迷宮映画館

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あの日、あの時、愛の記憶

2012年11月26日 | あ行 外国映画
第二次世界大戦のさなか、ポーランドの強制収容所にいたユダヤ人のハンナ。ドイツで暮らしていたようで、ポーランド語はわからない。彼女に恋をしたのが、ポーランド人で政治犯のトマシュ。厳しい管理下ではなかったトマシュは、特権を生かして、ハンナと密会を重ねる。そして、何とかして脱走を成功させる。

トマシュの家までなんとか逃げおおせた二人。当然自分たちは結婚するものと決めていたが、トマシュの母はそれを許せない。収容所の犯罪行為を告発するためのフィルムを届けるためにトマシュは、ハンナを置いて家を離れる。最悪の体調で、後ろ髪惹かれる思いで、ハンナ離れるトマシュ。案の定、トマシュの母は、黙って彼女を置いてはおかない。

そこにいられなくなったハンナは、トマシュの兄夫婦の家にかくまってもらうことになった。最新の注意を払って、身を隠すハンナ。しかし、じわじわとナチスの手が伸びてくる。

そこに帰ってきたトマシュの兄。トマシュの行方がわからず、ハンナは身を裂かれる思いだ。そこに家を接収されたと母までもがやってくる。トマシュが行方不明なのは、誰のせいだなんだとののしりあう姑と嫁。相変わらずトマシュは帰ってこない。ナチスがようやく撤退したと思ったら、今度はソ連がポーランドに侵攻してくる。第二次世界大戦中、最も悲惨な運命をたどった国は、一つの家、一つの家までもバラバラにしてしまった。

30年後、ハンナはニューヨークで、やさしい夫と娘と幸せに暮らしていた。夫の受賞パーティの日、彼女はテレビから忘れようにも忘れられない懐かしいあの声を聞く。トマシュだ。死んだと思っていたトマシュだった。戦争のあと、彼の行方を捜したハンナは、「推定死亡」の結果をもらっていた。そして、今。

どうしてもこの声の主を探さなければならない。理性が吹っ飛び、今までの築き上げたものが崩れたとしてもトマシュの消息を知りたい。そして、彼を探し出す。。。。

と、実際に戦後39年経って、かつての恋人と再会した実話がもとになっているそうな。そんなこともあるんだ。。。絶望の淵にいて、そこから這い上がり、新たな人生を歩んでいたところに見つかった過去。偶然とはいいがたい、運命のようなもんだろうか。それはそれですごいことで、本当によかったと思う。人生ほど面白いものはない。

でも、なんだか納得いかないのは今バージョン。いくら、30年前のかつての恋人見つけたといっても、亭主の大事な日にそこまでわがまましちゃまずいっしょ。若い娘でもないんだから。いや、それほどまでの動揺を起こさせるほどの出来事だった!といっても、大人の女性がすることではない。無理を感じたところ。

今の夫を愛している。だから妻を彼のもとに会いに行かせる。夫婦のきずなを確かめる。今があって、過去を振り返ることができる。。。。と言ってるのだから、ハンナの行動をもうちょっと理性あるもので、納得のいくものにしてほしかったような。

私にとって、興味あったのは、収容所の中。ユダヤ人に対する残酷な様子というのはよく見るものだが、たとえば政治犯の扱い(トマシュが政治犯だったというのは、映画の紹介で分かった。この辺はとってもわかりにくかった)や、そこで人間関係、そして何と言ってもポーランドの立場の複雑なところ。この辺をもっと見たかったなあ。

ドイツ語とポーランド語の違いで、なんとか複雑な人間関係の絡み具合を見てとるのも、ちょっとわかりにくかった。

◎◎◎●

「あの日、あの時、愛の記憶」

監督 アンナ・ジャスティス
出演 アリス・ドワイヤー マテウス・ダミエッキ ダグマー・マンツェル レヒ・マツキェビッチュ

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1 コメント

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こちらにもお邪魔しますね。 (なな)
2013-03-13 22:21:38
先日DVDで興味を惹かれて観ました。

実話でなかったら出来すぎのお話だと思うくらいですが
実話なので一気にポイントアップしました。
収容所内の恋も脱獄も
片方が政治犯で優遇されていたら可能なんだなぁ・・・
でも,脱獄成功,その後の生き別れ,30年後の奇跡の再会とくると
もうほんとに数奇すぎて,このふたりはまさに
運命の相手だったんだなぁと。ただし結ばれない宿命の・・・・
ロマンチックですね~~
でも戦争によって引き裂かれた恋人という点では
「ひまわり」のようなテーマの作品でもありますね。
ストーリー自体が文句なく面白くて感動的なので
もし著名な監督さんが撮ったらもっと世に知られたかも。

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