迷宮映画館

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13階段

2003年02月08日 | さ行 日本映画
東京拘置所、死刑囚監房。死刑囚270号が刻々と迫る自分のタイムリミットに恐怖を感じていた。十年前に起こった老夫婦の殺害事件の犯人とされ、死刑が確定していた。でも、一時的な記憶喪失に陥っており、自分が実際に何をしたのか、全然わかっていなかった。

松山刑務所、ベテランの南郷刑務官の目に止まったのが、傷害致死で3年の実刑を下された三上純一。人を寄せつけず、孤高の態度を取っていた。その三上が出所したとき、南郷は彼に仕事を持ちかけた。死刑囚270号の冤罪を晴らすための捜査。成功報酬はかなりの高額。慰謝料をまだ払いきっていない三上は選択の余地なくその捜査の手伝いをすることになった。

殺人事件が起こったのは三上が殺した相手の地元。狭い地域でさまざまなつながりが見えたきた。地道に捜査を続ける南郷と三上。死刑を執行したことを裁かれない殺人を犯したという南郷と何か秘密を抱えているような三上の間に連帯感が築かれていく。果たして270号は冤罪なのか、真犯人はいるのか、三上の秘密とは。


現に日本には死刑が存在している。最初に欧米の刑は応報刑、日本の刑は目的刑という説明があるが、更生と、社会復帰が基本にある。そう考えると日本は性善説をとっているような気がするが、再犯率は高い。その中での究極の刑が死刑。どのように死刑が執行されるのかもリアルに映像化されている。宮迫君、うまい。しかし、犯人が死刑にされようとも、犠牲者が帰ってくるわけではない。被害者の関係者の気が晴れるものでもないだろう。しかし、そうでもしなければ、気持ちの置き所はない。

この映画では死刑の是非よりも、客観的に死刑を描いて、後は事件の謎解きになっている。その謎は結構簡単に見えてくるし、説明が丁寧すぎ。非常に真面目な方が作ったようで、真面目な映画の作りになっている。それがいい方と悪い方、両方に出ていた。さらに狭い登場人物がからみすぎ。因果応報の人間相関図みたいなつくりだ。映画はそれなりにうまく出来ていたが、どこか優等生のつくりになっているのがひっかかってしようがなかった。

「利家とまつ」も真面目に見てなかった私は反町君という人をまじまじと見たのは今回が初めて。んーー、なかなかいい挑戦と、自分探しが出来たのでは。最近いろんな映画に登場する寺島進、この味はいいんでないでしょうか。でもやっぱり締めは務さん、あなたです。

見終わって帰ってから、愛人と共謀して夫を殺し、その後次男まで殺してしまった母親の死刑判決が出た話題をTVで見た。彼女が死刑になって、気が晴れる人はいないような気がした。でも、こんなことは絶対してはいけない。わが子を金のために殺した。何でそんなことができるのか。古来、人間は延々と残虐なことをし続けてきた。戦争もしかり、子殺しも、親殺しも、レイプも、人殺しもしかり。人間って一体なんなのだろうとつくづく感じてしまった。


「13階段」

監督 長沢 雅彦  出演 反町 隆史  山崎 務  宮藤 官九郎 2003年 日本作品

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