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最強のふたり

2012年10月19日 | さ行 外国映画
英語の原題が「UNTOUCHABLE」と出て、これはいったい?どんな意味?見ているうちに、じわじわとこの言葉に含まれている意味が見えてきます。深い!

いい、いい!との評判と、素敵な場面を見せてくれる予告で、すでに期待はダンボのように膨らんでおりました。スラム街出身の黒人青年ドリス。仕事もなく、家にはなぜかいっぱいの兄弟たち。弟は怪しげな連中に関わっているようで、とにかく危なっかしいところ。

そのドリスが就職しようと面接を待っているのが、大富豪のお屋敷。ものすごい調度品の数々であります。仕事は、ここのご主人様のフィリップの面倒を見ること。大富豪様は、首から下がマヒしていて、腕一本動かせない障害者だったのです。面接を受けている人たちは、ここぞとばかりに自分をアピール。いかに自分が障害者に理解があって、なおかつ経験豊富で、障害とともに自分も生きていきます!!みたいな美辞麗句を並べ立てると!

偽善者とは言わないまでも、あまりのステレオタイプな輩に嫌気がさしていたフィリップは、一切同情心を見せず、ただ単に就職活動をした!という書類がほしかっただけ!というある意味バカ正直なドリスに白羽の矢を立てるのでした。もう同情はいらない。自分を一人の同等な人間として見てほしい。そんな彼の思いにピタッとはまったのが、破天荒なドリス。

なぜ自分が選ばれたのかもよくわからないまま、フィリップの面倒を見ることになったドリス。介護なんか、みじんも知らないわけで、車いすに座らせるのも、シャワーを浴びせる、ストッキングをはかせる・・すべてがうへーーと思うこと。いやいやながらも自分が仕事をしなければ、フィリップは生きていけない。責任もしかと受け止める。

ドリスも着実に成長しながら、フィリップは今までの自分とは違う生き方を模索していくようになる。まるで出会うはずもない二人が、偶然、いや必然だったのかも、であったことによって、二人の間に大きな力強い絆が作られていくのです。そこには何者も間に割って入ることはできないほどのもの。

なんでしょねえ、ドリスのぶっきらぼうなあったかさが本当に心地いい。フィリップのパーティで、演奏されるクラシックの名曲の数々も素敵ならば、そのあとのEW&Fの旋律に、思わず泣けました。なんでそんなとこでぐぐっと来る?と、自分でもよーわからなかったのですが、ドリスのあったかさと素直さ。それに答えるフィリップの笑顔がなんとも言えずによかった。本当によかった。

フィリップは、ドリスが家族に必要な一員なんだということを知って、ドリスをやめさせ、家に返す。フィリップにとっては身を切られるほどの辛い決断。しかし、障害者の世話でドリスの可能性をつぶしてしまうのも辛い。大丈夫だ。もとに戻るだけ。気難しい大富豪の障害者の衣を着ればいい。。。。

そして思い知る。どれだけドリスの存在が大きかったか。彼のまっすぐな表現の気持ちのいいこと。容赦ない言葉は気力を奮い立たせてもらった。誰もが特別な目で見る自分を、対等な一人の人間として扱ってくれた唯一の人。しかし、いくら対等な人間としても、一人ではいかんともしがたい。自分が、本当の自分であるためにはどうしてもドリスが必要なんだと言うことがわかる。そして、それに応えるドリス。これぞ≪最強のふたり≫だ!!!

いやーー、よかった。本当によかった。気持ちよかった。はらはらした。でもって、大いに笑って泣いた。面白いとか、感動作とか、怖い!とかいろいろあるけど、気持ちのいい作品ってのは、あんまりない。1年のうち2,3本かなあ。そして音楽とのベストマッチ♪今年は、「アーティスト」とこれだなあ。いや、素晴らしかった。ありがとう。

◎◎◎◎◎

「最強のふたり」

監督 エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ
出演 フランソワ・クリュゼ オマール・シー アンヌ・ル・ニ オドレイ・フロール クロティルド・モレ

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18 コメント

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Unknown (AKIRA)
2012-10-19 15:27:26
パーティーの場面よかったですね!
自然とグッときました。

素直に笑顔になれる二人の関係性が最強。^^
自分も楽しむ (ノルウェーまだ~む)
2012-10-20 10:33:51
私もパーティーのシーンはなんだか涙出てきちゃいましたよ。
やっぱり人を喜ばせるには、自らも心から楽しんでないと、ってことなのでしょうね。
そこが大事ってなかなか気が付かないものです。
またとないふたり (KON)
2012-10-21 01:57:32
ドリスとフィリップは、出会ってすぐ通じ合っていましたね。
こんなことは一生にそうないです。そういう空気を表現した役者さんふたりに拍手したいです。
音楽も最高!
>AKIRAさま (sakurai)
2012-10-22 14:49:33
あのパーティの持っていきかたはなんであんなにぐっとくるのかわかりませんが、本当によかった。
胸が熱くなるっていうのは、ああいうのを言うんだって。
本当に気持ちのいい作品でした。
>ノルウェーまだ~むさま (sakurai)
2012-10-22 15:03:42
歌とマッチって、映画の質を高めますよねえ。
EF&Fの音楽の使い方が、またベストマッチで!
ドリスだったら、クラッシックも十分楽しんでましたけどねえ。
また見に行きたいです!
>KONさま (sakurai)
2012-10-22 15:09:27
珍しく邦題がぴったり来て、よかった。
大概、変な邦題つけられて、二人の関係をあいまいにしそうですが、これはよかった。
それに加えて、見事な音楽。
今年、一、二ですわ。
オマール・シーはジャン・レノの再来か? (西京極 紫)
2012-10-22 20:00:47
私のブログへのコメントとトラバ返しありがとうございます。

身体障害者と介護人という
ともすれば重かったり暗かったりになりがちなテーマを
「そんなもん楽しまなけりゃ損っ!」
って言いきっちゃう脚本が爽快感の源でしょうね。

このオマール・シーという黒人俳優さん、
これからハリウッドからオファーくるでしょうね。
ジャン・レノ以来ですかね?
>西京極 紫さま (sakurai)
2012-10-24 19:37:21
身障者ならではってのと、それを全く特別視してないドリスの大きさって言うのか、鈍感って言うのか、とにかく普通の目で見てる姿勢が、とっても気持ちよかったです。
いろいろと見習わないと。
この俳優さんは来ますねえ。
英語はどうなんだろう。
美しいし、贔屓にします。
間違いないっ~ (cyaz)
2012-10-25 17:21:00
sakuraiさん、こんにちは^^

本当にいい映画でしたね
文句なしにやられた~って映画でした^^
僕もこの映画、今年のベスト3(この後わからないですが)に
入ること間違いないっす
>cyazさま (sakurai)
2012-10-29 08:29:12
ほぼベスト3確定ですね。
フランス映画で締めそうです。
気持ちのいい映画って、希少価値がありますよ。
音楽もよかったし、いや、本当によかったです。

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