迷宮映画館

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荊の城

2008年01月16日 | TV
WOWOWにて、鑑賞。
見るからに汚そうなロンドンの裏町。いるのは表通りを歩けそうもない、裏家業の人間たちばかり。

スリのスーザン。通称、フィンガースミス。ラント通りの唯一(?)の善人、サックスビー夫人の住処にいる。そこの窓から見えるのは、死刑囚の処刑場。小さいころから見続けてきたのは、悲しい人生の末路をたどる人たちの姿だった。

そこに出入りしている<紳士>と呼ばれるイケ面男、リヴァース。彼はある一人の女性に目をつける。郊外に住むリリー家の令嬢・モード。莫大な遺産を相続するモードと結婚して、お金をいただこうとする。



そのためには、まずリリー家に入り込まなければならない。そのためにスウをメイドとして送り込み、自分を売り込む準備を整える。

世間知らずのモードは、徐々にスウに心を開き、二人はいつしか愛し合うようになっていく(?)。そして、乗り込んできたリヴァース。モードを連れ出し、駆け落ち。結婚し、遺産を手に入れようとするが、そのためには邪魔な女が・・・。

と言うような、あたし的完全につぼの19世紀のイギリスが舞台。片や、考えられないほどの慇懃で、超お金持ちの貴族がいるかと思えば、これぞ貧乏を絵に書いたような貧しい汚い人々が隣り合って暮らしている。

そのギャップというか、これでもかというほどの格差社会がこれほど密接でありながら、まるで双方を相手にもしていないという状況が非常に興味深い。

それだけでなく、さすが「このミス大賞」だったようで、練りに練った本のうまさに唸る。スウとモードの息を飲む関係がすごいカタルシスだった。令嬢の楚々としたカマトトぶりもぴったりはまってるかと思うと、スリのスウの心根もいい。

そして、ピタッと決めていたのはサックスビー夫人のイメルダ・スタウントン。『ヴェラ・ドレイク』を彷彿させるようないいおばちゃん。イギリスのおばちゃんと言ったらこの人しかいないだろうと思うくらいのはまりぶりなのだが、彼女の最後の選択もまた素晴らしい。

頑迷な貴族役のチャールズ・ダンスもピタッとはまってる。ルパート・エヴァンスもこれから期待の有望株と見た。




間違って録画してしまい、軽い気持ちで鑑賞したのだが、さすがBBC、貫禄のドラマ。これは見た甲斐があった。

『荊の城』

原作 サラ・ウォーターズ
監督 エイスリング・ウォルシュ
出演 サリー・ホーキンス ルパート・エヴァンス エレイン・キャシディ

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8 コメント

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こんにちは♪ (ミチ)
2008-01-19 20:56:49
ご無沙汰しております。
私もこのドラマ見ました!
感想は書いていないのですが・・・(汗)

この小説は数年前にとても評価が高かったので読んだのですが、とても面白かったのです。
先日WOWOWの番組表を見ていて偶然このドラマを発見して二日続けて鑑賞。
さすがはBBCでしたね~。
NHKなどで放送してくれたらもっとたくさんの人が見てくれるのにな~と思いました。
あ、女性同士のシーンがあるから無理かしら?(汗)
>ミチさま (sakurai)
2008-01-20 08:43:09
大変ご無沙汰しております。
コメントありがとうございます。

小説お読みになったのですかあ。さすが。
これはずしんと来るすごいドラマでしたね。
いやーー、見た甲斐がありました。
同じ場面を二面方向から切り取る見せ方に、あのぴったりはまった役者さんたち。
すごかったです。

番組表どころか、間違って録画ボタンを押してしまって、「なんだこれ?」で見てしまったのですが、あまりのおもしろさに、翌日も鑑賞。
きっと天が「これ見ろ!」つって、ボタンを押させたと思ってます。
こんにちは (izumi)
2008-01-24 18:57:15
先日は、TB&コメントをありがとうございました!
面白かったですね~。
まんまと騙されてしまって、「えっ!」と声が出てしまった自分に笑ってしまいました。
sakuraiさんは間違って録画してしまったんですね?ラッキーでしたね!
>izumiさま (sakurai)
2008-01-25 14:46:43
ありがとうございます。
本当、面白かったです。
前半と、後半の見事な返しにうならされました。
『エレクション』はあまりのひどさに言及する気もおきませんわ。
天の思し召し (miyu)
2008-04-11 09:34:33
でしょうかねwww
というより、sakuraiさんのためのドラマみたいなもんですよね~。
原作は未読なのですが、同じサラ・ウォーターズの「半身」は読んでいるんです。
でも、これはきっと映像で観たほうが楽しめる作品なんじゃないかなぁと
思いましたよ~。
>miyuさま (sakurai)
2008-04-13 13:31:19
わははは。
時々、自分は超能力者だあ!と思うときがあるのですが、いつもは絶対に見ないTVのチャンネル、時間に、無意識にスイッチいれて、すごいの見たり、これもそれだったかもです。って大袈裟。
本も読みたくなりましたが、いまだ果たしておりません。いっぱい読みたいのが連なってます。時間が欲しい。
もしやと (メル)
2009-08-04 09:21:44
もしかして・・と思ってお邪魔してみたら、sakuraiさんがこの記事を書いてらっしゃって、おぉ!と喜んでおります(笑)
それにしてもsakuraiさん、素晴らしい超能力&嗅覚?ですねぇ(笑)
たまたま見たなんてすごいです!

これ、ブログ仲間さんに教えてもらって見たんですが、すごいよ~~~と言われて観て、すっごく期待してたので、案外期待しすぎってことになるか??って思ってたんですが、期待以上でした~。
期待以上のドロドロ・・とでも言いますか(^^ゞ
DVDで見たので、スウがわけもわからず叫びながら精神病院に入れられる・・そしてそれを平然と見ているモード・・というところで、上巻が終わったので、ええ~~~っ!!!??どうなってるの??と下巻を大急ぎでデッキの中へ。
はやる気持ちで手が震えそうでした?!(笑)

そうそう、これでもかって位の格差社会も描かれてましたよねぇ。

イメルダ・スタウントンもピッタリハマってましたよね。さすが・・って感じ。
それに”紳士”を演じた彼、なかなかの甘いマスクでちょっと注目^^

私も原作読みたいなぁって思ってます♪
同じ作者の「半身」も面白そうだなぁ~・・って思ったんですが、一日が24時間以上ないと、読めないかも~(^_^;)
>メルさま (sakurai)
2009-08-05 08:50:13
たまたまどころか、これの前の番組を撮るはずが、間違って????なんだこれ???すぐ消そうと思ったのですが、なんかあったんですね、きっと。
あたしの超能力。
ときどきやるんですよ。
絶対見ない時間に突如ひねった(いまはひねらんか・・)番組で、すごいもの見ちゃった!とかね。

結構ドロドロのぎりぎりの話ってのもBBCはありなんですよね。
某国の公共放送では絶対に作れないようなものも作るし、その作り方の徹底ぶりがさすがですよね。
でもって、役者がみないい!!ぴったりはまり役の人を、よくもこんだけ配置するもんだと、感心しますよ。
このイメルダおばさんなんか、本当にお見事でしたよね。

あたしも一日の時間がもっとほしいとこですが、まず目がやばい。
少々目を休ませないと、肝心の映画が見れなくなるとまずいので、自重しながら読んでます。

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