Milch's blog

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「地口・啖呵売・口上」あれこれ

2007年05月04日 | Weblog
地口(じぐち)・啖呵売(たんかばい)・香具師(やし)の口上‥あれこれを集めてみました。



●「寅さん」の啖呵売(たんかばい)


角は一流デパート赤木屋、黒木屋、白木屋さんで紅白粉つけた おねえちゃんから下さい頂戴で頂きますと五千が六千、七千が八千、一万円はする品物だが今日はそれだけ下さいとは言わない!

並んだ数字がまず一つ。物の始まりが一ならば国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりが小平の義雄っての。

続いた数字が二だ。二冊こうやって負けちゃおう。兄さん寄ってらっしゃいは吉原のカブ仁吉が通る東海道、日光結構東照宮、憎まれ小僧が出来ないように、教育資料の一端としてお負けしましょうもう一冊。どう?

産で死んだが三島のお仙、お仙ばかりが女ごじゃないよ。京都は極楽寺坂の門前でかの有名な 小野小町が、三日三晩飲まず食わずに野たれ死んだのが三十三。とかく三という数字はあやが悪い。
三三六歩(さんさんろっぽ)で引け目が無いという。ねっ、どう?

負かった数字が四つ。ほら四冊目。四谷赤坂麹町チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い。
一度変われば二度変わる三度変われば四度変わる、淀の川瀬の水車(みずぐるま)、誰を待つやらくるくると。

ゴホンゴホンと波さんが、磯の浜辺でねぇあなた、あたしゃあなたの妻じゃもの、妻は妻でも『阪妻(ばんつま)よ』ときやがった。

続いた数字が六つ。六だっ! 昔、武士の位を禄(ろく)という後藤又兵衛が槍一本で六万石。ロクでもない餓鬼が出来ちゃあいけないと 言うんで教育資料の一端としてお負けしましょうこの本。どう!

七冊目。七つ長野の善光寺八つ谷中(やなか)の奥寺で、竹の柱に茅(かや)の屋根、手鍋下げてもわしゃいとやせぬ。信州信濃の新ソバよりも、あたしゃあなたの傍が良い。あなた百までわしゃ九十九まで、共にシラミのたかるまでって云うやつ。どう? ほらっ!

これで買い手が無かったらあたし、浅野匠頭じゃないけど腹切ったつもり。ダメか?
いくら見てたってダメ。いくら見てたって買わなきゃ。ね、そうでしょ?
いくら掘っても畑にゃハマグリ出てこないっていうじゃないの。どう?

たいしたもんだよ蛙のションベン見上げたもんだよ屋根屋のふんどしってね。はい! どうです?

お安く負けちゃうよ。なぜこんなにお安い品物かと言うと、本来ならばこれ輸出する品物ですよアンタ。なんで輸出が出来ないかというと、はっきり言っちゃおう!今まで言わなかったんだ。わたくしが知っている東京は花の都、神田は六方堂という大きな本屋さんが、僅か百五十万円の税金で泣きの涙で投げ出した品物! だからこんなに安い。本来ならば文部省選定、衛生博覧会ご指定、大変な品物だこれ。これだけ安く売っちゃおう。英語の本なんか見てごらんなさいよ。英語、ずーっと書いてある。
最もわかり易いよ、この英語見てごらん。あたしだって読める。NHKにマッカーサー、メンソレタームにDDT。
こういう昔の古い英語から出てるんだから、買って頂戴よ。どう?はいっ!どうも有難うございました!





●「バナナの叩き売り」の口上

・発祥の地は、九州の門司です。神戸に行くはずのものが、熟れすぎて売り物にならないというので、門司におろし、そこで叩き売りしたのが発祥といわれています。


さあ 買うた、さあ買うた、バナちゃんの因縁聞かそうか。私の生まれは台湾で、親子もろとももぎとられ、かごに詰められ船に乗り、金波銀波の波越えて、着いたところが門司港。
さあいくらで売ったろか。

さあ、このバナナ買ってくれるかな。今日はひとつおまけをつけ ちゃおう。安い高いを言っちゃあいけないよ。売るのは俺だ買うのはそっちだ、いいところに来た、買ったの一声だよ。よくいるんだ、「早く売れ、早く売れ」ってね、そんな野暮なこと言っちゃあだめだよ。売るのはこっちだからね、さあいいところへ来た。さ、手を挙げてくれ。よしきた。じゃ、このバナナのね、一房いこう。一房の上にもう一房、これおまけだ。いい数だね。





●筑波山名物「ガマの油売り」の口上

サアーサアー お立合ご用とお急ぎのない方はゆっくりと聞いておいで。

遠出山越え笠のうち、聞かざる時は物の黒白出方善悪がとんと分からない、 山寺の鐘がゴーンゴーンと鳴ると言いども、童児来って鐘にしゆもくを当てざれ ばとんとカネの音色がわからない。

サテお立合 手前ここに取りいだしたるは筑波山名物ガマの油、ガマと申してもただのガマとガマが違う、これより北、北は筑波山のふもとは、おんばこと云う露草をくろうて育った四六のガマ、四六五六はどこで見分ける。
前足の指が四本、後足の指が六本合せて四六のガマ、山中深く分け入って捕いましたるこのガマを四面鏡ばりの箱に入れるときは、ガマはおのが姿の鏡に映るを見て驚き、ターラリターラリと油汗を流す、これをすきとり柳の小枝にて三七 二十一日間、トローリトローリと煮つめましたるがこのガマの油。

このガマの油の効能は、ひびにあかぎれ、しもやけの妙薬、まだある 大の男の七転八倒する虫歯の痛みもぴたりと止る、まだある出痔いぼ痔、 はしり痔、はれもの一切、そればかりか刃物の切味を止める。

取り出したるは夏なほ寒き氷のやいば、一枚の紙が二枚 二枚の紙が 四枚 四枚の紙が八枚 八枚の紙が十六枚 十六枚が三十と二枚 三十二枚が六十四枚 六十四枚が一束と二十八枚ほれこの通り、ふっとちらせ ば比良の暮雪は雪降りのすがた、これなら名刀も一たびこのガマの油をつける時はたちまち切味が止る、おしてもひいても切れはせぬ。
と云うてもなまくらになったのではない、この様にきれいにふきとるときは元の切味となる。

サーテお立合 この様にガマの油の効能が分かったら遠慮は無用だ、どしどし買って行きやれ。




●地口(じぐち)

・駄洒落の一種と見なすことができる言葉遊びである。発音が似た単語を用いるため、駄洒落よりも創造性に富み、作成するのも比較的容易であり、また、形態も多様化している。

・語呂合わせと同様に扱われるが、意味する範囲は語呂合わせより狭い。

・落語においてもくすぐりとしてしばしば使われる。話の終わりを地口で締めるのを地口落ちというが、これは落ちの種類としては低いものと見なされる。


・有名な文句をもじったもの。

「舌切り雀」をもじって、「着たきり娘」

「いずくも同じ秋の夕暮れ」をもじって「水汲む親父秋の夕暮れ」

「お前百までわしゃ九十九まで」をもじって「お前掃くまでわしゃ屑熊手」

「しづ心無く花の散るらむ」をもじって「しづ心無く髪の散るらむ」


・韻を踏むことによってリズムをつけるだけで、特に意味のないもの。

美味かった(馬勝った)、牛負けた

美味しかった(大石勝った)、吉良負けた

驚き桃の木山椒(さんしょ)の木

何か用か(八日)九日十日

言わぬが花の吉野山

大したもんだよマレーシア→タイの南(下)にマレーシアが位置しているため。

I'm sorry ヒゲソリー、髭を剃るならカミソリー

何のこっちゃ、抹茶に紅茶

あたりき車力→「あたりき」とは「当たり前」のぞんざい語。さらに後ろに以下のように続けたりもする。
「あたりき車力、車引き
あたりき車力、けつの穴馬力
あたりき車力、洗濯機」


・掛詞の技法を使い、後に意味のない言葉をつなげたもの。

すみま千円(「すみません」+「千円」)

あたり前田のクラッカー(「当たり前だ」+「前田のクラッカー」)

そうはいかのキンタマ(「そうは行かない」+「烏賊の金玉」)

その手は桑名の焼き蛤(「その手は喰わない」+「桑名の焼き蛤」)

恐れ入谷の鬼子母神(「恐れ入りました」+「鬼子母神」)

びっくり下谷の広徳寺(「びっくりした」+「広徳寺」)

嘘を築地の御門跡(「うそをつく」+「築地門跡 (「築地の御門跡」は築地本願寺のこと))

志やれの内のお祖師様 (「洒落る」+「妙法寺」東京都杉並区堀ノ内にある寺院で「お祖師様」で知られる。江戸時代より厄除けで知られていた)

いやじゃ有馬の水天宮(「いやじゃありませんか」+「水天宮」(江戸の水天宮は久留米藩主有馬家の藩邸内にあった)

どうぞかなえて暮の鐘(「どうぞかなえてくれ」+「暮の鐘」)

申し訳有馬温泉(「申し訳ありません」+「有馬温泉」)





●啖呵売(たんかばい)

・ごくあたりまえの品物を、巧みな話術で客を楽しませ、いい気分にさせて売りさばく商売手法である。昔の縁日や路上販売などで、よく行われていた。

・たいしたもんだよ蛙のションベン、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし

・結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻の周りは糞だらけ 

・鶴は千年、亀は万年、隣の婆さん後一年

・男は度胸で女は愛嬌、坊主はお経で、学生は勉強、庭で鶯ホーホケキョウ

・張っちゃいけねえ親父のアタマ、張らなきゃ食えねえ提灯屋

・亭主の浮気にカカアはカッカ、お猿のオケツは、マッカッカ

・女房慣らすにゃ天秤棒でどやせ、デチ棒で慣らせばつけ上がる

・テキ屋殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降ればいい

・天に軌道がある如く、人それぞれに運命を持って生まれ合わせております。とかく子(ネ)の干支の方は終わり晩年が色情的関係において良くない。丙午(ヒノエウマ)の女は家に不幸をもたらす。未(ヒツジ)の女は角にも立たすなというが、そこの若いお方、あなたの生まれ年は?

・やけのやんぱち日焼けの茄子、色が黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たない


参考にしたHP
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/kanmon/0512/ka_512_051218.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~VD3T-SMZ/eiga/dokuson8.html
http://homepage1.nifty.com/zpe60314/kojyo3.htm
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