついたときから、家庭にプログレが流れていたそうです。敬愛するギルモアなど、ピンク・フロイドがいわばDNAに入り込んでいるほどです。

ベースのフランチェスコはあらゆる音楽を聴くまだ10代ですが、現在はブルーズに強く魅せられているそうです。

ドラムのフェデリコはモダン・プログレやプログレ・メタルに影響を受けています。

Informazioni:

Unreal City

www.unrealcity.it

www.facebook.com/unrealcityband

 Mirror Records 

www.mirrorrec.com

https://www.facebook.com/mirrorrec?fref=ts 

Hilary Studio:

http://www.hilarystudio.eu/

BTF:
www.btf.it

Ufficio stampa MAT Service:
http://www.musicarteam.com/

 


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1 Comments

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Unknown (とっしー)
2013-06-08 08:44:46
さすが伊太利亜、最近の若手バンドは聞き応えありますね、4曲目のyoutubeしか知らないのだが(笑)
復活バンドに注目が集まってしまいがちですが、新しい世代のバンドも応援しなくちゃ!

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