迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

アメリ

2001年12月16日 | あ行 外国映画
小さい頃から空想好きだったアメリ。勘違いの心臓病でおとなしく家にいたこともあって、その空想はどんどん広がっていった。大人になってもそれは変わらず、ちょっといたずら好きな少女のような大人、それがアメリだ。

今はカフェでギャルソンヌをしているが、その店にやってくる面々がまた個性的。売り子も客も一癖も二癖もある。彼女の暮らす周りの人々もまた面白い。悪徳八百屋にガラスの骨の絵描き、亭主が出て行った何十年か前から時が止まってしまったおばさんなどなど、話題には事欠かない。

ある日、アパルトメントの隅から誰かが隠した宝物を見つけたところからアメリの生活が変わっていく。神の啓示を受けたかのように他人の人生にちょっかいをかけに行く。そのちょっかいは人によっては奇蹟なのかもしれないし、いたずらだし、迷惑だし、無上の喜びだったりするのだ。いかにも映画的な奇蹟を起こして、おおーという内容が多い中で、彼女が起こす奇蹟はとってもアナログ。そこがいい。目を見張るCGじゃないけどホンワカしてくる特撮とでも言いましょうか。

そして、最後に自分。他人のことはよーく見えるアメリなのだが、自分の生き方は不器用そのもの。もどかしくなるくらいじれったい。そんな彼女だが、果たして幸せをつかめるのか。

フォーラムで1月から上映するこの作品を一足先に見てきました。本国フランスでは爆発的な人気。その人気を引っさげての東京上映は長蛇の列だとか。そんな期待をもって見ると、「んー。」と首を傾げてしまうことがままあるのですが、これはいいです。派手さはないし、あのジュネ監督のというのでちょっと引く方もいらっしゃるかもしれませんが、映画の正の部分を前面に押し出そうとしています。現実も厳しく、こんないいこと起こるわけないと思ってしまう世の中ですが、映画の中で位、幸せつかみましょう。そんな小さな幸せ味わえる映画です。もちろん、フランス風エスプリもぎゅっとつまってます。

「アメリ」

原題「Le Fabuleux Destin D’Amēlie Poulain」 
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
出演 オドレィ・トトゥ マチュー・カソヴィッツ 2001年 フランス作品

最新の画像もっと見る

コメントを投稿