迷宮映画館

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8mile

2003年05月26日 | あ行 外国映画
デトロイトの街、うす汚たシェルターと呼ばれるクラブで、ラップバトルが行われていた。出番を待つ、白人のラビットと呼ばれる若者。緊張のあまり、声がでない。嘲笑と罵声を浴びせられ、すごすごとステージを降りる。

彼女とも別れ、行くところもない彼は、母のトレーラーハウスの厄介になるが、文字通りの厄介もの。母はあばずれ、ラビットの高校の先輩を家に連れ込んでいる。いつか、ここから抜け出すんだと、思ってはいるが、仕事は続かず、車はこれ以上ないほどのボロ。大物プロデューサーに紹介してやるという信用置けない話にすがるしか、道はない。

完全に打ちのめされた後に、敢然とした決意で臨むバトル。自分の力を出し切った後に、道は拓かれていた。

リリックも、エミネムも、スキルも何にも知らないおばさんは、今回のこの映画で、初めて、この若きカリスマ白人ラッパー・エミネムという存在を知った。映画にならなければ、きっと、ズーッと知らなかったと思う。ラップは聞いてて、心地いいものだとは思わない。相手を罵倒し、上げ足取りをし、お世辞にもいい言葉を並べているとは思えない。でも、何がそんなに若者の心をとらえるのか。どんな方法にせよ、これは自分を表現できる最高のものの一つだ。歌い上げたときのカタルシスはどの世代にも普遍に伝わる。映画後半の彼の真骨頂である、ラップには鳥肌が立った。

映画はとってもノーマルな作り。挫折した若者。何度も打ちのめされ、叩きつけられ、ちょっと支える彼女があらわれて、何でも言い合える仲間がいる。ライバルは最強。そして、最後には栄冠をつかむという、いまどき珍しい古典的なタッチだ。ラップがよーわからんおばさんは、ストーリーを追うわけだが、新味はない。ふた癖もあるカーティス監督にしては、珍しいタッチだと思ったのだが、何より、彼をつき動かしたのが、エミネムという人間なのだろう。演技はさすがに稚拙だったが、彼の眼力がいい。そして、すべてを補って余りある歌がある。(『歌』って言ってはいけないのでしょうか。)

キム・ベイシンガーの哀れなあばずれぶりが最高だった。久々に見た、これぞ、彼女の真骨頂。アレで、50歳ですからね。イヤー凄い。
 エミネム君のズボンがもう5cmほど上がると、日本中の腰ズボンの高校生のお兄さん達のズボンがちょっとはあがると思うんだけどな。ちょいと頼みますよ

「8mile」

監督 カーティス・ハンソン 
出演 エミネム ブリタニー・マーフィー キム・ベイシンガー 2002年 アメリカ作品

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