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ケープタウン

2014年10月16日 | か行 外国映画
南アフリカ、この20年で、予想もつかないほどの変貌を遂げ、すごいことをやってのけ、そしてその成果が見事に行方不明になった稀有な国ではないかと思う。やはり、いつまでもこの国について回るのはアパルトヘイトの長い歴史。

アパルトヘイトにはこちらに詳しいので、ご参照に。

長きにわたった戦いを経て、南アはアパルトヘイトを捨て去り、新しい世界に一歩を踏み出した。じゃあ、それまでのわだかまりや、格差や、価値観もすべて問題なく収まったのか!といえば、絶対にそんなことはない。人間はそんなに高度な生き物だとは思ってない。アパルトヘイトを捨てた後、南アが進もうとしたいばらの道を歩むことができたのは、ネルソン・マンデラという傑出した人物がいたせいに他ならない。

国際社会に復帰した南アは、めきめき頭角を表す。ラグビーのワールドカップを開催して、大いに沸かせたのは周知のとおり。表面上は何の問題もなく、まるで奇跡のような国作りができたと私たちは思い込んでしまった。もしかしたら、汚い見たくないものは押し入れにとりあえず突っ込んで、見ないふりをしてやり過ごせれば・・と。問題の先送りは、人間の得意技だ。

やっぱ、うまくいってないんじゃないの・・と思わせ、世界の目が南アに向いたのがサッカーのワールドカップの開催だったように思う。実は犯罪が蔓延し、殺人事件は日常茶飯事などという物騒なうわさが聞こえてくる。怖いけど、その事実を知るべきだった私たちに、ワールドカップというのは、最上のアイテムだったかもしれない。みんなが目を向けていたのは4年前。私たちはその後、アフリカ最南端の地に、思いをはせただろうか・・・?南アフリカが舞台の作品というと、ついつい、こんな余計なことを考えてしまう。


さて、映画。あらすじは映画.comさんより。お借りしたので。

南アフリカの都市ケープタウンで、元ラグビー選手の娘が殺害された。捜査に乗りだした刑事ブライアンとアリは、事件の夜、少女が薬物の売人と会っていたことを知る。その薬物は、街で頻発している子ども失踪事件の現場で発見されたものと同じだった。薬物を手がかりに捜査を進めるうち、刑事たちは事件の裏側にひそむ組織的な陰謀の存在にたどり着くが……。

当初は何気ない(なんて言ってはいけないのだが・・)殺人事件。でも、探って行くうちに、マジにドロドロとした人間の欲望、はたまた、それまでの南アの歴史にくすぶっていた人種差別の根深い澱が、徐々に見えてくる。へどが出そうなほどのとんでもない裏が、まじな人間の姿を表している。しわが心配。

わたしたちは、もっともっと、いろんなものに目をやらないといけないのは知ってる。でも、それがあまりにも多岐に及んで、絶対に追い付かない。おまけに、次々と新しい問題が起きる。なんで、こんなにも問題が起き続けるのか。やっぱ、われわれ人間という生き物は、よっぽど未完成な生き物なんじゃないかと思ってしまう。そんなことを痛烈に考えさせられた一本だった。

ウィテカーは、鉄板の演技。安心安全!間違いがない。でも、若干どれもおんなじに見えるのはご愛敬。オーリーは、頑張ってた!敢闘賞をあげたい。好きでも嫌いでもない、どうでもいい役者さんだけど、この頑張りには、拍手。しっかりと南ア特有の英語になってた。

原作が読みたくなった。

◎◎◎◎

「ケープタウン」

監督 ジェローム・サル
出演 オーランド・ブルーム フォレスト・ウィテカー コンラッド・ケンプ ジョエル・カエン

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2 コメント

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南アは (ナドレック)
2014-10-19 08:51:15
世界一貧富の差が激しいと云われるだけあって、大豪邸とあばら屋が混在する映像に目をみはりました。
黒人を弾圧する側だった父を許せないオーランド・ブルームの心情の変化に救われました。
>ナドレックさま (sakurai)
2014-10-23 10:38:04
遠い南アの事なんで、何かないと目が向かないのですが、現実は厳しいんだろうなあ~と知らされた気分です。
いろいろとまだまだなんでしょうね。

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